八咫の聖人〜最強のはぐれ悪魔祓い〜   作:赤嶺

11 / 21
第十話

はぐれ10

 

アーシアの目に映るルシウスはいままで見てきたどのルシウスにも当てはまらなかった。

 

最初の頃のような何もかも破壊するような雰囲気でもなければ、私だけに見せてくれた優しく暖かくなるような雰囲気でもない。

 

ただ怖いと思った。

 

ルシウスを見ていると心が暖かくなるのに。

 

心が暖かくなるのはルシウスの『神器(セイクリッド・ギア)』が太陽の化身『八咫烏』が封じ込められているからである。

 

太陽は人間にとってその場に存在するのが当たり前のものだ。

 

むしろなければおかしいし、ずっと見ていないと少しずつ狂っていく。

 

太陽とは人間にとってはもっとも尊き存在なのだ。

 

そして太陽の光には心に安らぎを与えることができる。

 

現にリアスたちの表情は先ほどの恐怖に埋れたようなものではなくなり、いつものような凛々しい表情に戻っていた。

 

けれども、そんな効果があろうともアーシアの表情には陰りが見える。

 

ルシウスのことを怖いと思ったから。

 

でも、それはルシウスを知っている人間にとっては当たり前の感情で。

 

「……はじまるぞ。ルシウスの非情とも言える残虐劇が」

 

ゼノヴィアは表情を強張らせ、ボソッと言った。

 

無意識に出たのかもしれない。

 

でも、それをアーシアは聞いていて。

 

アーシアは手のひらを胸の前に結び願う。

 

どうか、いままでのルシウスに戻ってきますように。

 

 

 

ルシウスとコカビエルは互いに睨み合ったまま、動かないでいた。

 

ルシウスの表情は何も写していない機会のような無表情で。

 

コカビエルは冷や汗を流し始めていた。

 

これが今代の『聖人(ホ・ハギオス)』なのかと。

 

感じる波動のそれは上級悪魔や堕天使を飛び越え、下手すれば自分よりも上、アザゼルクラスなのではないかと。

 

そんな、そんな憶測にコカビエルは思い直す。

 

何を馬鹿なと。

 

ただの人間が自分よりも強いはずがないと。

 

それが『聖人(ホ・ハギオス)』で『|神器セイクリッド・ギア》』使いであろうとも。

 

だから、強がる。

 

口元を釣り上げる。

 

笑う。

 

大声で。

 

「ハハハハハッ!なんだ、思ったよりも強いではないか!これならばサーゼクスと殺る前の余興にもちょうどいい!」

 

そんな強がるコカビエルにルシウスは口元に手を持って行き、口を隠す。

 

それにコカビエルは身構えると、

 

「『……ふぁ〜ぁ……』」

 

気の抜けたような、あくびが聞こえてきた。

 

「貴様、俺を愚弄しているのか⁉︎」

 

それには先ほどまで強がっていたコカビエルも怒りをあらわにする。

 

だが、それも仕方が無い。

 

これから殺り合おうというのにそんなあくびをされては怒りも当然と言えよう。

 

だが、

 

「『ん?なんじゃ、もう朝か?』」

 

あくびをしたのはルシウスではない。

 

見た目はルシウスにもかかわらず、あくびの声もいまの声もルシウスの男にしては高い声ではなく、女性の声だった。

 

「誰だ貴様、聖人(ホ・ハギオス)の小僧ではないな?」

 

「『妾か?妾はの、ルシウスの『神器(セイクリッド・ギア)』に封印されし、八咫烏じゃ。よろしくの』」

 

ルシウス──八咫烏の言葉にその場にいる皆があり得ないとばかりにルシウスを見る。

 

そこには確かにルシウスとは違うルシウスがいた。

 

ルシウスの瞳は本来碧の瞳なのだが、八咫烏と名乗ったルシウスの瞳は紅い瞳をしていた。

 

それにほんの少し、ほんの少しだが、顔つきが変わっている気がするのだ。

 

勘違いかもしれない。

 

顔は目の周り以外は隠れていて見えないのだから、勘違いの可能性のほうが高い。

 

