ちょっと本編から離れて
少し前に戻ります
誕生日おめでとう!!真姫ちゃん
西木野真姫…
俺は自分の名前が嫌いだ
その名前を聞いただけで、俺を俺として
見てくれる人が少なくなるからだ
西木野病院の跡取り息子
お金持ちの息子
と、他の奴らは俺の事をそうとしか見てはいないだろう
学校の女子なんか
俺ではなく、西木野病院のお金が目当てだと
はっきりわかる
そんなのがいやで、俺は誰とも仲良くしなかった
所詮、西木野病院の跡取り息子だからだ
西木野真姫としての俺は
誰も見てくれない
「あの……これ落ちたよ?」
高校生になって
俺は、誰とも仲良くしないでおこうと思っていた
でも、あいつは違った
小泉花陽…
隣の席の少し目立たない女の子
花陽は俺を跡取り息子としてではなく
西木野真姫として見てくれた
嬉しかった…花陽は俺にとって
初めての友達だ
「真姫くんは、誕生日いつなの?」
ある日の放課後
俺は花陽と一緒に音楽室に居て
ピアノの椅子に座っている
俺を見て、花陽は聞いてきた
「俺?、明日だけど…」
「そっか~明日か………えっ!??明日なの」
「あ、あぁ」
4月19日は俺の誕生日
季節的に、クラス変えや新しい学校に馴染め初め
ぐらいのタイミング
ほとんど、祝ってはくれない
「そっか…ちなみに、真姫くんは欲しい物とかある?」
「欲しい物か……あんまりないな」
「はは、そっか」
花陽は欲しい物は無いかと聞かれて
なんでだろうと思いながら
別に何もなかったので無いと答えた
そろそろ帰らないとダメだな
俺は音楽室にある時計を見て
立ち上がる
「そろそろ帰る時間だし、帰るか…」
「あっ、うん…そうだね」
花陽と一緒に音楽室を出て
花陽は用事があるらしく
学校で俺達は別れて
帰った
「かよちん、なんか凄く大きい袋だね」
「あっ、うん…ちょっとね」
翌日、俺の隣で
花陽と凛が話していた
何やら、花陽が大きな袋を持ってきたらしい
確かにデカイな
「ねぇねぇ、真姫くんはなんだと思う?」
「さぁな?誰かにあげる奴とかか?」
「っ!??」
凛ちゃんが俺に聞いてきて
なんとなく答えたら
花陽がビクッとしていた
えっ?マジなのか…
「…………」
放課後
俺は今日が誕生日だとクラスの女子から聞いた
凛が俺に猫耳をプレゼントしてきた奴を頭に付けて
花陽のあの反応を考えていた
あの反応は間違いなく誰かにあげる反応だ
誰だ?誰にあげるんだ?
花陽は確かに目立たないが
男子には密かな人気がある
花陽を狙っている奴はたくさん居る
しかし誰にあげるんだ
「ま、真姫くん?どうしたの、その猫耳」
そんな事を考えていた
音楽室に入ってきた
花陽がびっくりした表情をしていた
「あぁ、これは凛の奴にプレゼントされてな…」
「はは、凛ちゃんらしいね」
プレゼントした相手を知って
花陽は笑っていた
「その大きな袋…誰かに渡すのか?」
「えっ?」
花陽の後ろに見える大きな袋
俺は気になって聞いてみた
「うん、渡すんだ…花陽の大切な人に」
「そ、そっか…」
花陽の大切な人か
彼氏なのかな…なんでなんだろうな
凄く胸が苦しい
今からここから逃げたくなった
「花陽の大切な友達の真姫くんに渡すプレゼント……」
「誕生日おめでと、真姫くん」
花陽は少し恥ずかしそうに
袋を渡してきた
えっ?俺に
俺はびっくりしたまま、袋を貰った
「あ、開けていいか?」
「うん!」
俺は袋を開けて
プレゼントを見た
そこにはイラストと可愛らしい
ぬいぐるみが入っていた
「花陽、絵を描くのが好きだから真姫くんと凛ちゃんと花陽描いてみたんだ、そのぬいぐるみは真姫くんに似ていたから買ったんだ」
嬉しかった…
花陽からのプレゼント
「ありがとな……大切にする」
「うん!」
大切な友人からのプレゼント
今でも俺は
大切に飾っている
まぁ、恥ずかしいから言わないがな
ありがと、凛
そして花陽