君の声を聴く   作:コストコ

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初めまして
コストコです。
GEの小説書くのは初めてですので、どうか温かい目で見てください。
それでは、どうぞ


第1話 詐欺にあった話

 フェンリル極東支部

 かつては日本があったとされる土地に建設されたそこは支部拠点施設が地下にあることから「アナグラ」とよばれている。

 アラガミが集結する激戦地の極東地域にある支部であることから、ほかの支部よりも優遇されており優秀なゴッドイーターも多く配属されている。

 そんな対アラガミ戦線の花形とされる極東支部の現支部長であるペイラー・サカキは自身の研究室で忙しそうに目の前のキーボードを叩いていた。

 彼の開いているのかいないのかわからない狐目は目の前の画面に表示されている二人の人物に向いていた。

 

「ふぅ…、適合率の確認完了っと。成功率はいつもと変わらず98%以上だし、今回も問題はなさそうだね、うん。」

 

 そう言って彼が眼鏡をクイッと上にあげた時、彼の前にある出入り口のドアがスライドされ一人の女性が研究室へと入ってきた。

 明るい髪色をしたその女性は、手に持った書類に目を向けながらサカキの声をかけた。

 

「サカキ支部長、そろそろお二人の適性検査のお時間です。」

「おっと、もうそんな時間かい?ありがとうヒバリ君、今行くよ。」

 

 ヒバリと呼ばれた女性はサカキが立ち上がるのを見ると、出入り口から体を逸らし、彼に進路を譲った後、その後ろを歩き始めた。

 

「両名ともに、現在検査室前にて待機中です。」

「そうかそうか、行動が早くて何よりだね。あとはきちんと適合さえできれば文句なしだ。もしできなかったらとんでもないことになるからね。」

「支部長!縁起でもないこと言わないで下さいよ。もし本当に起こったら冗談じゃ済まされないんですからね!」

「フフ、すまないね。研究者というものは常に最悪のケースも視野に入れなければならない者だからね。」

 

 そう言って口角を少し釣り上げたサカキは眼鏡をはずした。

 その眼鏡のレンズを服の袖で拭いた彼は、再び眼鏡をかけた。

 

「さて、それじゃ行こうか。…新しい『神を喰らう者(ゴッドイーター)』の誕生を見に。」

 

 

 

 

 

 

 

 ➡➡➡

 

 極東支部適性検査室

 

 ドアの上部にある札にそう書かれている部屋の前には簡素な長椅子が置いてある。

 その椅子に二人の男女が座っていた。

 男性の方は、お世辞にも整えられているとは言えない短い黒髪が特徴的であり、フェンリルから支給されたF武装式と呼ばれる制服を着ていた。

 先ほどから目がきょろきょろと動かしており、どことなく緊張しているのがわかる。

 平均的な男性の身長をしており、顔だちもいたって普通。

 少なくともイケメンと呼ばれるような部類の男性ではないのは明らかである。

 

 女性の方は明るい水色の髪をしており、短い髪は少し横にはねていた。

 身長はそれほど高くはなく、どこか小動物を思わせるようなかわいい顔だちをしている。

 胸部はそれほど突出してはおらず、スレンダーな体形をしている。

 フードのある水色のパーカーのようなものを着ていた。余談ではあるが、この服は雑誌に掲載されており、ビビットシリーズと呼ばれているお高めの服である。

 彼女は足をぶらぶらさせながらドアを見つめていた。

 しばらく彼女はドアを見つめていたのだが、あまりに退屈だったのか隣の男性へと声をかけた。

 

「…なんだか、随分と遅いですよね。私たちもう30分くらいここで待ってません?」

「……」

「…あのー、大丈夫ですか?」

「うぇ!?あ、いや、大丈夫!なんていうか…すこし緊張しちゃって。」

「あ、そうなんですか。実は私も少し緊張しちゃってたんですよ。私だけじゃなくてよかったです。」

(今まで足ぶらぶらさせてたやつが言うセリフじゃねぇよ。)

 

 至って笑顔でそういう女性に男はそう愚痴をこぼす。

 男から見れば、彼女のしぐさや声色に緊張の色は欠片ほども見えなかった。

 どうやらこういった緊張感のある場所でも自分のペースを崩すことのない明るい女性なのだろう。

 

「あ!そういえば自己紹介がまだでしたよね?私、本日適性検査を受けに来た柏原セイラって言います!よろしくおねがいしますね!」

「え、あ、…丁寧にどうも。あーっと、俺の名前は痣城レイジ。同じく適性検査をうけに来たんだ。俺からもよろしくってことで。」

「はい!」

 

 そう言って屈託のない笑顔を向けるセイラの顔をみて少しだけ心に余裕ができたレイジは先ほどより緊張の抜けた声でセイラに話しかけた。

 

