遊戯王 Zodiac signs   作:幽鬼兎

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【10話】七罪の誘惑!紫音vs覚醒の遊蒔

____________起きよ、我が魂よ。

 

声が聴こえる。

全てに音響するかのよう脳裏に直接声が届く様は、さながらテレパシーのような感覚だ。

 

自分は眠っているのか。

そう自覚できると同時に、声は聴こえるものの、声を発することが出来ないことに気づく。

 

____________太古の神器(じんき)を持つ者。我、『ターミナス』の継承者として、貴公は何を望む?

 

(太古の神器?継承者?お前は何を言ってる?お前は誰だ?)

 

声のない精一杯の思いを相手に伝える。

もっとも相手すら存在するのか不明な中で……。

 

____________まだ全てを伝えることはできぬ……が、我の名は『ターミナス』…貴公の魂と言ったところだ。貴公には、我を目覚めさせた代償として願いを1つ叶える事ができる。7つの罪の元、貴公は何を望む?

 

・憤怒

・嫉妬

・怠惰

・色欲

・暴食

・傲慢

・強欲

 

(………今は何も言えない。この選択がどういう結末を生む?俺はこれから何をしたらいい?)

 

____________問い多き主だ。

 

(……主?俺がか?)

 

____________無論、我は貴公の魂。

伝えよう……貴公が望むなら。それは願いと仮定しても良いか?

 

(……あぁ、そうしてくれ)

 

____________貴公。その願い、代償として罪を表す。

星示す罪は____________。

 

 

 

 

 

 

暴食(グラ)】である。

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

「……お目覚めですか?マスター」

「……ぅ。クロか?うん、起きた。起きたからその柔らかくて気持ちいいものを、今はどけてくれ」

 

殺風景なベッドの上で目覚めた遊蒔……の上に乗っかっていたクロが即座に動く。腰の上に。

 

「うん、この体制はまずい。雪奈とかが____________」

 

バタンッ!

 

「ユーウージーさぁーん……?」

「い、言い訳くらいさせてもらえ____________」

「問答無用なのですっ!!!!」

 

朝起きて即行、ハリセンの猛攻が訪れた。

 

 

 

 

「よぉ、起きたかよ____________って、なにしてんだ?新しい体操か?」

 

雪奈の後から入ってきた青年。

背丈は低いが、歴とした大人の風格を感じる。マフラーを深く被った薄紫髪の青年であった。

 

「……誰だ?」

「マスター。ランキング3位、刀導 紫音様です。巫音様とのタッグデュエルの一件後、マスター達を救出してくださった張本人です」

「…そうか。すまない、助かったよ」

「ハハッ、礼なんざいらねぇさ。それより、体はもう大丈夫か?」

 

紫音に言われて、遊蒔が手のひらをグーパーする。

問題はない。少し重いような感覚が残るだけであった。

 

「いけそうだ」

「よし、なら俺とデュエルしろ」

「……は?今はそんなときじゃ____________進撃は収まってるのか?」

「ハハッ、勿論だ。そこまで常識人離れはしてねぇって。お前の妹さんも無事____________ってことで、デュエルしようぜ」

「恩を仇で返す訳にはいかない……か。よし、引き受けた、やろうかっ!」

「そう来なくちゃっ!外に出な!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

荒れ果てた本校舎。

生徒たち……ランキング10位以内及び負傷者は現在も学校に残り、無事な者に至っては帰宅を余儀なくされていた。

 

その殺風景なグラウンドでデュエルディスクを構える遊蒔と紫音。進撃は収まっているものの、本当にデュエルなどをしていいのかと疑心にも思うが……遊蒔はそれを無視し、紫音と対立する。

 

「いい面構えだ。アンティークルールでいくぜ?勝者は敗者に1つ命令ができるっ!只し、生命に関わることはなしだ」

「……あぁ、わかった」

「んじゃ、いくぜぇ!!!!」

 

 

 

お互い名一杯息を吸い、吐き出すように____________

 

 

「「デュエル」」

 

 

月邑 遊蒔 LP4000 vs 刀導 紫音 LP4000

 

 

 

 

「先行は貰う!俺のターン____________俺は『MM ホワイトリザード』を召喚!効果でお互い1枚ドローし、相手に1枚捨てさせる!俺は引いたカードを選択!」

「お?なら、俺は1番右のカードだ」

 

『MM ホワイトリザード』

光 ☆☆☆ ATK1200

 

