見たくない人は見ないで下さい
「オレンジしかねぇけど、許してくれ…」
「いえいえ!大丈夫です」
花陽は、2人の所に行き
どうしてもあの時の反応が気になり
聞こうとにこ先輩の家に居ます
「あの…にこ先輩、家族のみなさんは?」
「あぁ、弟はお袋と旅行で、妹達は友達の家でお泊り会だ」
「そうなんですか…」
花陽の質問に答えたあと
にこ先輩はコーヒーを飲み
話し始めました
「さて…正直、この話は希の前であんまりしたくねぇ」
「けど、希はしても構わないと言ってくれたから話す、あんまり気持ち良い話じゃねぇから覚悟しとけよ?」
にこ先輩は花陽の事をじっと見て
確認してきました
花陽は黙って首を縦に振りました
~二年前~
あれは、二年前
俺が一年生の時、初めてのクラスの横の席に希が居た
「矢澤くんだっけ?よろしくね」
「あぁ…よろしくな、東條さん」
俺らの年から音ノ木坂学院は女子校から
共学に変わって
男子はそりゃ少なかった
ちょっと居ずらかったな、正直
そんな数少ない、男子達はそりゃモテた
しかし、男子の中でも
人気があった女子が居た
それが希だ、希は明るい性格で
こんなスタイルだ食いつく男子はたくさん居た
それを良かれと思わない女子の先輩たちが居た
希はいじめを受けた
けどその時の俺はスクールアイドルをやっていて
楽しかった、今思えばもっと早く希の事を気付いてやっていたらと思った
事件は一年生の初めての文化祭に起きた
~文化祭1日目~
「おーい、希!」
「にこっち…」
「なんだ、絢瀬と一緒か」
「今日の午後から俺らのライブやるからよ、良かったら見てくれよ」
「う、うん…見るね」
「よっしゃ、じゃあまたな」
「……っ」
この時に俺は気づいてやるべきだった
でなきゃ、あんな事にはならなかったはずだ
ライブが終わった
あと、俺は体育館裏に居た
別にサボってる訳では無い
その時、体育館の倉庫が少し空いていて
気になって入ってみたら
「………」
「の……希?」
服が脱がされて
ボロボロの希が倒れていた
そこに複数の他校生が居た
そのあとの記憶が無い
気付いたら、顔が酷くボコボコにされた他校生が居た
「希!?、おいっ…希大丈夫か!!」
「い、いやっ!!」
希に近付こうとしたら
希が俺を見て酷く怯えていた
身体を震わせていた
「希……」
「これは……君が招いた、末路だよ矢澤くん」
「はぁ…?絢瀬、何言って」
「君は知ってるのか?東條さんが先輩達からいじめを受けていた事を…」
「えっ……あいつそんな事一言も」
「それはそうだ…東條さんは君には相談しなかった、何故だかわかるか?」
【ほんとはにこっちにしたかったけど…今のにこっち凄く楽しそうやし、ウチの事でそれを邪魔したくないんよ…】
「っ……君がスクールアイドルなんてやっているから、君が東條さんの事を気付いてなかったから……」
「東條さんは君に気付いてほしかった!!君に解決して欲しかったのに……なんでだ!!!!なんで君なんだよ!」
その時の俺は
返す言葉がなかった
よく思い返せば、元気のない希の方が多かった
その時に自分の馬鹿さ加減に腹が立った
「君には……お前には希を守れない」
「僕が希を守る、僕は絶対にお前を許さないからな……矢澤にこ」
ゆっくりと希を女子生徒に運ばせる絢瀬の背中を見て
俺は泣いた
そして、今までの自分が嫌いになった
そして、俺はスクールアイドルをやめた……