世界が俺を求めてる   作:ゴーゴー

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もはや強制力どこいった。ホモネタばっかじゃねーか、と言われそうだけれどこれが私の限界。

そしてシャルロットの設定、かなり独自設定が入るのでご注意を。


12 銀髪の方の転入生が俺の目を覚まさせてくれた

「静かにしろ」

 

 興奮冷めやらぬ様子の生徒達は千冬さんの一言で静まり返った。まさに鶴の一声とはこのことだろう。

 皆が一様に姿勢を正し、もう一人の銀髪の転入生に視線を向けている。

 

 IS学園はその特性上、日本人以外の生徒も多い。その上制服の改造が許可されていたり、生活に関する校則はある程度緩くなっている。

 そのため、黒以外の髪は珍しくはないがこれほどまで透き通った銀髪はいない。

 それに病的な真っ白な肌と、真っ赤な瞳。平均よりも低めの身長が相重なり、どことなくこの世のものではない、それこそ天使のような。

 

 中性的な王子様のような美少年に見劣りしないその容姿に、正していた姿勢は崩れ、皆その可憐な姿に表情を緩めていた。

 

「……自己紹介をしろ」

 

「はい、教官」

 

 しかし、そんな少女のことはどうだって良い。俺の頭の中は美少年――シャルル・デュノアのことでいっぱいであった。

 振り払おうとしても消えぬ、朗らかな微笑み。はらりと流れる金糸の髪。紫色の瞳は優艶でいて艶やか。

 そしてどこか儚げで悲しげな雰囲気の彼。

 

 いや、待て落ち着け。もう一度落ち着け。何を冷静に彼の魅力をモノローグで語っているんだ。

 確かに中性的で見ようよっては男にも女にも見える。だが男だ。

 笑顔は、少女のそれでしかなかったし、皆には見えぬように腰の辺りで小さく手を振る辺り凄い可愛らしい少女の仕草にほかならないが、それでも――男だ。

 

 男にドキっとしてしまった事実を忘れたくて、二度とそのような事態に陥らないために、デュノアは男だと言い聞かせる。

 それでもなお張り付く笑顔を剥がすためこれまでのドキドキ体験を思い出すことにした。

 汗滴る道着姿の箒ちゃん、夏の日のへそ出し鈴ちゃん、ISスーツのセシリアちゃん、抱き締めてくる千冬さん、たゆんたゆんな山田先生、無防備な蘭ちゃん、笑顔の可愛らしいデュノア。

 変態ぽいが大丈夫だ。ちゃんと女の子でドキドキしている。不健全だが男としては健――何さらっと入ってるんだデュノア……! いや、まだ弾とか織斑が入っていないのが救いと考えるべきか……!

 

「貴様が御山ミコトか」

 

「え、あ、はい」

 

 恐怖に襲われ、どうにかなってしまいそうになっていると不意に声をかけられた。

 頭を抱えていたため、下がっていた視線を前に向け、何時の間にか自己紹介を終えた銀髪の彼女と視線を合わせる。

 瞬間、頬に痛みが走った。平手打ち、ビンタ、いわゆるそれを彼女が放ったのだ。

 

「貴様だけは許さん」

 

 頭の中がスッキリとした。恐怖や困惑といった念がその一撃で吹き飛んだ。

 あまりもの衝撃で自分がホモではないかと思ってしまっていたが良く考えてみればそんなことはない。

 例えば特殊メイクで胸をつけ、顔も整形レベルの化粧をして、どこからどう誰が見ても女という状態になった男の上半身ヌードを見せられたとしよう。

 中身が男だと知らない者が見ればそれ相応の反応をするに違いない。

 それは女の容姿に反応したのであって中身の男に反応したわけではないのだ。

 ならばそれはホモとは言わない。だまし絵に騙されたようなものだ。

 ゆっくりと目を瞑り、そして開ける。先程は男という認識が薄いまま笑顔を向けられた。いわば不意打ちのようなもの。だから今度はきちんと男だという認識をもってデュノアを見れば反応しまい。

 

「……よし」

 

 成功である。ドキドキしない。微塵も、欠片も、全くドキドキしない。よってここに俺がホモではないと証明された。やったよ、よく頑張った。

 

 だが、これは俺だけではなし得なかったことだ。彼女が――ラウラ・ボーデヴィッヒが一撃くれなかったら混乱したまま織斑エンドという最悪な結末を迎えていたかもしれない。

 去り際に言っていた一言は良く聞こえなかったが、多分「大丈夫か?」的な一言だったに違いないだろう。今度彼女と話す機会があったらお礼をしなければ。ありがとうボーデヴィッヒちゃん。

