三人称視点
宮殿・謁見の間
「ユウ社長。財政官ゲバゼの逮捕ご苦労であった」
「ありがたきお言葉です。陛下」
宮殿の謁見の間である子供の皇帝と青年の社長が話をしていた。
「とはいえ、民達の税金を搾り取っていたとは……ゲバゼの罪は重いものだ」
「そうですね。しかし、ゲバゼの逮捕した事により、民達の不満は改善される事でしょう」
「そうか。ではユウ社長、財政官の任はそちらに任せる。そなた達の『アナハイム』は信用出来よう」
「お任せあれ」
皇帝はユウに逮捕したゲバゼに変わって、財政官の事を任された。
そう、彼こそがこの世界に転生した『枢木 勇』である。彼は今、『アナハイム・エレクトロニクス社』を立ち上げ、独立部隊『ロンド・ベル』を結成。帝都の腐敗は彼等により少しずつ無くなっている。
「ところで、新型MSの開発はどの位進んでおるのだ?」
「既に新型の『ガンダムデルタカイ』と『V2ガンダム』の開発が終わり、また『量産型νガンダム』、『GN-XⅢ』、『デルタプラス』、『クランシェ』、『ドートレス・ネオ』の量産は完了していると『アズラエル』氏から報告がありました」
「そうか。これでまた革命軍に対する力が増強されたな」
皇帝はMSの開発がどれ程に進んでいるかユウに訊き、訊かれたユウは開発と量産は順調に進んでいると答え、それを聞いた皇帝は安心するかのように胸を下ろした。
「ヌフフ、流石は大企業の上に立つ者ですな」
と、皇帝が座っている後ろから肥満体の老人が現れた。彼こそが帝国の腐敗の根源『オネスト大臣』だ。彼は好物の肉を食いながら、皇帝の隣に立った。
「おや、これはこれはオネスト大臣。相変わらず肥満ですね、これ以上太ると病気になりますよ?」
「失礼ですねぇ。これでも健康ですよ?」
「そうですか?糖分や脂やカロリーの多い食べ物を毎日毎日、食べてる貴方の言葉は説得力ありませんよ〜?」
ユウはオネストの肥満体を見ながら、嫌味を言った。それに対してオネストは青筋を立てながらユウを睨んでいた。
それを見るとユウはフッと馬鹿にした笑みを浮かべ、オネストは更に青筋を立てた。
「ところで『デュランダル』議長と『シャア』総帥は元気にしておるか?余はまた勉強をしたいのだが…」
「ええ、お二人共元気にしていますよ。二人もまた、皇帝に会うのを楽しみしていましたよ?」
「そうか。ではもう行って良いぞ」
「失礼します」
皇帝は話題を変えるとユウの知人にまた会えるのかと訊くと、ユウは知人も皇帝に会うのを楽しみしていると答えた。それを聞いた皇帝はユウを下がって良いと言う。それを聞いたユウは一言言い、謁見の間を後にした。
ユウが去った後、皇帝はまた知人に会える事を楽しみにしている中、オネストは不満そうな表情でユウが立っていた所を見ていた。
(あまり調子に乗るんではありませんよ!必ず痛い目に遭わせてやりますからね!)
と思いながらオネストはユウに仕返しする事を考えていた。たが、彼は同じ事を何度も繰り返して何度も失敗して逆にやられているのだ。いい加減学習してほしいものだ。
三人称視点 終了
ユウ視点
宮殿の廊下
「またオネストが碌でもない事を考えてるんだろうな。まぁ、無駄に終わるだけだろうな」
俺は宮殿の廊下を歩きながらそう思った。
アカメが斬る!の世界に転生してから数年が経った。転生した後、俺は政治や技術、戦い方など勉強・訓練をして原作が始まるのを待った。
原作が始まる2年前、何故かこの世界にガンダムの原作キャラや国があって思わず驚いた。しかも、皆性格が良い、悪役のキャラも性格が変わっていた。俺が一番驚いた事でもある。しかも何故か原作の記憶を持っており、そのおかげで原作以上の強さと知恵を彼等は持っていた。後に政治や技術や戦い方も彼等に教わり俺も成長していった。
それと彼等も自分の目的に協力をさせて欲しいと言われ、思わず泣きそうになった。だって、自分の目的の理由を話したら皆協力をさせてもらいたいと言ってきたんだぞ?あの原作キャラ達に。あの時は嬉しい気持ちで一杯一杯だった。
「ユウ社長!」
「ん?」
俺が昔の事を思い出していると後ろから声を掛けられて振り向くと、内政官のショウイだった。
「ユウ社長、今回の件は感謝します。貴方達が居なかったらゲバゼの悪徳は続いていたと思います」
「いえいえ。帝国を中から直す者同士、助け合うのは当然じゃないですか」
「そうか、もし何か出来る事があったら協力をするよ」
「ありがとうございます」
今回のゲバゼの悪徳の件は、内政官のショウイがこちらにお願いされたので、すぐさま調査を開始し、証拠を調達後逮捕をした。そして出るわ出るわ、ゲバゼがこれまで独断で税金を上げた証拠が、アイツは酒ではなく泥水がお似合いだ。まぁ、皇帝はアイツを『牛裂きの刑』にするからな~、アイツが昨日飲んだ酒は最後の晩餐だったな。
ショウイはゲバゼの件を解決した事に俺にお礼をして出来る範囲で協力してくれると言ってくれて、俺は一言礼を言った。その後、ショウイは自分の仕事場に戻った。
ショウイが去った後、俺は懐から写真を取り出した。
「そろそろアイツをこっちに転属させるか」
そう言いながら、写真を見た。其処に写っていたのは薄い茶髪でポニーテイルをして、両腕で犬のような物を抱えていた。
ユウ視点 終了
???視点
帝都
今日も帝都で『コロ』と一緒にパトロール。すると、前に後ろ姿の同僚の姿があった。
「あっ!『主水』君、おはよう!」
「おはようございます。セリューさん」
私は同僚に挨拶をすると同僚も挨拶を返した。
彼は『中村主水』。彼は1年前に警備隊に入隊、私の下に配属されている。危険種と戦った時は躓いて倒すという運の良い戦績を残してる。でもなんとなく主水君は私より大人って感じが時々思う時がある……何でだろう?