対して親しくも無い者たちは瞳の色の以外にしか気づかなかったが、ゼノヴィアやアーシアは顔つきに違和感を感じた。

 

黒歌は何か知っているのかニヤニヤしていたが。

 

「八咫烏だと?日本神話の神獣が相手とは、なかなか楽しませてくれるではないか!なぜ聖人(ホ・ハギオス)の身体を使えるのかは知らんが、いいぞ!まだ戦ってもいないというのにここまで心踊るとは。さあ、こい!俺と殺し合おうじゃないか!」

 

「『ほう?妾と殺り合いたいとな。寝起きには少々物騒じゃが、よかろう。ではの主様──』」

 

「うん──」

 

ルシウスの口から発せられる2人の声音。

 

それは重なり合いひとつの呪詛としてこの場を支配し、

 

暴風の嵐となって。

 

「『さぁ、(さぁ、)はじめよう(舞おうかの)』」

 

 

 

ルシウスは体の周りに光の力のこもった白い炎を5つ展開する。

 

「白炎よ、舞え」

 

ルシウスが発すると同時に展開された炎はルシウスの周りを舞うように回り始める。

 

「『八咫の陽扇よ、吹き荒れよ』」

 

右手に持った鉄扇を振り、風を起こす。

 

その風はハリケーンとなって白い炎を吸収し、白き炎のハリケーンとなってコカビエルに襲いかかる。

 

コカビエルはそれを打ち消そうと光の槍を投げるも吸収されるだけだった。

 

「チッ」

 

コカビエルはさらに高い位置にまで羽ばたき、ハリケーンの中心に向かって光の槍を放つ。

 

中心に着弾した光の槍はハリケーンを破壊することに成功。

 

しかし、ルシウスの姿が見えなくなっていた。

 

「『あまいのぅ。あれくらいで焦るとは。ほれ、まだまだゆくぞ』」

 

後ろから聞こえた声に振り向けば、そこには先ほどのハリケーンがこちらに向かって2つ放たれていた。

 

「クソッ!」

 

コカビエルはまた光の槍を2つ展開し、迎撃する。

 

しかし、今度のハリケーンは破壊できなかった。

 

「なに⁉︎」

 

そのまま2つのハリケーンはコカビエルの5対10翼の翼を焼き焦がし、そのまま地面に叩きつける。

 

「ガハッ!」

 

叩きつけられ、肺にある空気が漏れる。

 

立ち上がろうとするがその前にルシウスがコカビエルの腹を踏みつけ、

コカビエルを見下すようにルシウスは冷酷な笑みを浮かべる。

 

「あぁ、やっぱり弱かった。たったの2撃でこの様だ。この様子じゃ、アザゼルも弱いかな?」

 

「『ふむ、昔はここまで弱くはなかったはずじゃが、これが老いか?怖いのぉ。妾はまだまだピッチピチの美女じゃが』」

 

「まぁ、封印されてるし」

 

「『言うでないわ!妾も好きで封印されたわけでは無い!これは仕方なく、仕方なくじゃ!』」

 

「そう?まあいいけど。じゃあコカビエル、さよなら」

 

ルシウスは手に腰に差してあった刀を取り出し、コカビエルの首元に突きつける。

 

まずい、まずいまずいまずい!!

 

コカビエルは焦っていた。

 

このままでは殺されてしまうと。

 

何か、何かないか!俺が生き残る方法は!

 

コカビエルは必死に考える。

 

自分が生き残るために。

 

そこでふと、思い出す。

 

ルシウスが元は神に仕える悪魔祓い(エクソシスト)だということを。

 

ならば。

 

ならば、神の不在を言えば助かるのではないか?

