遊戯王 Zodiac signs   作:幽鬼兎

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【15話】きたれり天秤座!究極のタッグデュエル!

「……ここは」

 

 

揺れる空間で遊蒔は目覚める。

周囲には何もなく、あるのは永遠と続きそうな真っ暗な空間のみ。試しに妹の名前でも叫んでみたのだが、反響するだけで特に目立った現象は起きなかった。

 

 

「えっと、確か俺は十代さんとデュエルしてて……」

 

 

取り合えず思い出そうとしてみるが、遊蒔の記憶には十代とのデュエルの内容が存在せず、代わりに何故か強烈な頭痛だけが脳裏を走り出した。

 

 

「……いっつ……なんだよこれ……って、カードが浮かんで____________クロノセレネ?」

 

 

頭痛を堪える遊蒔の目の前には光輝くクロノセレネのカード。そして、それは何かを訴えるように光を増し、クロノセレネは具現化を始めていく。

 

 

「……お前、まさか……あぁ、わかった。そっかそっか……お前も悔しかったんだよな?」

 

 

遊蒔の言葉に反応するよう、クロノセレネは光を強めて遊蒔へと寄り添っていく。それは弱い自分を隠して、強い意思を燃やしていくよう……閉じ籠るだけの姿を捨てた覚悟の光。

 

 

「俺も悔しい。だから今回はチャンスなんだろ? 見せてやろうぜ、俺の……いや、俺達の反撃を。さぁ、いこう!リベンジの時間だ、相棒!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「遊にぃ!」

「遊蒔!」

 

 

時間なんて経っていない。

そんなことはわかっているのに、2人の声が懐かしく思う。そして、

 

 

「やっとお目覚めだね。遊蒔くん?」

 

 

もっと懐かしい好敵手も。

 

 

「……理由はともあれ、また会えて光栄に思うよ。サイト」

「へぇ、僕の名前覚えていてくれたんだね?」

「遊にぃ……こいつの狙いは遊にぃなの?」

 

 

目の前には十代も巫女音もいる。つまり、この2人は対象外というわけだ。そしてこの質問も恐らく回答は違うだろう。遊蒔が思い描く回答とサイトの声はシンクロしあうように、

 

 

「「違う」」と答えた。

 

 

「……フフ、やっぱり君とは気が合うね? 遊蒔くん」

「純粋に考えればそうだろ……お前の狙いは『アステロイドベルト』……星座のカードだ」

「星座のカード?」

「正解正解。そして、それはここに」

 

 

そう言って、サイトが1枚のゾディアックカードを翳すと、眩い限りの閃光が全てを呑み込み、そして……

 

 

『我は天秤座の化身、リブラ。貴様をマスターとして認識した。命令を下せ』

 

 

蒼き鎧の魔神が誕生した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

全てを守るような固く閉ざされた魔神の鎧。激しいような渦巻く模様は、今にも空を切り裂きだすよう。そして何より驚愕せざる終えない事がある。

 

 

「あれが星座のカード……いや、それよりあいつ今、マスターって言いやがったのか?!」

「そう……星座を手にし者は、その存在をも操る。さぁ、遊蒔くん? やろうじゃないか」

 

 

そう言ってサイトはリブラの隣へ跳躍し、デュエルディスクを構えて挑発する。それはまるで「こいつが欲しければデュエルに勝て」と言わんばかりに……遊蒔はそれを悟るように目を細め、巫女音と十代へ視線を送った。

 

 

「…言いたいことはわかったぜ、遊蒔。えっと、巫女音だっけか? 今回はお前の出番だそうだ」

「えっ……? でも、遊にぃ……十代さんの方が恐らく強い____________」

「これは俺達の戦いだ。やるぞ、巫女音」

「遊にぃ……わかった。全力でやるよ」

「ふふ、さぁ見せてくれリブラ! 遊蒔くん!」

 

 

 

 

 

「「「「 デュエルッ!!!!」」」」

 

 

 

 

遊蒔 & 巫女音 LP 4000 vs サイト & リブラ LP 4000

 

 

 

 

「俺の先行。俺のターン____________俺は永続魔法『MM 月光の輝石』を発動! このカードは自分のメインフェンズに1度、手札を1枚ゲームから除外することで、デッキから『MM』モンスターを1体、攻撃表示で特殊召喚する。特殊召喚するモンスターがレベル5以上の時、俺は更に1枚を手札から除外しなければならない。2枚を除外して現れよ____________『MM ルナ=ドラゴン』」

 

 

『MM ルナ=ドラゴン』

光 ☆☆☆☆☆☆☆ ATK 2500

 

 

「俺はカードを1枚伏せて、ターンエンド。この瞬間、『MM 月光の輝石』により、除外されているカード1枚を手札に、このカードを除外する。俺は『月光の紋章(ルナティック・サイン)』を手札に」

 

 

 