「続いて魔法カード『MM パレード』を発動!自分フィールドのモンスター1体を対象とし、手札、墓地から同名カードを特殊召喚する!俺は『MM ホワイトリザード』を選択!墓地より甦れ!ホワイトリザードっ!」

 

先程捨てられたカード……ホワイトリザードが場に現れ、特殊召喚時効果を発揮する。遊蒔はまたもや引いたカードを選択し、紫音も1番右のカードを選択した。

 

「レベル3のモンスターが2体……来やがるか」

「俺はレベル3の『MM ホワイトリザード』2体でオーバーレイ____________オーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚っ!《来てくれ、全てを照らす光の竜騎士》ランク3『MM 光竜騎士(ライト=ドラゴンナイト)』」

 

『MM 光竜騎士』

光 ★★★ ATK2100➡3100

 

「光竜騎士の攻撃力は素材とした『MM』カード1枚につき、攻撃力が500ポイントアップする!」

「ひゃぁ、いきなり攻撃力3100かよ?やるじゃねぇか」

「勿論だ!そして、光竜騎士の効果!オーバーレイユニットを1つ使って、デッキから『MM』モンスターを手札に加える!俺は『MM ヴルム・シャドウ』を手札にっ!これで、ターンエンド」

 

月邑 遊蒔/4

 

 

 

「そんじゃ……楽しもーぜ!狩りの始まりだ!」

 

紫音が大声で学校に響き渡らせる。

その瞬間、まるで大地が味方をし始めたかのよう……地響きが巻き起こった。

 

「……なんだ…こいつ……」

「俺のターン、ドロー____________まずは罠張りだ!カードを1枚伏せる!」

 

紫音の目の前にカードが伏せられる。

 

(メインフェイズ2でやればいいものの、ここで仕掛ける意味はあるのか?)

 

「更に、俺は魔法カード『機械仕掛けの戦場』を発動!相手にモンスターが存在し、俺のフィールドにモンスターが存在しないとき、自分フィールドの魔法罠を1枚破壊して、次にリリースを必要とするモンスターをリリースなしで召喚できるっ!」

「……くっ、伏せたのはこの為かっ!?」

「おうよ!俺はリリース無しで『機巧獣 グリフォン』を召喚!」

 

『機巧獣 グリフォン』

炎 ☆☆☆☆☆☆☆☆ ATK2700

巨大な翼を翻し、鷹と獅子が融合したキメラモンスターが現れる。

 

「そして効果発動!自分フィールドに『機巧獣 グリフォン』以外のモンスターが存在しないとき、デッキから『機巧』と名のついた魔法罠カードをフィールドにセットできる____________俺は『連結する機巧』をセットッ!」

「流石は3位……無駄な動きがないのですよ……!」

 

紫音の迫力あるプレイングに後退る雪奈。

確かに紫音のプレイングは迫力もあり、無駄のない動きだ。だが、まだ『MM 光竜騎士』の攻撃力を上回っていない……先程セットした『連結する機巧』も罠カードであり、セットしたターンは発動することができない。

 

「こいつが発動しねぇからって安心してねぇか?」

「____________っ!?」

「甘いぜっ!【紫電雷鳴】の名は伊達じゃねぇってとこ見せてやる____________俺は墓地の魔法カード『機巧爆嚠刄(きこうばくりゅうは)』の効果発動!墓地のこのカードをゲームから除外して、このターン、セットした罠カードを発動条件を満たしていれば発動できるっ!」

「…その為の破壊か……!」

 

『機械仕掛けの戦場』により『機巧爆嚠刄』を破壊。そして『機巧獣 グリフォン』をリリースなしで召喚。グリフォンの効果で『連結する機巧』をセット。そして墓地へ送られた『機巧爆嚠刄』の効果で罠を発動。

 

紫音に無駄動きどころか、良好を通り越して生き生きとしている。楽しく、ド派手に、それでいて丁寧に。それが紫音のプレイスタイルなのだろう。

 

「俺は『連結する機巧』を発動!手札、フィールドから指定されたモンスターを墓地へ送り、エクストラデッキから対象になるモンスターを特殊召喚____________俺はフィールドの『機巧獣 グリフォン』と、手札の『機巧鳥 ガルーダ』を墓地へ!」

 

フィールドのグリフォンが燃え上がる炎と化し、手札の怪鳥が巨大な翼を翻し、グリフォンと交わっていく。輝く2つが炎の渦となり、幻の機巧鳥が誕生する。

 