「適性検査かぁ…、なぁ、セイラは適性検査って何やるのか聞いたことある?俺そういう知識全然なくてさ。」

「えっと、確かパッチ検査の一種だったような気がしますね。それ以外のことはあんまり…。」

「あ、そうなのか。ただのパッチ検査ならそんなに身構えなくてもいいか。変に緊張してなんだか損したなー。教えてくれてありがとな、セイラ。」

「これくらいのことなら全然大丈夫ですよ!もしわからないことがあるなら遠慮しないで聞いてくださいね!」

「ははは、重ね重ねありがとう。なら何かあったらまたよろしく頼むわ。」

「はい!適性検査に通ったら二人ともゴッドイーターになるんですし、お互い助け合っていきましょう!せっかくの同期入隊ですし!」

 

 そう言って胸の前で両手で拳を作るセイラ。

 そのあと「ね!」と言いながらレイジの方へと顔を向け、可愛らしく首を少し曲げた。

 レイジはそんな彼女に対して「そうだな」と少し笑いながら言葉を返した。

 正直ゴッドイーターになるのに不安と期待が入り混じっていてこれからどうなっていくのか心配だったのだが、目の前にいる親切で快活なセイラを見ていると、この同期と一緒なら何とかなりそうだな、と思えてきた。

 

(悪そうなやつでもないし取っ付きにくそうなやつでもないし、仲良くやってけそうだ。同期になるかもしれないやつと険悪な仲だったらこの先の戦闘にも支障が出るかもしれないからなー。人間関係が劣悪過ぎて仲間に刺されるなんてシャレになんないし。)

 

 そんなことをレイジが考えていると、部屋の四隅に取り付けてあるスピーカーから先ほどの声が聞こえてきた。

 

「柏原セイラさん、適性検査の準備ができました。直ちに適性検査室にお入りください。」

「あ、やっと呼ばれましたね!もう待ちくたびれちゃいましたよ。んー…あ、ほら!体を少し伸ばしただけなのにポキポキって音がしましたよ!」

「はは、まぁこんだけ長い間座ってたら無理もないさ。てか、早く行った方がいいんじゃないか?遅れたらお偉いさんに何言われるかわかんないぞ。」

「む、それもそうですね。それじゃ、お先に失礼しますね!また後で会いましょう!」

 

 こちらに向かって笑顔で手を振るセイラに手を振り返しながら彼女を見送るレイジ。

 そして、彼女が軽い足取りでドアの向こうまで行き、ドアが閉まってセイラが見えなくなった後、彼は椅子に座りながら大きく伸びをする。

 ポキポキと、先ほどのセイラと同じような音を出しながら、伸びを終えたレイジは組んで頭上に伸ばしていた両手を戻しながらゆっくりと息を吐いた。

 セイラがいた時とは違い、薄暗い部屋の中は静寂に包まれており、若干先ほどよりも重苦しい雰囲気になっていた。

 思わずその雰囲気に呑まれそうになるが、先ほど彼女から検査はパッチ検査であると聞いたため幾分心に余裕ができていた。

 

「ま、そんなビビらなくても大丈夫だよな。所詮パッチ検査だし。命にかかわるようなことも起きは…」

「きゃあああああああああああああああああああああああ!!!」

「しない…だろう…し…?」

 

 突如目の前の扉の中から聞こえてきた悲鳴に思わず言葉を詰まらせる。

 

(おい、なんだ今の悲鳴はものすごく苦しそうだったんですけど?)

 

 悲鳴の主は間違いなく先ほどセイラである。

 しかも、その悲鳴がなんというかものすごく凄惨なのである。

 まるで太ももに思い切りナイフでも突き刺さったかのような悲鳴が目の前の扉の中から聞こえてきたのである。

 彼女が悲鳴を上げてからもう1分は経っただろうか。

 先ほどとは打って変わって滝のような汗を流しているレイジは軽いパニックに陥っていた。

 それもそのはず。

 自分が受ける予定と同じ適性検査を受けた人間の悲鳴がいきなり聞こえてきたのだ。

 不安になるなと言われても無理な話である。 

 

(なんだ今の悲鳴は?おかしくねパッチ検査なんだろ?叫ぶ必要なんて一ミクロンもないはずだよな?え、ちょっと今俺の目の前の部屋で一体何が起きてんの?てかセイラは無事なのか?そして俺も無事でいられるのか?)

 

 ぐるぐると数々の疑問が頭を回っている中、スピーカから先ほどと同じ女性の声が聞こえてきた。

 

「痣城レイジさん、適性検査の準備ができました。直ちに適性検査室にお入りください。」

(先ほどのセイラの悲鳴に全くのノータッチだと…。せめて説明とか欲しいんですけど…。このままだと安心してこのドアを開けることができないんですけど!?)

