世界が俺を求めてる 作:ゴーゴー
何時もかもしれませんが、今回読みにくいと思います。
男子三人仲良く千冬さんに制裁を下され、それを合図に二組との合同授業が開始した。
一組は日本政府の思惑か日本人が多く、それこそセシリアちゃんくらいしか外国人がいなかったので、外国人の割合が多い二組との授業はいささか新鮮というか、やはり日本人より発育がよろしいというか、頑張れジュニア。しかしよく考えてみると箒ちゃん並びに一組の皆も――よそう。
「凰、オルコット、前に出ろ」
さて、授業が始まるという時に鈴ちゃん達が千冬さんに呼ばれた。面倒そうに出る二人に千冬さんが何かを呟き俄然やる気になった瞬間に叫び声。
何事かとその声の方へ顔を向けると同時に衝撃が走る。本当何が起こった。
「大丈夫か? 旦那様」
気が付けばいつもの神殿。
操縦を誤った山田先生が俺に突っ込み、ユリアがそれに反応してISを展開、そしてその山田先生をお姫様抱っこで受け止めているのが現状である。お姫様抱っこの意味は一体。
「褒めて良いのじゃぞ」
腰に手を当て豊満な胸を強調するドヤ顔ユリアちゃんの頭を撫で――例の如く撫でないと涙目――そして山田先生を下ろすように頼んだ。
しかしこの感覚はどうも不思議な感じがする。ISを起動すると基本的に俺はこの謎空間の神殿でユリアと話すことになる。外の様子は空中に投影されたモニターで見ることができて、会話などもそのモニター越しにすることが可能だ。ちょうどテレビ電話のような感覚。
こうやってユリアと話している間も神殿の外では俺の身体がユリアによって動かされているのだからなんとも言えない。束さんのことだから命に関わるようなことはないのだろうけど、精神と身体が切り離されるのはあまり気分の良いものではない。悪いかと聞かれると実感はないのでそうは言えないのだが。
やはり不思議というのが的確な表現だろうか。
「――以後は敬意をもって接するように」
なんて思考の海に浸っていると山田先生対鈴ちゃんとセシリアちゃんの戦いが、山田先生の圧勝で終わっていた。
千冬さん的には普段舐められている山田先生の実力を示して生徒達に認めされるとかそういった意図があったのだろうが――
「まやまやすごーい!」
「今度教えてー!」
――うん、まぁ、山田先生のキャラ的にはこのままの方が良いのかもしれない。
「では残りの時間、グループにわかれて実習を行う。リーダーは専用機持ちに任せる。以上」
と言われるがままにリーダーとして用意されていた量産機の近くを陣取ってみるが、リーダーって何をすれば良いのだろうか。
残念ながら全ての動作をユリアに任せているため実技は教えられないし、いまだにISコアとか基本のこと以外さっぱりな座学も無理である。言ってしまえば俺が彼女らに教えられることは一つもない。
いや、そもそも具体的になにをするか言わない千冬さんも悪いと思うのだ。
「とりあえず出席番号順に並んでくれ」
「習うより慣れろってのが私の持論。理論云々よりまずは乗りなさい」
織斑、鈴ちゃん、他全員リーダーを全うしていた。なにその対応力。少しで良いからわけてほしい。
何をして良いのかわからないと言って何もしないわけにもいかず、周りを見ながら見よう見まねでなんとか切り抜けた。
お願いします、と女子達から手を差し伸べられ、その際腰を折りながら差し伸ばすものだから双丘が重力に従いなんとも言えないご馳走さまです。
なんてことがあったり、立ったままISを解除してしまった女子がいて乗れなくなってしまいお姫様抱っこをして乗せるはめになったり、しかし俺の意思は神殿の中だから特に役得なことはなかったり、普段の二倍増しで疲れた授業をなんとか乗り越えることができた。
「……ベッドが増えてる」
シャルルを加えたいつものメンバーで食事を取ったこと以外はいつもの日を過ごし放課後。
夕食も終え部屋に戻ると何故かいつも先回りしている面々が居らず、代わりにベッドが一つ増えていた。
どういうことかと千冬さんに連絡したところ、シャルルと同じ部屋になるとかなんとか。
元々二人部屋を二つ繋げた、つまりは四人過ごせる広さなので問題はないのだが連絡の一つは欲しかったと言うと曰く山田先生が言い忘れていたとか。大丈夫かあの人……。
面々がいないのは流石に、会ったばかりのシャルルがいる部屋に無断で入るのはよろしくないとの判断らしい。その常識を少しでも俺に向けてほしいところだが今更なので黙っておく。言ったところで無駄である。俺も馬鹿ではない。
「えへ」
遅れてやってきたシャルルと部屋のどこに何があるかとか、シャワーをどう使うとか確認をして各々適当に時間を潰しているとシャルルが凄い笑顔で携帯電話を見ていたので、どうしたと聞くと
「見て、アドレス帳が友達の名前でいっぱい」
ずい、と顔を近付けて嬉しそうに携帯を見せてくるシャルル。俺から始まり織斑、箒ちゃんと続き、いつものメンバーのアドレスが並んでいる。悲しくなってきた。
「ん、先にシャワー借りて良いかな?」
「どうぞ」
少し時間を潰し、シャルルがシャワーを浴びにシャワー室へ。
アドレス交換だけであんなに喜べるなんて、本当にぼっちだったんだなと再確認。今度の休日、弾のところに連れていこう。数馬も呼んで、いや呼べるだけ呼んで騒ぐのも悪くない。全員と友達、なんてことにはならないだろうが、そういうのも悪くはないだろう。
そうと決まればシャルルの予定を聞いて――と、ここまで考えて何気なく、別段意味もなくシャルルのベッドへ視線を向けた。
「……」
思考が停止。目を擦り、瞬きをしてもう一度視線を向ける。
――下着。
女性ものの下着がそこにあった。サイズは大きめ。いやいや、そんなことはどうでも良い。
問題なのは何故ここに女性ものの下着があるのか。
「あー!」
程なく悲鳴がシャワー室から聞こえた。ドタドタと悲鳴の主であるシャルルが飛び出てきてその下着を雑に掴んで鞄に投げ入れる。
「シャ――」
「ち、違うから!」
「いや、まだ何も」
「男装して近付いてISのデータとるとかそんなのじゃないから!」
「……」
「え、えっと、あの、ほら」
「……」
「……」
「……」
「――趣味だから! 女性の下着を集めるのが趣味だから!」
それはそれでダメだと思う。そしてスパイ的なことを暴露されたが、それよりも問題なのが一つだけ。
「……シャルル、服」
「うぇ、え?」
指を指すとシャルルは視線を下に向けた。彼――彼女はおそらく下着を置き忘れてしまったことに気が付き、シャワー室から出てきたのだろう。そのための悲鳴だと考えられる。そして彼女はそれを見られないため急いでしまった結果、そのまま出てきた。
つまり、裸である。一応本能からかタオルで前は隠しているが大きすぎる胸は隠しきれていない。
シャルルは女の子だった。わけがわからないとはこのことか。
「わ、わわわ」
顔を真っ赤にしたり真っ青にしたり。羞恥とバレてしまったことへの恐怖がいったりきたりしているのだろう。
やがて彼女は俯くと決心したかのように高らかにこう言った。
「じょ、女装が趣味だから!」
それは無理があると思う。
初日に正体を明かす系ヒロイン。
ラウラ「私の出番はいつになったら……」
私にもわからない。