妖怪退治と護衛がいるという事実を知り、少し頭がクラクラっとしてきた。島くんと清継くんは見てないとぼやいていたが、カナちゃんだけは少し不安そうな顔だ。まあ、彼女は強い。妖怪のぼくらよりも、心が強い。そう安心してしまった。学校から家に帰るとおじいちゃんがいた。
「よぅ、リクオ。おめぇあてに客人が来てるぞ。早く行ってやんな」
「うん、わかったよ。すぐに行くね」
一体誰だろう。ぼく宛の客?もしかしてもしかすると、あの妖怪かも。すぐにその妖怪のイメージがつき、身震いしてしまった。やばい、あの妖怪が来る。そう、鴆くんが。
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客間に通された鴆くんに会いに行くため、着替えて向かう。最後にあったのは何年前か?彼ら鴆は体に毒を持っており、その毒を治療や攻撃に使うことができる。しかしそのため彼らは短命で体が弱く病弱だ。だから最近は来れなかったのだが………。体調が良くなったのかどうかは知らない。何か土産話でも持ってきたのだろうか。深く考えるうちにどつぼにはまる。思考のループ。何度も同じところをぐるぐるぐる……。そのため思考を放棄し進む。何が待っていようとぼくは道を突き進むだけだ。そう思考放棄(逃避)しているうちに客間の前に着き、三回ノックして失礼すると声をかけて襖を開けた。
「若!お久しぶりでございます、鴆です!」
「ああ、久しぶり。鴆くん、元気にしてたかい?」
「ええ!私はなんとも……。それよりも若のお身体の方が大事にございます。大丈夫だったでしょうか」
「ぼくはなんともないよ。それよりも鴆くんのことさ」
「なんと……!この私目のために、わざわざ若を心配させるとは!申し訳ございません」
「いや、気にしないで。心配性なのは癖なんだ」
「そうでございますか、失礼しました」
昔からこうなのだよな。とてつもなくぼくにはと言うか本家には丁寧で、他の知らない組とかには厳しい目を送るという。その丁寧語をやめてもらいたいのだが、というか一度やめてと言ったのだが一向に聞く気配がない。これは彼の性なのだろう。そう思い切って治すのを諦めた。そうしてしばらく談笑していたら、氷麗が来てお茶を持ってきてくれた。茶を置いてごゆっくりという様はとても美しく凛としていた。さすがはぼくが好………なんでもない。いや、違うんだ。そうじゃない。とりあえずこの思考はやめにしないと、自分が恥ずかしすぎて死ぬ。急に出てきたものだから、いつもはこの思考に直結することはない。しかし、今回は急に出てきたため心の整理ができなくなっていたようだ。取り乱してしまったが、ちょうど心が落ち着いたところで鴆くんが帰りますといい、火車に乗って帰って行った。そうしてからしばらく経ち、酒を渡すことを思い出した。これはまずいと思い、じいちゃんに
「おじいちゃん!鴆くんに酒を届けてくる!」
「おお!早いうちに帰ってこいな」
さて、と。急がなければ!なぜか妙な胸騒ぎがする、心配だ。
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鴆一派の屋敷に着くと、それはもう酷い状態だった。周りの竹は燃えていて、屋敷の壁はボロボロのズタズタ。これはどう考えても人為的なものだ。屋敷本体は燃え盛っており、轟々と音を激しく立たせながら火を吹いている。
「鴆、鴆はどこだ!誰だ、鴆一派の屋敷を燃やしたのは!」
「それは私だよ、奴良組三代目」
「貴様は確か、鴆のお目付役の蛇太夫。貴様ァ!……ゆるさねぇ」
「リ、リクオ。なんでここに。いや、すみません若。動転しておりました。こやつに図られたのでございます。この俺とあろうものが、こんなことで」
「待ってろ。すぐ終わりにしてやる。行くぞ」
「お前は誰だ!奴良組三代目はどうした!」
「テメェの目の前にいんじゃねぇか。変化した奴良リクオがよぉ」
「ま、まて。待ってくれ!や、ややだ。死にたく……ぎゃぁああ!」
最後に蛇太夫は断末魔をあげ、地獄に逝った。あっけない最後だったと言える。
「鴆。大丈夫だったか。もう安心しな」
「あんたが、まさか。妖怪変化したリクオかい?」
「フッ、やっぱり鴆は丁寧語つかわねぇ方があってるぜ」
「そうかい?俺は生意気だと思ってるんだがな」
「そんなこたぁねぇさ。お前は十分に立派な妖怪だぜ?」
「ありがとよ。……ところでよ、リクオはなんでここに来たんだ」
「ああ、そういやぁ………」
「若!若!カラスです。カラス天狗でございます!酒はここですよ!」
「おお、すまねぇな。じゃ、一杯やるか」
「おっ!あんたが注いでくれんのかい?」
「ああ。注いでやる」
「なぁ、リクオ。あんたと正式に義兄弟になりてぇ。酌み交わそうぜ五分五分の酒をよ」
「ああ、いいぜ。鴆は弱い妖怪だからな。俺が守ってやる」
こうして鴆と義兄弟の盃を酌み交わした。帰り道、俺はカラス天狗に尋ねた。
「なぁ、カラス。あとどれぐらい盃を交わせばつえーやつになれる?」
「リ、リクオ様。お継ぎになる覚悟はあるのですね。百の数でございます。そこまでしていただかないと、リクオ様の目指すものにはなれないとカラスは思います」
「そうかい。なら百の数、盃を酌み交わしてやるよ」
こうして夜は更けていく。こんな一日の出来事であった。
今回は少し試させていただきまして、「」のところを詰めて書くか、詰めないで書く、どちらの方が見やすかったでしょうか?私は書いている人なのでわからないのですが、皆様はどうした方がよろしいでしょうか?そこのところを感想いただけると幸いでございます。その他きになることがあれば、私のことなんかも、答えられる範囲で答えていきたいと思います。ありがとうございました。