「あの…昨日はゴメンね。勝手な行動しちゃって」
「い、いえ」
「あの後、犯人はどうなったの?」
「残念ながら、私が見つけた時には既に自害を…」
「そうなんだ…」
昨日の事と言うのは、泣きじゃくったパンツ一丁の半裸の姿の男の人が博打でイカサマで負けたと言ってきて、主水君は自業自得と言ったんだけど…もしかしたら他の人にも被害にあってるかもしれないから確認はした方が良いって私は言った。主水君は渋々、了承してくれた。
そして、男がその賭場の前に案内した時に主水君は少し厠に行くと言い、私とコロと男の人は待ったんだけど、男の人何故だか焦ってるような感じがあった。私は男の人に待つように言ってコロと一緒に調べようと屋敷に入り、聞き込みをしていたら…
『待っていて下さいと言ったはずですよセリューさん』
私の後ろから声を掛けられて振り向くと、無表情の主水君が居た。
あの時の主水君は本当に恐かった。多分私が勝手に行動していた事に怒ってたと思う。私は主水君に謝って行動してた理由を話した、主水君によるとこの賭場は一切イカサマはしていないと話し、私は急いで男の人の所に戻ったが既に男の人の姿は無かった。
あの時、私がちゃんと待っていれば男の人を逮捕出来たと思う。今後、気を付けようと心の中で誓った。
(………あっ)
私は昨日の事を思い出して空を見上げると、青い金属が飛んでいた。
あれはMSの『リゼル』だっけ?それが5機で編成を組みながら飛んでいるのを見ていた。それにあのマークは『ロンド・ベル』、警備隊以上に成果上げている独立部隊。私が憧れている部隊でもある。
「セリューさん…?」
リゼルを見てると主水君が私に声を掛けてきた。
「ああ、ゴメンね!」
私が主水君の方に向くと距離が離れていて、少し駆け足しながら主水君の下に向かった。
この時私は気付いていなかった。私が憧れていた『ロンド・ベル』の転属と私を変えてくれた彼との再開を……。
セリュー視点 終了
???視点
輸送機内の格納庫
私達は暗殺部隊の強化組の施設破壊の任務の為、目的地に向かっていた。その為、私達は直ぐ出撃出来るように格納庫で待機していて私はパックのジュースを飲んでいた。
「あ~あ、早く着かないかな?暇で仕方ないよ」
と、『レムス』が早く着かないかと愚痴を言った。
「格納庫で待機するのもちゃんと理由があるんですから、我慢して下さい」
本を読んでいた『ウーミン』が愚痴を言ってたレムスに注意した。
「しっかし、あの狸ジジイの奴、一体何ヵ所作ったんだよ」
銃の手入れをしていた『ギン』が施設を作った数に愚痴を言った。
「でも、社長が念の為に調べたお蔭で帝国の暗殺部隊は減ってきてるし」
持っているノートパソコンを打ちながら『ナタラ』が言った。
「まぁ、お蔭でアイツ等に仕返し出来るし。なぁ、『クロメっち』」
ナイフの手入れしていた『カイリ』が私に言ってきた。
「うん、そうだね。私達みたいな子を作らないようにしないと」
『間もなく目的地に着きます。パイロットは直ちにMSを装着後、カタパルトに向かって下さい』
私がそう言うとアナウンスが流れて私達は出撃の準備をした。ヘルメットを被り、それぞれのカード状態になっているMSを受け取り、念じるとカードは光り出して私の体は黒色の機械の鎧に包まれた。
MS『スローターダガー』を装着した私はカタパルトに向かうと、既に『スウェン』隊長の『ストライクノワール』に『ミューディー』隊長の『ブルデュエル』、『シャムス』隊長の『ヴェルデバスター』が出撃体制をとっていた。私は『八房』を持って左腰に固定して『I.W.S.P.』パックを換装した。機体状態、武器状態、動力状態、システム状態を確認していると……、
『今回の任務は強化組の施設の破壊とメンバーの救出、並びに関係者を捕獲あるいは殲滅だ。注意として何度も言うが…』
『単独行動せず、連携で動く。でしょ?』
『あら、言えるようになったじゃない』
『お前等が此処に入ってもう数年経つからな、エースって事だろうな』
『……そうだな』
そんな話を聞いて私はこれまでの事を思い返した。最初は帝国の強化組になったけど社長やアズラエルさんが私達を引き取り、スウェン隊長達の同僚に本当の戦い方や共に居る仲間の大切さや命の重さなどを教えてもらい、今の私には『家族』と戦う理由がある。
私が思い返しているとハッチが開く。下を確認すると雲で少し見えづらいが目標の施設は見えた。
『スウェン・カル・バヤン、ストライクノワール、出る!』
『ミューディー・ホルクロフト、ブルデュエル、出るわよ!』
『シャムス・コーザ、 ヴェルデバスター、出る!』
スウェン隊長達が輸送機から降下し、施設に向かっている。次は私の番だ。
『クロメ・アスカ、スローターダガー、出ます!』
私はまた戦場に行く。仲間や死んでいった者の為に。そして………『お姉ちゃん』にもう一度、会う為に!
次回はクロメ達の戦闘とクロメを養子にした家族の話です。