即興短編集   作:遠名 彬

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お題:うわ…私の年収、幻想/怪しいバラン
制限時間:一時間/一時間
必須事項:100字以内/なし

昨日の分も合わせて。一昨日のは活動報告。


非情な年収/見知らぬゴミ

他人の給料明細は見るな。いままでの自分の年収への信頼が幻想であると思い知らされるからだ。敗北感を噛み締めながら、私は紙を机に戻した。彼は私より、ずっと馬鹿だった筈なのに。突きつけられた現実は、非情だ。

 

――――――

 

ゴミ袋を漁っていた私の目に、鮮やかな緑色のプラスチック片が映った。それは明らかに周りのシロモノとは違っていて、ものすごい違和感として私の中に引っ掛かりを覚えさせた。

 

マンションの備え付けのゴミ捨て場……そこに私はいた。だからといって別にここに住んでいる愛しの彼のストーカーな訳ではない。私がゴミを漁っているのには理由があるのだ。何も疚しくない理由が。

私はこのマンションに住んでいる。なので当然生活ゴミを出すときはここに捨てるし、他の人だってそうである。カラスよけのネットは年季モノであり、ブロックに張り付けられた分担表は日焼けて見づらい。

ある日……と言っても昨日の事だが。私はとんでもないやらかしをかました。それに気付いたのは今日の朝だ。いつものように朝を迎えた私は、その日にこなすべき用件を確認する為に、昨日上司から受け取ったUSBメモリーを閲覧しようと思った。

そう、思ったのだ。

探せど探せど見つからない。幸い今日は出社する日ではなかったのが幸いした。顔を洗って思い出す。必死に記憶の糸を辿った私は、とんでもない可能性に思い至った。

昨日の夜、私は疲れきって、仕事の鞄をその辺に放り投げた。寝る前に、その中から明日やるべき事を取り出して、水を飲んで、いらないゴミを出して……寝た。

ゴミを出す前に、明日の用意をしたのだ。

まさか……。その考えに至った私は、化粧もせずに大急ぎで部屋を飛び出した。

 

なんとか収集車が来る前にゴミ捨て場に辿り着いた私は、数多いゴミ袋の中から自分の家のものを探し出した。可燃ゴミの中からUSBを探し出す作業は、数十分にも及んだ。そうして、私は怪しいバランを発見したのだった。

 

私はパック寿司など食べた覚えはない。もちろん使い道も無いのにバランだけ買ってくるような変質者でもない。今はゴミを漁っている変質者紛いではあるが……。それは置いておいて。

USBはこれを見つけたすぐ後に見つかった。なのでもう漁る必要はないのであるが……、袋の結構奥のほうにしれっと混じっていたバランは、どうしても引っかかる。

まさか記憶に無いうちにパック食品を食べていたわけでもないだろうし。しばらく考えてみるものの、理由は出てこなかった。

 

まあ、いいか。私は考えるのをやめた。後ろからゴミ収集車のエンジン音が聞こえてきたので、大人しくゴミ捨て場を離れた。たいした事は起きないだろう。そう、切り捨てた。





100字以内とか何の冗談だよ。お題を出されたときは呆れてました。
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