 

 心の中で「説明プリーズ!!」と叫ぶレイジ。

 そんな彼の心の叫びが聞こえたのか再びスピーカーから女の人の声が聞こえる。

 

「えっと…痣城レイジさん?聞こえてますか?早く適性検査室にお入りください。」

 

 無常にも彼の叫びは届いていなかったらしい。

 結局説明はしないのかよ、と思い肩を落とすレイジ。

 そして、先ほどのセイラとは対照的に重い足取りで検査室の入口へと向かう。

 その顔は、誰が見ても分かるくらい不安と恐怖でいっぱいだった。

 すると何を思ったのか入口の前に立ったレイジは下にうつむいて何かを呟き始めた。

 

(大丈夫問題ない所詮パッチ検査だ何も怖くないセイラの悲鳴も勘違いだ大丈夫大丈夫)

 

 扉の前で半ば自己暗示気味に呟いている彼は傍から見たら危ない人である。

 そして、なんと数分間も自己暗示の呟きをつづけたレイジは一度大きく深呼吸をすると、まるで死を覚悟した兵士のような顔をしながら入口の扉を開けた。

 びくびくしながらスライド式の鉄扉をくぐって検査室に入るレイジ。

 そんな彼の瞳に入ってきたのは大きな剣のようなものを乗せたプレス機のようなものだった。

 じーっと目の前の機械を見つめているレイジの耳にスピーカから発せられた男性の声が入ってきた。

 

『ふむ、予想より63秒遅いね。心の準備に少し手間取ったのかな?まぁ、細かなことは気にしないことにしよう。さて、フェンリル極東支部へようこそ、新人君!さっそくだけど、君には今から神機使いになるための適性検査を受けてもらうことになっている。まぁ、気を張らずにリラックスして受けてくれたまえ。…あれ?おーい、聞こえてるかい?』

 

 長々と話をしていたスピーカの声の主、ペイラー・サカキは自分の声に全く反応を示していないレイジにやっと気づいて声をかける。

 しかし、レイジは先ほどと同じように目の前の機械を見つめ続けていた。

 

『…まったく反応がないねぇ。おっかしいなぁ?ヒバリ君、このスピーカーちゃんとはいってるのかい?』

『はい、きちんとはいってますから特に問題はないとは思うんですけど…』

「あの、すいません」

『おや…?』

 

 やっと声を出したレイジは恐る恐るといった具合でスピーカーの向こうのペイラーに話しかけた。

 

「これって適性検査ですよね?」

『?ああ、その通りだとも。それがどうかしたのかな?』

「…適性検査ってパッチ検査なんですよね?あの、見た感じどう見てもパッチ検査じゃないんですけど。」

『パッチ検査?君は一体何を…』

『支部長!適性検査は表向きではパッチ検査ということになっています。』

『…ああ!そうだったそうだった。いやぁすっかり忘れていたよ。』

「え、忘れてたって?ていうか表向きっていったいどういう…」

『まあまあ、落ち着き給え。さっきも言っただろう?細かなことは気にしないことにしようってさ。』

「いやいやいや、全然細かくないでしょ!説明を要求します!」

『大丈夫大丈夫。時間的な面ではパッチ検査と何ら変わりはないよ。一瞬で終わってしまうからねぇ。もちろん、痛みを感じるのだって一瞬さ。』

「やっぱりパッチ検査じゃないのかよ!ていうか今痛みを感じるとか言わなかったか!?一体なにする気だよ!」

『何って…さっきも言っただろう?適性検査だよ、君がゴッドイーターになるためのね。なに、心配することはない。君はフェンリルがきちんと調べて、ほぼ神機に適合できると判断されたんだ。もっとリラックスしたまえ。その方がいい結果が出やすいよ。それとも、僕らフェンリルのことが信用できないのかな?』

「今さっき信用できなくなりました。ていうかやってることは詐欺と何ら変わりがないじゃないかよ!とにかくまずは、この適性検査がどういったものなのかきっちりと説明を…」

『んー困ったなぁ。このままじゃおしゃべりばかりでらちがあかない。少々手荒だが、早急に適性検査を受けてもらうとしよう。』

「ちょっと待て!俺の話はまだ…ってな、なんだこれ!?うわ、ちょ、は、はなせ!この!」

 

 突如として床から出てきたアームに手足をつかまれたレイジは、アームに続いて出てきた椅子に無理やり座らされた。

 椅子に座らされた後もアームがレイジを離す気配はない。

 そして、レイジの座った椅子はきゅるきゅるとタイヤの回る音を鳴らしながらプレス機のような機械の前まで移動した。

 

「おい!一体何させる気だよ!ちょ、待てっ…何かプレス機の上のくぼみの部分にドリル見たいのが見えるんですけど!ねぇ、俺の腕がアームに無理やりくぼみ部分に置かれたんですけど!?まてまてまてまて!心の準備もなにもまだできてないんですけど!?」

 

 無情にも固定されてしまった腕を引き離そうとしながら抗議の言葉を叫び続けるレイジ。

 そしてそのわずか数秒後

 彼の想像を絶する叫びがフェンリル極東支部に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




グダグダだなぁー
もっと精進しないと…
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