学園都市
超能力の研究が行われ,科学技術は外部と20,30年の差があると言われている夢の都市である。
しかしそれは表の顔、実際は警察が無く、風紀委員や警備員が変わりに治安維持をしているが
風紀委員や警備員は本業や学業があるためか対応が後手に周り、学園都市の治安は発展途上のスラム街並みに悪くなった。
街ではそんな治安の悪さが気に入ったか、不良の達が集まり行動している。
大人たちは彼らを蔑んでこう呼ぶ「スキルアウト」と。
夜__。
学園都市の大半は学生なので街は静かになるが、そうじゃない人間もいる、スキルアウトだ。
彼らは警備員や風紀委員が活動していない夜中にまるで夜行性の鳥のように活動する。
仲間で馬鹿話をしたり、他のチームと喧嘩したり、異性をナンパしたりする。
能力者や大人達からみれば馬鹿らしく見えるが……彼らにとって重要な居場所なのである。
そんな夜の街を根城にしているツンツン頭の少年がいる。
彼は上条当麻。異性に好かれる事を除いては、ごく普通の不良少年なのだが……少し奇妙な右手を持っている。
上条「さすがに夜は涼しいなー」
上条はコンビニから出ると、路地裏で雷が落ちたような音が聞こえた。
そして、その轟音からコンマ差で男の達の叫び声が上条の耳に届いた。
上条「ん?」
スキルアウトA「た、助けてくれ…もうしないから…」
???「そんなこと言っても…信じられない…さっさとぶっ倒れろ…!!」
スキルアウトA「ひぃ…」
スキルアウトAが謎の人物から攻撃を受ける時に上条は二人の間に入り、右手を使った。
???「なっ…!!」
電撃による轟音が終わり、辺は煙が出る。
しかし上条はそんな威力に電撃の割に体一つ傷ついていなかった。
上条は助けた男をチラ見する。
上条「なんだ…お前か、助けなくて良かったな」
上条は助けた男と知り合い程度だった。
そんな男の命を救うのが彼の性格である。
スキルアウトA「上条さん!!」
???「何で……私の電撃が……」
上条(女…?しかも中学生ぐらいか……)
上条(それにしても一人でこの人数……)
謎の女の周りには彼女の能力のせいなのかスキルアウト5、6人が倒れていた。
上条(能力者……か)
上条「逃げるぞ……」
スキルアウトA「は、はぃーーー」
二人はダッシュで逃げた。
裏路地にはスキルアウトの方が詳しい。
???「ちょ、あんた待ちなさい!!」
彼女はもう一度ツンツン頭に向かって電撃を浴びせる。
上条「ふん!」
上条は振り返り右手で無効にされてしまう。また駆け足で走り、二人は夜の闇へと消えて行った。
???「なんなよ……あいつ……」
彼女は自分の能力が効かないことに苛立ちを覚えた。
彼女には自信があったのだ。自分が学園都市に7人しかいないレベル5であり、軍隊と一人で渡り合えるほどの戦力の持ち主【御坂美琴】なのだから
上条当麻は困っている人を見捨てられない、いわゆるお人よしなのだ。
男、女、子供、年寄り、そして悪人ですら救ってしまう。
彼がそんな学園都市の闇に落ちるきっかけはふとした事だった。
いつもの彼らしくレベル4の大能力者に襲われているスキルアウトを助けたのである。
助けたスキルアウトは別にろくでも無い人間だったが、それ以上に能力者が気に入らなかった。
それからスキルアウトと知り合いになり、夜の道へ進んでいった。
そして、奇妙な右手のせいで能力者とも対等に渡り合える上条はスキルアウトたちの中でも一目置かれるようになった。
だがスキルアウトであるがグループに入っていない。
親交のあるチームは多いがそれ止まりに留めていく。
正義感の強い彼がスキルアウトを自認するようになったのはスキルアウト以上に能力者の蛮行が目立ったためだった。