遊蒔/ 1

 

 

ターンエンドと同時、遊蒔らしくないゲームタクティクスに巫女音は気づき、疑惑の眼差しを送る。何時もなら、エクシーズ召喚で高い壁を作り上げる戦法の遊蒔だ。高い壁ならルナ=ドラゴンでも間違いはないのだが、何かが違う。何か……

 

 

「僕のターン、ドロー____________僕は『SS バーンフェザー』を召喚。そしてフィールドに『SS』モンスターがいるとき、『SS フレイムイーグル』を特殊召喚し、バーンフェザーの効果で自身のレベルを1つ上げるよ」

 

 

『SS バーンフェザー』

炎 ☆☆☆ ➡ ☆☆☆☆ ATK200

 

『SS フレイムイーグル』

炎 ☆☆☆☆ ATK 1600

 

 

「レベル4のモンスターとチューナーモンスター……来るのか?!」

「勿論。 僕はレベル4のフレイムイーグルにレベル4となったバーンフェザーをチューニング、シンクロ召喚____________【燃え上がる野鳥の魂よ、今こそ命を喰らい、新たな翼となれ!】シンクロ召喚____________レベル8『SSS(シンクロン・サン・サイレント)バーストホルス・アポロ=ファルコン 』」

 

 

熱く燃え上がる2つの魂が糧となり、太陽の化身となりて現れる。それは神々しく、嫌になることのない優しく……それでいて激しい光。だが、今の遊蒔には違う感情しか芽生えなかった。

 

 

『SSS バーストホルス・アポロ=ファルコン』

光炎 ☆☆☆☆☆☆☆☆ ATK3000

 

 

「負けねぇ……絶対にだっ! 罠発動、永続罠『MM インビジブルクローク』。このカードが存在する限り、自分の『MM』カードは1ターンに1度だけ、破壊を無効にできる」

「遊にぃ?! 発動するタイミングが早すぎるっ!」

「僕は速効魔法『フレアボルテックス』を発動。相手が罠カードを発動した時、自分のフィールド上に炎族シンクロモンスターがいれば発動可能。その発動を無効にし、デッキの一番下に戻す」

「なん……だと……」

 

 

フリーチェーンである『MM インビジブルクローク』が消え、フィールドにはルナ=ドラゴンとバーストホルス・アポロ=ファルコンのみとなる。遊蒔は自分が犯した間違いに目を奪われ、唖然としていた。

 

 

「バトル、バーストホルス・アポロ=ファルコンでルナ=ドラゴンを攻撃、【主光のリュミナータ・ノヴァ】」

「ぐっ……ぁ」

 

 

遊蒔&巫女音 LP4000 ➡ LP3500

 

 

「遊蒔くん、僕は失望したくない。カードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

 

サイト/1

 

 

「すまない……巫女音……」

「遊にぃ……私のターン、ドロー____________私は『エクシーズ・チアガール』を召喚っ!」

 

 

『エクシーズ・チアガール』

地 ☆☆☆☆ ATK1400

 

 

「召喚効果により、手札のエクシーズ、またはナンバーズと名のついたモンスターを特殊召喚できる。『エクシーズ・キャットプリンセス』っ!」

 

 

チアガールの応援に導かれて猫型のドレス少女が現れる。

 

『エクシーズ・キャットプリンセス』

地 ☆☆☆☆ ATK100

 

 

「全力で行く、私はレベル4、2体でオーバーレイ。オーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚____________《洗礼された原形の魂、希望の段階を踏む使者よ!今こそ高鳴る真実を述べろっ!》『NNo.39 希階皇 ホープディフォルト』ッ!!!」

 

 

『NNo.39 希階皇 ホープディフォルト』

光 ★★★★ ATK2500

 

 

「ホープディフォルトのモンスター効果! オーバーレイユニットを1つ使って次のターン、相手はバトルフェンズをおこなえないっ!」

「へぇ……やるね、君」

「まだまだ! 私は魔法カード『ナンバーズ・ストライク』を発動。ホープディフォルトよりランクが1つ上のエクシーズモンスターをエクストラデッキから特殊召喚できるっ! きて、『セイクリッド・プレアデス』ッ!」

 

 

『セイクリッド・プレアデス』

光 ★★★★★ ATK2500

 

 

「ただし、この効果で特殊召喚したモンスターは効果が無効になり、攻撃できない。私は『RUM ニヒリティフォース』を発動! この効果はフィールドのランクを持つモンスター1体を素材に、1つか2つ上の『NNo』エクシーズモンスターを召喚条件を無視してエクシーズ召喚する! 私は『セイクリッド・プレアデス』でオーバーレイネットワークを再構築、ランクアップエクシーズチェンジ____________《荒れ狂う盲者を沈める岩鉄の巨心。今こそ現れよ》ランク6『NNo.6 虚無遺産(ヴァニタスパーツ)アトラストール 』ッ!!!」