 

「――二組との合同で実習を行う。各々遅れないように。……織斑、御山、同じ男同士デュノアの面倒を見てやれ」

 

 転入生二人の自己紹介も終え、皆が一時限目の準備に取りかかる。

 女子はグランド近くの更衣室で着替えることができるが俺と織斑、そしてデュノアは男であるためグランドと離れたアリーナの更衣室で着替えることになっているので少し急がなければ授業開始に間に合わず、千冬さんの拳を受けることになってしまう。

 

「走るぞミコト!」

 

 だからといって手を繋ぐ必要はあるのか織斑。百歩譲って道のわからないデュノアを導く意味でならば手を繋ぐ理由にはなるが、それならば俺を間に挟む必要はなかろう。なんでお前が俺の手を掴んで俺がデュノアの手を掴まなければならないんだ。おかしいだろこれ。

 気が付けば織斑により俺とデュノアの手が連結され、そして余った俺の手と織斑の手が連結していた。

 病気レベルにおかしくなってしまった織斑を心配しながら、周りからこれ以上ホモ認定されぬよう、せめてデュノアの方は手を離し――なぜ悲しそうな顔をするデュノア。その捨てられた子犬みたいな顔はやめろ。

 

「三人で手を繋いでるわ!」

 

「厚くなるなる!」

 

 遅かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだ時間もあるし自己紹介でもするか」

 

 女子達の猛攻から織斑が頑張り、なんとか無傷で逃れることに成功。俺達は一体何と戦っているのだろうか。

 それはともかくとして織斑にしてはまともな提案だったので今日何度目かという自己紹介タイムが行うことに。そして名前を言い合うだけの簡単なそれを終えて着替えている途中、デュノアが頬を染めて恥ずかしそうにそう言った。

 

「あ、あのさ……二人のこと、な、名前で呼んでも良い……かな?」

 

「勿論だ。な、ミコト」

 

「……おう」

 

 な、ミコト。だよな、ミコト。それ系統の言葉が織斑から放たれた時は、大抵おかしいか面倒なことだったので返事が一瞬遅れたが、なんとか肯定できた。

 

「……一夏……ミコト。……えへへ」

 

 嬉しそうに俺と織斑の名前を噛み締めるように呟き、嬉しそうに微笑んだ。いや微笑んだというより、嬉しさがピークに達してこぼれてしまった、という感じ。

 どうしたのかと聞くと、初めての友達ができて嬉しかったとのこと。

 

「……と、友達だよね……? な、名前で呼びあったら友達ってお母さんが……」

 

 それに対して無反応、というか呆気に取られ黙ってしまっていると不安そうにデュノアが慌てていた。

 

 デュノア社の社長の息子ということであり、普通の学校ではなく金持ちが集う学校に通っていたらしい。

 そこでは友達なんて関係はなく、パイプをつくったり、取り入ったり、そんな関係ばかりだったという。

 それに加え過保護な親だったらしく、箱入りで学校にも殆ど通っていなかったらしく――つまりは友達ゼロのボッチだったとのこと。

 

「いや、友達だよ」

 

 デュノアの肩を優しく叩いた。

 もしかすると女に見える中性的な見た目もボッチへの道を加速させたのかもしれない。現に俺は二度とドキドキしないようにデュノアとの関わりは最低限にするのもありかもしれないと考えていた。

 そんな身勝手なことで彼を一人にして良いのか? 否だ。

 彼に悪いところなんて一つもない。それなのに俺は……。

 

 罪悪感、同情。そんな感情がないとは言い切れない。半分くらいはそれが占めているだろう。

 だから、これからそんな感情が消えるまで一緒にいて、本当の友達になれる日を目指せば良い。

 それで弾や数馬、箒ちゃん達も紹介して皆で馬鹿をやれるそんな日が訪れればそれはきっと。

 

「そうだろ? 織斑」

 

「おう!」

 

 

 

 ――そんな未来を望んだ青春の一幕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅刻だ馬鹿者」

 

 

 時間の管理には気を付けようと思いました。

 

 

 

 




そして今更ながら、簪ちゃんとか会長とかを絡めるには最初の部屋割りでどっちかを同じ部屋にしておくべきだったと後悔。

諸々後悔が多いので福音辺りを終えたら書き直すかもしれません。面倒なので書き直さないかもしれません。

つまり見切り発車!

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