世界が俺を求めてる   作:ゴーゴー

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壁|・;)

壁|・・;)ノシ  ミ○

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※2018/11/19 更新したのはこの話ではありません。詳しくは活動報告へ。よろしくお願いいたします。
※2018/11/23 本編から旧に移動させました。


旧16 ポンコツな金髪が俺にあーんを強要してくる

「私ね、愛人の娘なの――」

 

 ――から始まる彼女の独白はまさに悲劇と言えよう。

 

 涙ながらに語る彼女を見ればそれが嘘偽りのない話だと信じられる。震える彼女を見れば、これからのことへの恐怖が本物だとわかる。

 

 しかし、それでもなんとも言えない気持ちになるのは何故だろう。

 

「……あの……服を」

 

「それで会社から――」

 

「……その前に服を」

 

「男として――」

 

 多分、というか十中八九彼女――シャルロット・デュノアが裸で、そしてここがシャワールームだからである。

 

 

 事の経緯は保健室で目覚めたところから始まる。

 睡魔に負けて寝落ちした俺は気が付けば保健室にいた。おそらくボーデヴィッヒちゃんが運んでくれたのだろう。また彼女には借りをつくってしまった。いずれ何かで御返しをしたいところである。

 ふと窓を見てみると外は暗く、時計を見れば既に食堂が閉じている時間。

 仕方がないので飯は諦め、とりあえず寝汗でベトつく身体を洗おうと部屋にむかった。

 そして部屋に到着。着替えとタオルだけを持ちシャワールームのドアを開け、そして停止した。

 言い訳にしか聞こえないだろうが、寝起きだった俺はシャルルちゃん――改めシャルロットちゃんの存在が頭からすっかりと抜け落ちていたのだ。

 

『あ』

 

『あ』

 

 さん、はい。

 

『きゃぁー!』

 

 というラッキースケベ。現実でこんなことが本当に起きるとは思わなかった。これ(ラッキースケベ)ってどのくらいの確率なのだろうか。多分、凄まじく低いと思われる。なんでこんなところで運を使っちゃうのかな俺は。こんなことなら宝くじでも、なんて逃避をしているとシャルロットちゃんが語り始めて今に至る。

 

 服を着てください、本当。

 

 というか本当にバレていないと思っていたシャルロットちゃんに驚かざるを得ない。

 

「君は何も見ていない、いいね?」

 

 的な良くあるごり押しに俺が同意した形だと思っていたがシャルロットちゃんは本気で隠し通したと思っていたらしい。でないと今正体を明かす理由がない。

 しかし、前回も今回も裸を見たことには変わりがないのに前回は隠し通して、今回は自白とはどういうことなのだろうか。今回も押し通せば良いのに、とシャルロットちゃんに視線を向けて察した。あれだ、あの、ほら、タオルが今回はなかったね、うん。バレたかバレてないかの基準そこなんだ。

 

 

「そ、それでこれからはどうするんだ?」

 

 視線を逸らして、今後の話をすることにした。女の子の裸を見るのは良くない。

 

「バレっちゃったから本国に呼び戻されるかな。それから多分、処分されちゃうと思う」

 

 処分。デュノア社の一員としての処分なのか、フランス代表候補生としての処分なのか、人としての処分なのか、女としての処分なのか、いずれにしても最悪の結果には変わりはないだろう。

 狭いシャワールームで二人裸で向かい合いシリアスな話をするというギャグというかシュールだな、と思っていたが思ったよりも重く厄介な話になってきた。

 いじめられていて、それを助けるくらい単純なものならすぐにでも手を差し伸べることができる。しかしことがことだけにどう動けばいいのかわからない。

 デュノア社は勿論、代表候補生だからフランスがバックにいる可能性もある。千冬さんが見逃しているのはそこら辺が関係しているのかもしれない。もしくは別の思惑があるのか。

 雁字搦めすぎて俺にはどうしようもないことである。下手をして余計にシャルロットちゃんの立場を悪くしたくはない。

 だからといって見捨てるなんて選択肢はない。たとえスパイもどきだったとしても友人として過ごした時間に嘘はなかった。

 しかし、動けない。こういうとき、織斑の正義感というか純粋さは羨ましく感じる。

 

「とりあえず服を着ようか」

 

「あ」

 

 話が終わったからなのか、ようやく気が付いてくれたシャルロットちゃんとシャワールームを出た。このままではシャルロットちゃんは湯冷めするし、俺は普通に風邪引きそう。

 

「……」

 

「……」

 

 二人揃って無言。

 

 さて、俺にはどうすることもできないと言ったのは俺個人ではということであり、協力を仰げばそれこそ世界を引っくり返すことさえできる、むしろ既に引っくり返しているほどの人脈がある。無論、千冬さんと束さんの二人だ。

 もうこの二人の名前があるだけで負ける気がしない。チートを通り越してバグである。チートもバグの内のような気もするが、兎に角この二人は凄い。

 なんというか今まで主人公が頑張ってきたことを片手間にやってしまう最強キャラのような台無し感さえあるのだ。事実、この前の襲撃も千冬さんなら生身で解決していただろう。

 ならもう早々に彼女達に頼れば良いのではないかと思うかもしれないが、何分効力が強いので代償が大きいのだ。

 例えば千冬さんに今回のことを頼めばおそらく丸一週間は拘束され訳のわからないことをさせられ、例えば束さんに頼めば丸一週間は拘束され下手をすればここに戻ってこれないだろう。過去の経験からの推測なのでおそらくそうなる。

 でもまぁ、友人のためだ。一週間くらい我慢しようじゃないか。別段、とって食われる訳でもないし。ただなんか抱き枕にされたり着せ替え人形にされたり、見つめ合うだけで三時間とかその程度のことだ。うん、ぼく、ダイジョウブ。友人のためジョーカーを切ろうじゃないか。

 

「――聞いてくれ」

 

 シャルロットちゃん。俺に良い考えがある。と立ち上がったところでポケットから何かが落ちた。

 

「――! そうか、その手があったんだね!」

 

 それは生徒手帳であった。何故か付箋がしてあり、開きやすいようになっている。そしてそのページを見てシャルロットちゃんは手のひらを叩いて喜んでいた。

 

「あっ……でも私は二人を騙して……ここに、いても、い、良いの、かな……」

 

 そして落ち込むシャルロットちゃん。その手がどの手か知らないが元々シャルロットちゃんにここにいてもらうために動こうとしたのだからそれ事態は問題はない。その趣旨を伝え

 

「――俺達友達だろ?」

 

「――うんっ!」

 

 的なことで締め括っておいた。我ながら適当である。しかしシャルロットちゃんが嬉しそうなので良しとしておこう。うん。

 

 

 因みに生徒手帳の開いたページには特記事項が書かれており、IS学園にいる間は干渉されないから安全だぜ、みたいなことが書かれていた。ぶっちゃけ三年の猶予があるだけで根本的な解決になっていないような気がするけれど、そこら辺はおいおい織斑辺りが解決してくれることを願っておこう。あまりジョーカーは切りたくないのである。

 

 

「ね、ねぇ、ミコト。あーん、して?」

 

 その後、何故か甘えん坊モードに入ったシャルロットちゃんのためにせっせとご飯を運ぶ俺でした、まる

 

 

 

 




織斑「付箋、貼っときました」




長くなるので言い訳は活動報告にて。なお、活動報告は一ヶ月後にはマイページとのリンクを切るので見たい方はそれまでにお願いします。

※2018/11/19
上記のあとがきは当時のものです。活動報告は今後切りません。ややこしいですが、よろしくお願いいたします。
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