「無能力者と能力者を露骨に差別する教師」、「常に無能力者見下す能力者」、「そして糞のような街から出す気のないこの街」
上条がグレる、のは十分すぎる理由だ。
要するに彼のイラつく人間の比率がスキルアウトより能力者側の方が高かったのだ。
高校には一応進学したが元々成績の悪い上条おまけに全然学校に行っていないは恐らく退学寸前だろう。
上条「やれやれ……今日も酷い目にあった、不幸だなー」
上条はスキルアウトのたまり場の廃ビールに帰ってきた。
最近上条はここを根城としている。
ライフラインを仲間のスキルアウトと協力して近くの企業から盗んでいるが案外バレないものだ。
上条「ただいまー」ガチャ
???「おかえり」
上条「!いたんですか?姉御」
姉御「お前までその呼び方なのか?まあ……いい」
上条の部屋にはスキルアウトのみんなから姉御と慕われるポニーテールの女性のボスがいた。
なんでもレベル5とやりあったらしい……。
第七学区のボスは一応姉御となっている。無論、駒場利得という強力なチームがいるが規模が全く違う。
他の学区から喧嘩を売りに来るスキルアウトもいるが……多勢に無勢で返り討ちにされる。
そういう状況であるため、第七学区は比較的安定している治安状況だった。無論、学園都市の中で、である。
姉御「あっ、お前のビール貰っている」
上条「勘弁して下さいよ、俺は貧乏なんですから…」
上条は冷蔵庫からチューハイを取り出し、ベッドに横たわる姉御の横に座った。
上条「で……何のようですか?」
上条「姉御が来るからにはなんか用があるんでしょ?」
姉御「ちょっと面白い話があってお前に聞かせたいんだよ」
姉御「第十学区のビックスパイダーって知っているか?」
上条「聞いたことは……」
数年前に活躍したスキルアウトだ。
少数精鋭ながら力をつけて第七学区まで名を聞かせた武闘派のグループだ。
さらに実力もさる事ながら女子供には出さないという事から密かに無能力者からもアウトロー的な羨望を受けたらしい。
上条(俺がこの世界に入る前だからそんなに詳しくないな)
姉御「最近そのチームがまた勢いを取り戻してきてね」
姉御「そのリーダーの黒妻って奴が能力者狩りをやっているんだって、それで今月には第七学区まで勢力広げるくらい」
上条「無能力者が?」
ありえない、上条は思った。
【能力者】と【無能力者】大人と子供より差がある。
姉御「ああ、なんでも能力出せなくなる装置あるらしいんだ」
上条「!?」
姉御「だからさ、あたい達で、そいつらを説得してその機械を貰えば……」
上条「俺達の交渉材料になると……」
姉御「どうだ。いい話だろ」
姉御は半年前から反能力者の活動を密にやっている。
理由は姉御の友達が不当な退学処分を受けたからだ。能力者達が関わり、複雑な問題となっている。そういった複雑な問題を解決するために
上条「そううまく行きますかね?」
上条「…姉御……。前も言いましたけど、俺は能力者とやる気はないっす」
姉御「え…?」
上条「能力者は科学者、教師、警備員、風紀委員まであいつらの味方。戦ったらこっちが負ける」
上条「まして、能力者狩りー、なんてやったらたださえプライドの高い能力者達が怒ると思うんですよ」
上条「そいつらすぐ始末されますよ」
上条「その機械だって、能力者側の研究員がそのうち対処法が練られると思うんですけど……」
上条「街は能力者に関しては資金を出してきますから」
姉御「そうか…」
ガチャ
???「上条ーいるかー」
上条「ん?浜面か、何の用?」
浜面「いやー近くに来たから一緒にドライブでも…」
