制限時間:30分
微妙に未完。終わり方を考える前に時間が来てしまった。
呼び出された場所には、彼と彼女がいた。彼女はどこか申し訳なさそうな顔でこちらを見ていて、その哀れむような視線が私をイラつかせる。彼は彼で何も感じていないだろう仏頂面で、それもまた私をムカつかせる。
「……で、何の用なの?」
私は不機嫌を隠さない声でそう言う。少しドスがきいていたのか、彼女は怯えるように彼に近寄る。それだけでも私の神経は逆撫でされる。ああ、ムカつく。
「……分かってるだろ。この間の事は――」
「その話は止めて」
私は彼が言い終わらないうちにその言葉を遮る。このまま言わせてもいい事はない。それを言わせれば今は崖っぷちギリギリで堪えている私の理性は吹っ飛ぶかもしれない。
「でも、私たちは謝ろうと思って……」
「私言ったよね、これ以上関わらないでって。それなのにこれは何なの?私をどこまで馬鹿にすれば気が済むの?」
まずい。自我を失いそうだ。彼と彼女が仲睦まじくしているだけで自殺したくなるくらいに不機嫌なのに、その彼女が私を見て謝るとか言い出すのだ。殴り倒しても足りないだろう。
「馬鹿にしているつもりはない。ただ、誠意を……曲がりなりにも傷付けてしまったお前への贖罪。そういうことなんだ」
彼は相変わらず、人を人とも思わないような目でもってそう言う。ふざけないでほしいものだ。
「ふざけないで!あんたもあんたも、私を馬鹿にして!お前らは私のことなんてカスみたいにしか思ってないだろうけど、私の世界はこの学校だけなのよ!」
ここまで言ったらもう戻れない。頭の中の血液が軒並み沸騰したかのような興奮でもって、私は彼と彼女にまくし立てる。
「そんな、カスみたいだなんて……」
「その見下すような目!無意識でやっているのか知らないけど、私には屈辱でしかないのよ!あんたも、私を人とも思っていないようなその目で見るのをやめて!」
私は衝動的に、その場を飛び出した。これ以上あの場にいる勇気は私に無かった。
彼は私を捨てたのだ。彼と私とあの彼女は、元々同じグループにいる親友だった。だけど、彼はいつも一人だった。何人で群れていても、彼はつねに一人だった。そんな彼に惚れこんで、私は彼に告白した。
けれど、彼は私の気持ちを受け取らなかった。そのくせして、彼は彼女のことをやたらと贔屓するのだ。後々聞いてみれば、彼は彼女の気持ちを受け入れたとか言い出す。ふざけているのか。私のことを振ったときには誰とも共に行く気はないと言ったくせに。