 

この聖人(ホ・ハギオス)によってここまでされたのは屈辱だが、まだ死ぬ訳にはいかない。

 

だから、言った。

 

みっともなく

 

ボロボロの体で

 

笑みを浮かべながら。

 

「なぜ、貴様は俺と戦う。神もいないこの世界で」

 

ルシウスの手が止まる。

 

コカビエルは笑みを深める。

 

「……どういうこと?」

 

コカビエルのいったことが聞こえたのか、リアスは怪訝そうな口調で訊く。

 

「神も魔王と同じく先の三つどもえ戦争で死んだのさ」

 

それが聞こえた者は信じられないと思った。

 

コカビエルの敗北は誰が見ても明確。

 

ならば、神の死は死にゆくコカビエルの戯言だと。

 

皆がそう思った。

 

しかし、ルシウスだけは手を止めたままコカビエルを見ている。

 

その様子にコカビエルはもう少しだと思う。

 

「信じられなくても仕方ない。神の死など誰も伝えていないのだから。だが、いったところでどうなる?人間は神がいなくては心の均衡と定めた法も機能しない者の集まりだ。我ら堕天使、悪魔も下々にそれを伝える訳にはいかない。どこから神が死んだと漏れるかわかったものじゃないからな。三大勢力でもこの真相を知っているのはトップと一部の者たちだけだ。先ほどバルパーは気づいたようだがな」

 

反応のないルシウスを見ながら続ける。

 

「戦後残されたのは、神を失った天使、魔王全員と上級悪魔の大半を失った悪魔、幹部以外のほとんどを失った堕天使。もはや、疲弊状態どころではなかった。どこの勢力も人間に頼らねば種の存続ができないほどまで落ちぶれた。特に天使と堕天使は人間と交わらねば種を残せない。堕天使は天使が落ちれば数は増えるが、純粋な天使は神を失ったいまでは増えることができない。悪魔も純潔は希少だろう?」

 

「……ウソだ。……ウソだ」

 

少し離れたところで、力が抜けうなだれるゼノヴィアの姿があった。

 

その表情は見ていられないほど、狼狽に包まれている。

 

ゼノヴィアは現役の信仰者。

 

神の下僕だ。

 

神に仕えることを使命として、生きてきた存在だ。

 

無理もないだろう。

 

神に仕えることが生き甲斐だったのだ。

 

それを失ったゼノヴィアがああなるのも仕方が無い。

 

そしてそれはアーシアにも言えることだった。

 

「……主がいないのですか?主は……死んでいる?では、私たちに与えられる愛は……」

 

アーシアはいままで神を信じていきてきた。

 

『魔女』と罵られ追放されたときも悪魔になったいまでも、ずっと。

 

アーシアは口元を手で押さえ、目を大きく見開いて、全身を震わせる。

 

「そうだ。神の守護、愛がなくて当然なんだよ。神はすでにいないのだから。──さて、神の死を知った貴様はまだ俺と殺しあうか?殺しあう意味も失ったのに?」

 

ルシウスは顔を伏せ、目元しか見えなかった顔がどんな表情かわからなくなる。

 

その様子にコカビエルは満足げに笑った。

 

賭に勝ったのだと、そう思った。

 

だが、

 

ドスッ

 

ルシウスの刀はコカビエルの胸に刺さっていた。

 

「だから、どうした?」

 

信じられないとコカビエルはルシウスを見れば先ほどと変わらぬ冷酷な目を見える。

 

「な、なぜ……?」

 

「神が死んでいる?だからどうした。別にいいよ、神が死んでたって。もう信仰してなかったし。僕がお前と殺しあってんのは──」

 

ルシウスはコカビエルの胸に刺した刀を抜き、今度は右の太ももに刺す。

 

「グハッ」

 

「僕の私怨さ」

 

また、刀を抜いて左の太ももに刺す。

 

「お前たち堕天使は僕の父さんと母さんを殺したから。だから、殺す。堕天使という種が消え去るまで、僕が殺し続ける」

 

ルシウスの言葉にコカビエルは恐怖する。

 

これは本心だとわかった。

 

そして、ルシウスの言葉にもうひとり、恐怖した。

 

姫島朱乃

 

リアス・グレモリーの『女王(クイーン)』が。

 

彼女は堕天使と人間の間に生まれた子どもだ。

 

だから、半分堕天使の血が流れている。

 