浜面「って姉御!いらしたんで?」
姉御「ん?浜面か久しぶりだな、駒場は元気か?」
浜面「そ、それは、それは元気で」
姉御「そうか、しかし二人とも知り合いだったのか?」
上条「ええ、浜面が別のスキルアウトに襲われ所を助けたんですよ」
姉御「……お前は相変わらずだな……男まで手を出すつもりか?」
上条は思わず、吹き出した。
上条「何言っているんですか……姉御」
浜面と姉御は浜面がスキルアウトに入りたての時に駒場の部下として面識があった。
共にこの地区の顔役同士、何度が対面している。
幸い駒場と姉御は気が合うらしく各チームは良好な関係を保っている。
上条はどちらとも属していないが、今は姉御のチームの客分という地位が相当である。
浜面「それ以来ちょくちょく遊びに来ているんです」
浜面(……)
浜面(それにしても上条…まさか姉御まで落とすとはおそるべき)
浜面「!?」
浜面(姉御が女の面になってる……)
浜面(あんな表情見た事無い)
姉御「……」チラッ
浜面(いや、元に戻ってきた…いつもの怖い姉御だ……)
浜面は何度か姉御にブチのめされた経験がある 。
浜面(こっちを睨んでる……)
浜面(恋人と二人きりを邪魔された女の顔している……)
浜面はまるで巨人を目の前にしたジャックのようなプレッシャーを全身で感じた。
浜面「じゃあ、俺帰ります」(怖ぇ~)
上条「えっ!!ゆっくりして行けよ」
浜面「いや、二人の邪魔をすると、悪いからな!じゃーな」
浜面の足音が鳴る。
どこか小動物の逃げ足に発する音に似ていた
上条「なんだ、あいつ残念だなー」
姉御「残念だなー(棒)」
上条「さて、姉御もう遅いし、送りますよ」
姉御「ん?いいよ、泊まるし」
上条「……」
上条「またですか……」
姉御「いいだろ……最近ぜんぜんしてないし……」///
上条「今日疲かれているんですけど……」
姉御「大丈夫!あたいが動くよ」
上条(……不幸だ)
翌日
上条「昨日は疲れたなー」
上条「何回やるんだよ、たくっ」
上条「ん?そういや腹減ったな」
上条「なんか買って作るか」
上条は貧乏であり、外食より自炊をするようにしている。
料理の腕は高校生男子にしてはなかなかである。
上条「スーパー行こ」
~~スーパー~~
上条(今日は何が安いかな~)
上条の収入は無い。
学園都市には奨学金がある。
しかし能力者に上げるだけであり、無能力者には最低限の賃金しか渡していない
上条のような学業を疎かにするスキルアウトはもちろんだが一円たりとも渡していない。
上条は姉御から出処の怪しい金や他のスキルアウトチームの雑用、ギャンブルや非合法飲食店の雑用なんかをして日々に生活を行っている。
だが盗みと売春は手を出していない。彼にもポリシーがあるのだろう。
上条(金が無いからスキルアウトになる、まぁ当然と言えば当然だな)
上条「!?」
上条は店前のポスターを見ると、セール商品に目が行った。
上条「おっ!ムサシノ牛乳が安い」
ムサシノ牛乳。学園都市に愛飲者が多い牛乳である。
普段は150円だがここのスーパーは産地直送の為&セール商品の為一本80円という値段にされていた。
上条「ついているな~」
上条が牛乳売り場へ行くとちょうど、ムサシノ牛乳が一本だけだった。
上条「おっ!危ない、危ない」
手を伸ばすと、同時に牛乳に誰かの手が現れた。
???「……」
上条(なんだこいつ)
上条が見たのは革ジャンを着た、赤毛の大柄の男だった。
いかにも不良…というルックスだった。
上条「どこの武装戦線だよ・・・」
上条は小声で言った。
すると男はゆっくり右手を出してきた。
上条(喧嘩になる!?)