「《機械仕掛けの獣達よ、天ねく炎の魂と化してその不死なる姿を見せよっ!》融合召喚____________来やがれ『機巧幻鳥(きこうげんちょう) フェニックス・マキナ』」

 

七色の輝きを身に宿し、その炎は天高く迸る。

伝説の不死鳥と理想描いた化身……フェニックスが荒々しく雄叫びを上げた。

 

『機巧幻鳥 フェニックス・マキナ』

炎 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ATK 200

 

「バトルいくぜ!俺は『機巧幻鳥 フェニックス・マキナ』で『MM 光竜騎士』を攻撃!」

「なっ……光竜騎士の攻撃力は3100だぞ?!」

「あめぇ!この瞬間、フェニックス・マキナのモンスター効果!このカードが相手モンスターと戦闘を行うとき、そのバトルでの戦闘ダメージは0となるのさっ!」

 

だが、光竜騎士の攻撃力はフェニックス・マキナを上回っている。攻撃力の負けたフェニックス・マキナは破壊され、炎の塵が紫音の目の前と光竜騎士を包んだ。

 

そして____________光竜騎士は破壊される。

 

「……なっ!?」

「フェニックス・マキナのモンスター効果。戦闘後、このモンスターがフィールドに存在しないとき、特殊召喚できる。そして、戦闘を行った相手モンスターを破壊する。何度でも蘇る不死鳥さ!」

「……くっ……だから攻撃表示なのか」

「俺はカードを2枚伏せて、ターンエンドだぜ?」

 

刀導 紫音/1

 

 

 

「俺のターン……」

(遊蒔様)

 

カードを引く一歩手前。

遊蒔は何処と無く聴こえたクロの声に気づき、耳を済ませるように目を細めた。

 

「どうした……クロ」

(今の遊蒔様は、私……クロと一心同体の立場にあります。なので、遊蒔様の気迫、動揺、思考、全てがタイレクトに伝わってくるのです)

「……何が言いたい?」

 

遊蒔の言葉に一瞬、言葉を無くすクロ。

だが……。

 

(____________全てを喰らいたいですか)

 

 

 

「おい、大丈夫か!?なんか顔色わりーけど」

「……俺のターン、ドロー」

 

先程と一風変わった表情を見せる遊蒔のドロー。

そして刹那____________黄金のリングが高鳴ると共に遊蒔の髪と眼は蒼い蒼眼の存在へと表裏した。

 

「薙ぎ払う____________俺は魔法カード『蒼月ノ矛理(そうげつのほこおさめ)』を発動。俺は全ての手札を墓地へ送り、その枚数+1枚ドローする」

 

月邑 遊蒔/5

 

光竜騎士の効果で手に入れた『MM ヴルム・シャドウ』を躊躇なく捨て、デッキから5枚ドローする。捨てたカードは全て『MM』なのに対し、手札のカードはまるでデッキが変更されたように『蒼月』カードばかりであった。

 

「……それがてめぇのデュエルか?」

「……遊蒔さん…」

「俺は『蒼月の巫女 メイ』を召喚……!」

 

紫音や雪奈の言葉に耳も貸さず、遊蒔はデュエルを続行していく。

 

『蒼月の巫女 メイ』

光 ☆ チューナー ATK600

 

「そして効果発動。フィールドにメイ以外のモンスターが存在しないとき、デッキから『蒼月』魔法カードを手札に加える____________俺は『蒼月ノ融合分岐点(ネオ・ルナティック・フュージョンポイント)』を手札に……これはルール上『蒼月』カードとして扱う」

「っち、融合カードか」

「そして発動。このカードは手札とフィールドから規定された素材をデッキに戻してエクストラデッキから特殊召喚する____________俺はフィールドの『蒼月の巫女 メイ』と手札の『蒼月神 アルカナ・ディアナ』をデッキに戻す」

「……っち、おいでやがるかよ?」

 

フィールドの巫女と手札のアルカナ・ディアナがデッキへと戻り、真下に描かれた魔方陣が天高く蒼き一閃を靡かせる。

 

「融合召喚____________《調律を求める蒼命の薺。輝ける今を葛藤し、神の反撃を見せよっ!》現れよ『蒼月神 アルカナ・ミカエル』」

 

木霊する蒼き波動が空間を波打ち、巨大な翼を広げた天使の美しき女性が紅き一閃より姿を現す。

 

『蒼月神 アルカナ・ミカエル』

光 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ATK4000

 

 

 

 

「……ハッ!いいねぇ!もっとこいやぁっ!!」

 

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