きっとルシウスは半分とはいえ堕天使の血が流れている彼女を許しはしないだろう。

 

だから、恨む。

 

この血のせいで自分は母さまを失った。

 

なのに、今度は自分が殺されるのだと。

 

堕天使バラキエルを恨んだ。

 

あの時と同じように。

 

ルシウスは太ももに刺さった刀を抜き、コカビエルの首元に突きつける。

 

コカビエルは逃げ出そうとするが逃げ出せない。

 

5対10翼の翼は焼き焦げ、両足は刀で貫かれ腹をルシウスに踏みつけられているから。

 

「まずは1人目だコカビエル。さきに地獄に行って仲間の堕天使が落ちてくるのを待ってろ」

 

「ま、待てっ……!」

 

コカビエルはなんとかやめさせようと声を上げるがそれと同時に首にルシウスの刀が突き刺さる。

 

「陽刀(ようとう)・八咫尾羽張《ヤタノオハバリ》よ、我が言霊を聞き魔を断て」

 

ルシウスの発した呪言によって八咫尾羽張(ヤタノオハバリ)の白い刀身に黄色いラインがはしり、光の力を放ち始める。

 

そしてそれは、コカビエルのなかにも流れ始めた。

 

「グッ、ガッ、グガァァァアアア!!」

 

流し込まれた途端にコカビエルは苦しみだし、体が暴れようとする。

 

だか、足は暴れても上半身は踏みつけられていて動かない。

 

ただ、流し込まれ続ける光の力にコカビエルは苦しむしかできなかった。

 

「うーん。まだ、死なないなぁ。じゃあ、これならどう?八咫烏!」

 

「『了解じゃ!焼き焦がせ八咫尾羽張(ヤタノオハバリ)!我が敵を滅却せよ!』」

 

八咫烏の言葉に刀身が紅く染まりだしコカビエルから煙が上がり始める。

 

焼いているのだ。

 

内部から。

 

コカビエルはまた声を上げる。

 

しかし、ルシウスと八咫烏はやめない。

 

むしろ笑っていた。

 

コカビエルの苦しむ姿に。

 

それを見ていたリアスたちは身を震わせる。

 

なんなんだあれは、と。

 

八咫烏の光によって安らいだ心はルシウスの行動によってまた荒れ始める。

 

ゼノヴィアはあのルシウスを知っているのか、顔を歪めるだけだったが、アーシアは涙を流した。

 

ルシウスの残忍さに。

 

そして、少しは傷が癒せていたと思っていた自分自身に。

 

リアスたちはコカビエルの姿に目を背ける。

 

それでも聞こえてくるのだ。

 

悲鳴が。

 

苦しみの悲鳴が。

 

だが、それは唐突に終わった。

 

ルシウスが突然コカビエルから刀を抜き、飛び上がったのだ。

 

ルシウスが居た位置には白き全身鎧(プレートアーマー)に包まれた者が立っていた。

 

背中から生える八枚の光の翼は、闇夜を切り裂き、神々しいまでの光を発している。

 

その白き鎧に包まれた者にルシウスとゼノヴィア以外の者は見覚えがあった。

 

似ているのだ。

 

イッセーが纏った『赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)に。

 

「……『白い龍(バニシング・ドラゴン)』

 

ルシウスが忌々しげに発した言葉にリアスは納得した。

 

赤龍帝に似ていて当然だった。

 

『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』と対をなすもの──『白い龍(バニシング・ドラゴン)』

 

その神秘的な輝きを放つ白き姿にリアスたちは魅了されていく。

 

美しい、と思った。

 

「『白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)』ってことは『白龍皇(はくりゅうこう)』か……それも禁手(バランス・ブレイカー)状態の『|白龍皇の鎧《ディバイン・ディバイディング・スケイルメイル》。……何の用かな?僕はそいつにとどめを刺さないといけないんだけど」

 

「た、助かったぞ……『白い龍(バニシング・ドラゴン)……」

 

コカビエルは息絶え絶えになりながらも白龍皇に声をかける。

 