???「ジャン、ケンポン」
上条「!?」
上条は右手をグーの状態だったのでパーを出してきた相手に負けた事になる。
???「悪いな、これはもらってく」
上条「……」
上条「なあ……あんた黒妻か?」
???「!?」
上条「ビックスパイダーのリーダーの黒妻か?」
???「…違うけど…そうだ」
上条「?」
上条「良かったら話聞かせてくれないか?」
黒妻「いいぜ……俺も情報が欲しいからな」
今の状態は平日の昼間から悪そうな男二人が怪しい会話をしている。
上条と黒妻はいい加減店員や客の目が気になったので
早々に黒妻は牛乳を買い、土手に場所を移した。
上条「何から聞こうか……あんたはビックスパイダーのリーダーの黒妻でいいんだよな?」
黒妻「昔はそうだった、今知らないけど」
上条「どういうことだ?」
黒妻「俺は事故で2年ほど外に出てない」
上条「外……?」
黒妻「入院と危険運転で鑑別書にな」
黒妻「つい一週間前に出てきたばかりだからな」
黒妻「だから最近この学区に出没したっていう黒妻は偽者だぜ、そうだろ?」
上条「ああ……ビックスパイダーは今年頃から勢いが増したとか聞いている」
上条「じゃあ能力者狩りやっているのは偽者……?」
黒妻「ああ…そうだろう」
黒妻「にしても、能力者狩りやっているその黒妻の偽物……つぶした方がいいな」
上条「え…?」
黒妻「スキルアウトは能力者に直接攻撃することは無かった、突発的な事はあっても」
黒妻「だから今までスキルアウトと能力者と大きな事件が起きなかった」
黒妻「俺がリーダーのときは節度や誇りをもって活動していたから、個人が恨まれる事はあってもスキルアウト全体に恨まれることは無かった」
上条「……」
黒妻「今回の事件でスキルアウト、無能力者の両方の価値観が変わるかもな、元々俺たちに悪い印象持っていないし本格的に駆除に乗り出すかもな……」
上条「……」
黒妻「所でよく俺が本当の黒妻だとわかったな」
上条「ん?簡単だよ」
上条「俺もこの学区のスキルアウトでな」
黒妻「ほう」
上条「ここの学区のスキルアウトは大体知っている」
上条「だから、あんたを見たとき、知らないスキルアウトは第10学区のスキルアウトと思ったんだ」
上条「なんちゃてヤンキーの説もあるけど、ガタイもいいしな…」
黒妻「ほぅ、なかなか切れ者だな」
黒妻「だが、俺がリーダーじゃなくてパシリだったらどうなんだ?」
上条「あんたがパシリな訳無いだろ」
上条「まあ、なんかあったらここに訪ねてみな、上条当麻の知り合いって言えば入れてくれるから」
上条は自分の住所の連絡先を渡す。
黒妻「ありがとよ!じゃあ俺は失礼するぜ」
上条「ああ…」
上条は黒妻と別れた後スキルアウトと能力者の関係を考えた。
上条(スキルアウト全体を憎む事は無かったか…)
上条は能力者との関係が悪化しないように祈った。
しかしこのビックスパイダーの事件がきっかけとなり能力者とスキルアウト、無能力者の対立が現実の物へと変化してしまう。
駒場、浜面、そして上条がスキルアウト達の生き残りをかけた事件に発達するのだった。
上条は隠れ家に帰宅した後、仲間から差し入れのあった缶チューハイを飲みながら電話を掛けた。
上条は酒を飲む。
以前はダメだったかだんだんと慣れてきた。酔いが回るといても立ってもいられない上条の本質とも言える部分があらわになる。
trrrrrrrr
ガチャ
浜面「ん?上条どうした?」
上条「浜面、ちょっと頼みたい事があってさ」