 

 

セイクリッド・プレアデスの魂を取り込み、新たな岩窟王となり姿を現す。大気を貫き、大地を割り、荒れ狂った闇を粉砕するために拳を滝たてる。

 

 

『NNo.6 虚無遺産アトラストール』

光 ★★★★★★ ATK2600

 

 

「へぇ、いきなり伝説のエクシーズを2体とは……」

「アトラストールのモンスター効果! オーバーレイユニットを1つ使って、相手フィールドのモンスター1体に自分の墓地のモンスター1体を装備する。私は『エクシーズ・チアガール』を装備!」

 

 

『 SSS バーストホルス・アポロ=ファルコン』

ATK3000 ➡ ATK1600

 

 

「バーストホルスの攻撃力が下がった……?」

「そう、装備したモンスターの攻撃力分下げるの。これで攻撃力は上回った! ホープディフォルトでバーストホルスを攻撃____________『ホープ剣・ディフォルトスラッシュ』」

「させないよ。罠発動、『聖なるバリア・ミラーフォース』。攻撃してきた時、相手の攻撃表示モンスター全てを破壊する」

「アトラストールのもう1つの効果! 自分のモンスターが相手の魔法、罠の効果を受けるとき、このカードをリリースしてその効果を無効にするっ!」

 

 

弾けたミラーフォースをアトラストールが包み込み、そのまま消える。そして攻撃が続行となったホープディフォルトがバーストホルスの存在を断ち切った。

 

 

サイト&リブラ LP4000 ➡ LP 3100

 

 

「やるじゃないか。流石は遊蒔くんの妹さんだね」

「私はカードを1枚伏せて、ターンエンド」

 

 

巫女音/1

 

 

「遊蒔……お前まさか」

「遊にぃ……今は私が守るから……!」

「マスターの命により、デュエルを実行する。我のターン、ドロー____________我は魔法カード『最果ての壺』を使用。デッキよりレベル8以下のモンスターを墓地に送り、手札のレベル5モンスターを通常召喚する。こい、『アブソーバ・ゾル』」

 

 

『アブソーバ・ゾル』

水 ☆☆☆☆☆ ATK2000

 

 

「我は『アブソーバ・ゾル』のモンスター効果を使用。1ターンに1度、相手モンスターとこのモンスターを対象にゲームから除外する」

「っ……!」

「我はホープディフォルトとこのカードを除外する」

「させないっ! 罠カード『ナンバーズ・バリア』。自分の『No.』モンスターが相手の効果対象となるとき、その効果を無効にし、私はデッキから1枚ドローするっ!」

 

 

アブソーバ・ゾルの闇の手を光のバリアがホープディフォルトを守護し、巫女音のデッキの上のカードが1枚手札へと流れていく。

 

 

「我はカードを2枚伏せて、ターンエンドする」

 

 

リブラ/2

 

 

(星座の化身のわりに大したことは……うぅん、油断しちゃだめ。遊にぃには指一本触れさせないんだから)

 

 

「お、俺のターン、ドロー____________くっ……こんな時に」

 

 

遊蒔が引いたカードは『セメタリーアクション』。自分フィールド上に墓地より特殊召喚されたモンスターがいれば、相手のモンスター1体を破壊し、1枚ドローできる魔法カード。だが、今の遊蒔のフィールドには墓地より特殊召喚されたモンスターどころか、モンスターすら存在しない。更に残る手札は魔法カード『月光の紋章』。これもフィールド上に規定のモンスターがいないと発動できない。つまり……

 

 

「俺は……ターン、エンド」

 

 

遊蒔/2

 

 

「……がっかりだよ。僕のターン、ドロー____________僕は罠カード『リビングデッドの呼び声』を発動し、墓地の『SSS バーストホルス・アポロ=ファルコン』を特殊召喚」

(今の遊にぃのフィールドにはホープディフォルト以外のモンスターはいない。ダメージも500なら……)

「僕は魔法カード『SS 太陽の威圧(ソル・オーラ))』を発動! このターン自分の『SS』モンスターの攻撃力は戦闘する相手モンスターの攻撃力を足した分の数値となる」

「……俺のライフは3500……残り500になる……のか」

「残らないよ? 僕は更に永続魔法カード『燃え上がる不死鳥の波動』を発動。僕の鳥獣族モンスターの攻撃力数値が変化するとき、そのモンスターの攻撃力は1000ポイントアップする」

 

 

 

 

攻撃力……6500まで……すまない……すまない、巫女音。俺のせいで……俺がもう少ししっかりしていれば……俺が……俺が……!

 

 

 

 

「バーストホルス・アポロ=ファルコン。遊蒔くんを焼き付くせ! 《主光のリュミナータ・ノヴァ》」

「……ぐっ……ぁぁぁああああ……!!!!!」

 

 

 

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