「いや、すまない。邪魔をするつもりはなかったんだがこちらもアザゼルにコイツを連れて帰るよう言われているんだ。見逃してくれないか?」

 

「僕が見逃すと思うか?」

 

「いや、思わない。だからひとつ情報をあげよう。これで見逃して欲しい」

 

「情報?」

 

「ああ、キミの両親を殺すよう命じた者の存在の事だ。どうだろう?」

 

「っ⁉︎……いいよ。わかった、連れて行きなよ」

 

「ありがとう。じゃあ俺も伝えるとしよう。そいつらは──」

 

白龍皇の声はリアスたちには聞こえず、ルシウスだけが聞いた。

 

ルシウスは体を震わせ、手を握りしめている。

 

白龍皇は言い終わるとコカビエルに突きをくらわせ気絶させると肩に担いだ。

 

「フリードも回収しなければならないか。聞き出さないといけないこともある。始末はそのあとか」

 

白龍皇は光の翼を展開し、飛び立とうとした。

 

『無視か、白いの』

 

その場に別の声が聞こえた。

 

『起きていたか、赤いの』

 

その声に反応するようにまた別の声がする。

 

『せっかく出会ったのにこの状況ではな』

 

『いいさ、いずれ戦う運命だ。こういうこともある』

 

『しかし、白いの。以前のような敵意が伝わってこないが?』

 

『赤いの、そちらも敵意が段違いに低いじゃないか』

 

『お互い、戦い以外の興味対象があるということか』

 

『そういうことだ。こちらはしばらく独自に楽しませてもらうよ。たまには悪くないだろう?また会おう、ドライグ』

 

『それもまた一興か。じゃあな、アルビオン』

 

会話は赤龍帝と白龍皇のものだった。

 

「おい!どういうことだ⁉︎お前は何者で、何をやってんだよ⁉︎」

 

イッセーが白龍皇に向かって声を荒げる。

 

「すべてを理解するには力が必要だ。強くなれよ、いずれ戦う宿敵くん。それと、またキミとはやり合いたいな『聖騎士(パラディン)』。その姿は『|八咫烏の聖霊陽装着《セラフィム・フレア・プネウマ・ハギオン・アイギス》』だろう?見ているだけで、滅せられてしまいそうだ」

 

白龍皇は楽しそうに言う。

 

「また、返り討ちにあうだけだよ。白龍皇」

 

「ハハハ、それはどうだろう。前よりも俺は強くなったからな。では、また」

 

白龍皇は白き閃光と化して、飛び去って行った。

 

ルシウスの禁手(バランス・ブレイカー)が解け、背中に黄色がかった白い翼に戻る。

 

それも消え去り、頭の上の光の輪と両手足首の光の輪も消えていった。

 

「よかったの?逃がして」

 

ルシウスの隣にいつの間にかいた黒歌が聞く。

 

「別にいいよ。それよりも大事なことを聞いた」

 

「ならいいんだけど。それより今日は欲求不満にゃー。コカビエルと殺り合えると思ってきたのに、できなかったから」

 

「それは……うん。僕が悪い。ごめん黒姉。また機会を用意するから」

 

「うー、まぁいいにゃん。次の強い敵は私に譲ってもらうにゃん」

 

「うん。これからはちょっと忙しくなるよ。僕の敵がわかったんだから」

 

リアスたちは何が何だかわからないでいた。

 

突然白龍皇が乱入してくるから。

 

でも、わかったこともある。

 

ルシウス・ランスロットは、絶対に敵に回してはいけないということ。

 

白龍皇と赤龍帝が出会ったこと。

 

リアスは悩ませる。

 

これからイッセーを中心に起こる争いに。

 

そして、ふとリアスは小猫を見る。

 

小猫はまだ、体を震わせていた。

 

いや、再びと言ったほうがいいだろう。

 

小猫は黒歌を見て震えているのだから。

 

「…………して?……どうして、ここにいるんですか?黒歌姉さま……?」

 

その声に、その震えた声に黒歌は振り返り、悲しそうな、それでいて嬉しそうな笑顔を浮かべて、言った。

 

「……久しぶりにゃん、白音」

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。