浜面「ん?何?」
上条「明日、武器と車を貸してほしい」
浜面「いいけど…何に使うんだ?」
上条「ちょっと野暮用でいるんだ」
浜面「まあ……いいけど気をつけろよ」
上条「ああ…」
ゴクッ
チューハイを飲み直すとガチャ、という音がした。
ここら一帯のスキルアウトの女リーダーである。姉御だ。
姉御「ん?帰ってきたのか」
上条「……ハァ」
上条は呆れ顔で姉御の顔見る。
上条「俺の家を我が物顔で居座らないで下さいよ」
姉御は断りも無く、冷蔵庫からチューハイを取り出す。メロン味だ。
上条「もう一ヶ月以上前からたまに忍び込むじゃないですか…」
姉御「あたいをお前の女にしてくれたら止めてやるよ」プシュ
上条はそういう事か……と頭を抱えた。
姉御と上条は性的関係にあるが、恋人関係ではない。
それには理由があるのだ。
上条「前に言った通り俺には付き合えません」
ギュ
姉御は抱きしめる、体つきはしっかりしていて、スリムだった。
上条は細身の体に温かさを感じた。
姉御「分かっているよ…そうやってあたいに危害が及ぶ事を防いでくれているんだろ」
上条「……」
上条には前に付き合ったスキルアウトの女の子が居た。
上条は彼女を守っていたが、彼のいない所で暴行されかけた。
上条は能力者の中でもかなり名の知れた存在
「能力の効かないスキルアウトがいるらしい」
そんな都市伝説が広がっているぐらいだ。
無論そんな自分を嫌っている人間など山ほどいる。
上条当麻の彼女というだけで危険に晒される。
上条はそれが分かった時に、特定の恋人を作る事はやめたのである。
上条(あの時駒場さんが助けてくれなかったら……)
上条と駒場の出会いはそれがきっかけだった。
上条は自分の元カノが駒場利得に手によって助けられた事を感謝していた。
ちなみに彼女は今駒場の元で活動しているらしい。
上条「所で姉御さん……ビックスパイダーの隠れ家って知っていますか?」
姉御「……知っているけど」
上条「教えてください」
姉御「あいつらとは関わらないんじゃないのかい?」
上条「知り合いがあいつらと喧嘩するんですよ」
姉御「……」
上条「助けてやりたい」
姉御「またか…無茶はするなよ」
優しく頬に口付けされた。
上条は礼を言った。
上条「ありがとうございます」
~~翌日~~
浜面「ほらよ、鍵」
浜面「お前運転出来た?」
上条「ん?仕事で何度かやった事あるぞ」
上条は非合法運搬業で運転技術を身につけていた。
上条「悪いな、いくらだ?」
浜面「あっ?いいよ、そんなの」
上条「でもお前の苦しいんだろ?」
浜面「あーじゃあ女紹介しろよ、それでチャラだ。」
上条「ありがとよ」
上条はセダンの扉の音を鳴らせる。
上条は浜面から借りた車に乗って第十学区のビックスパイダーの隠れ家に向かった。
助手席には拳銃が置いてある。
セミオート式の簡易な物だ。中国製かロシア製か一丁6~7万程度だろう。
上条は銃をチラッと見た。
上条は武器を使う。
スキルアウトになり喧嘩をすることが多くなった。上条は素手の戦いなら2人までは勝つ自身がある。
しかし3人目になると逃げる事にしている。上条自身、鍛えているがやはり限界がある。
だがしかし、今回の様にどうしても多人数の時は武器を使う。
そこで駒場や姉御のチームから拳銃やその他の武器を借りて仕事をする事にしている。
幸い上条は射撃の腕も良かった。
隠れ家に着くと既に男達の怒声が聞こえてきた。
上条(急ごう!)
