灰と幻想のグリムガル―その先に見えるもの―   作:汐見

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最初から始めることにしました。更新は相変わらず不定期ですが、ののんびりまったり応援してもらえるとなによりです。


1話

アズ

 

性別:男

年齢:16~18くらい

 

class:聖槍士(オリジナル)

無邪気な青年。

好奇心に負ける。わんこ。

みんなと仲良く!という気持ちが全面に出てる。

いつでも笑えるように、の目標の元、現在奮闘中。

 

◇聖槍士について

基本的には聖騎士と変わらないイメージ。

ロングソードが槍になっただけ、かもしれない。

 

(変更しだい更新する予定です)

 

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――"目覚めよ《アウェイク》。"

 

 

 思い出せる限りじゃ、聞いたことのない声。本当に、そうだっただろうか?

でも、それは確かに聞こえた。重い瞼をやっとのことで開ける。

光が見えるかと思えば、見えない。あたり一面真っ暗だ。夜かと思ったが、今の所そうとも言えないかもしれない。

 

 灯りが向こう側に続いていて、どこまでも続いている。少なくとも、見える範囲でだが。

腰を上げて、壁に触れる。固くて、ごつごつしてる。岩、かな。

足元が真っ暗で見えないものだから、ふらふらとしながら壁伝いに立ち上がる。誰も居ない?―そんなことはない。人気がある。人、だろうか。……だよな?

 

「あの」

 

 いるかもわからないけれど、声を掛けてみる。同時に、「もしかして、誰かいる……?」という男の声も聞こえた。よかった、居た。

俺たちの声に反応するように、すぐに返事は返ってきた。少しだけほっとする。

みんな不安の様で、ここがどこか、とか、人数を確認するか、とか話し合っている。とにかく、ここから出たいという気持ちが強くて、「ここから出ないか?」と言ってみた。

 

「…そうだね」

 

 青年らしき声が、そう答えた。どうして?何で?疑問はいくらでもでてくる。不安に胸が押しつぶされそうで、腕をつかむ。考えれば考えるほど気持ち悪くなりそうで、頭の中で何かが引っかかっているような気もする。

けれどすぐ消えてしまって、まるで思い出す事を拒んでいるようだった。

 

「壁伝いに、灯りの方向に進んでみるか」

 

 そいつの声はやけに冷静で、落ち着いている。怖くないのかな。怖いというより、やっぱり出よう言う気持ちが強いのか。

つられるように、皆もついていくようだった。俺もそれについて行く。

地面はでこぼこしてて、少し歩きづらい。一番後ろの方にいる。みんなは前でおそるおそるといった風に進んでいる。それなりに人はいるようだが、知ってる人はいない。

――まず、()()()()()()()()()()()()()()()。記憶を辿れないから、皆知らない。まあいいか、どうにかなるもんでもないだろう。

 

 

 

 どれくらい歩いたか、定かではないが、前の方で誰かが「何かある」と言った。

どうやら鉄格子らしい。出口じゃ、ないのかな。

全員が先を急ぎ始めて、置いていかれるようにも思えたので俺も小走りでそこへ向かう。

 

 銀髪の男が鉄格子を手前に引くと、軋んだ音と共に扉が開いた。出れるようだ。

 

「おお……!」

 

 何人かが一斉に叫ぶ。俺も呆然と口を開いたままだ。出られる、ようやく。この息苦しい()()から。

階段を上がる。灯りはなかったが、上から眩しいくらいの光が差し込んできて、感嘆の声が漏れる。一列になって、階段を一段ずつ上がって行った。こんな状況なのに、とてもわくわくする。まるで冒険のようだ、それも()()()みたいな――…RPGって、何だ?

階段の上にはまた鉄格子があって、今度は開かない。銀髪が、「誰かいねえのか! ここを開けろ!」と、荒々しい声を挙げた。怒鳴り声とも言える。少しだけ怖いな、と思いつつ、皆も開けろ!開けろ!と叫ぶ。落ち着こうって。

 

 間もなくして、鍵を開けるような音が聞こえた。男だ。「出ろ」と言われて、出る。

ふと男を見ると、兜と鎧を被っている。あまりにも似合わない――と言うより、おかしい。こんな服装の人、見たことがない。……多分。

 

 

 顔を上げると、そこは外だった。夜明け前――いや、黄昏どき?薄明るい空が広がっていて、胸が高鳴った。綺麗だと、思った。でもこの景色を誰かと見たことがあるような気がして、頭を振る。そんなわけがないと。

俺たちが居るここはどうやら丘らしくて、振り向くと高い塔。先程までは開いていたが、男が閉じてしまった。もう戻れない。戻る気も微塵もないけれど。

 

 隣の男がどうやら人数を数えているらしかった。俺も何となく数える。1、2……どうやら男が9人、女が4人。全員で13人らしい。

 

「あれ、街かな」

 指をさす向こう側。建物があって、壁に囲まれている。集落とはまた違う感じだ。城のようにも見える。 

 

「……あの」

 隣の男の後ろにいた女の子がびくびくとしながら尋ねた。

 

「ここって、どこなんでしょうか」と。

 俺も聞きたい。男も「や、おれに訊かれても」そっけないようだが、皆そうだ。

知らない。ここがどこだか、()()()()()()()()

 

 

 

 

 期待と不安に、アズたちは「グリムガル」への第一歩を踏み出した。

 

 

 

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