上条は拳銃片手に車をすぐに飛び出した。
上条(黒妻が着く前に済まそうとしたのに……失敗したな…)
不良達がお決まりの台詞を並べる。
「オラーナメンジャネーゾ」
「殺すぞ!」
「死ねや!lコラッ」
声のある所に行くと一人頭突き出ている赤毛の男がいた
上条(黒妻…)
中へ入ると6,7人で黒妻を囲っていた。
上条「!?」
上条は助けようと拳銃を構え、囲んでいた奴らに照準を合わせた。
だがその必要は無かった。
一人が黒妻を殴ろうとした瞬間に黒妻は相手の腕を掴み、そのまま男を軽々しく、まるでハンマー投げのように投げた。
その間に男達も巻き込まれ一瞬の内に男たちは動けなくなった。
一気に4人が倒れる。
一瞬出来事にぼっとしていた他の男は黒妻の回し蹴り、二連擊に意識を失っていた。
上条(タイマンでやったら負けてたな…)
上条は心の中で思っていると倒された一人が黒妻に拳銃を構えていた。
上条「!」
ぱんっ、と広場に音が聞こえる。
男「あっ…」
男は左肩付近から血を流した。
上条は輩より早く撃ち、難を得た。
上条「敵は倒すまで安心できないぜ」
黒妻「か、上条…」
上条「第七学区は俺らのシマだ、暴れさせていた俺にも責任はある」
黒妻「フッ……そうか」
二人はビックスパイダー隠れ家に入った。
そこにはリーゼントの男と何人かの残党が居た。
黒妻(偽)「お前…生きていたのか…」
リーダーらしき人物だった。
黒妻「蛇谷……」
上条「知り合い…?」
黒妻「ああ…蛇谷なんて馬鹿な事を…」
蛇谷「ちっ…説教は懲り懲りだぁ…野郎どもやっちまえ!!」
蛇谷とその周辺は襲ってきた。何人か拳銃を持っていた。
上条はとりあえず拳銃を持った奴を手当たり次第撃った。
男達は壁としてくるため、点である上条には絶好の標的であった。
また二人と手下が至近距離であるためフレンドファイアを警戒するあまり、拳銃持ちのスキルアウトも
上条の正確な銃弾が男達を次々に倒していく。
「あぎゃ」
「うぎゃあああああ」
上条(たぶん…殺してないと思う…)
一人銃弾の雨をくぐり抜けて、上条に短髪の男が近づいた。
「このぉー」
上条「!?」
その間に間を詰めて来たスキルアウトに対して、カウンターの要領で右手をお見舞いした。
黒妻「ほぅ、やるなー」
黒妻は銃弾の驚異が無くなると、近くにいる順から蹴りや正拳をお見舞いした。一人一撃ずつ無駄なく倒して、相手が反撃を与える前に鎮圧していった。
そして雑魚は倒されて、ついに二人は蛇谷一人にした。
二人は蛇谷に詰め寄る。
蛇谷「く、来るなぁ!!!!」
黒妻「蛇谷…なんであんな事しちまったんだ……あれじゃ俺達の居場所が無くなっちまう…だろ」
黒妻「どうしちまった…?」
蛇谷「し、しょうがなかった…しょうがなかったんだよ…」
蛇谷「俺達の居場所はここしかねぇ…」
蛇谷「ビックスパイダーをまとめるには俺が黒妻じゃなかったら駄目だったんだ!!!」
蛇谷は隠し持ったナイフを黒妻に突こうとした。
バキッ
重そうな音が鳴る。
黒妻の右ストレートが蛇谷の顔に食い込んだ。
黒妻「蛇谷……居場所っていうのは自分が自分で居られる所を言うんだよ…」
黒妻の言う事を聞いたか聞かないか、仰向けになり動かなくなった。
黒妻と蛇谷の戦いは黒妻が勝利した 。
黒妻「上条ありがとうな、俺一人じゃまずかった!」
上条「いやー何のなんの」
黒妻「こいつらのせいで何かあったら…悪い」
上条「気にするな、俺らにも責任はある」
ファンファン
高音が鳴り響く。
上条は世界で一番嫌悪する音が耳に届いた。
上条「!?」
黒妻「上条、逃げた方がいい」
上条「何?」
黒妻「俺がこいつらと罪を償うため警備員を呼んだんだ」
上条「え!?」
黒妻「早く!」
上条「え~くそ!!」
上条は急いで壁を上り、早々に現場を立ち去る。
黒妻「ありがとな~」
黒妻は上条を見送るとこう思った。
黒妻「スキルアウトがどうなるか…は、上条にかかっているだろうな…」
上条「くそー!!車押収されていたー!!家まで走って、帰るのかよ!不幸だぁー!!!」