東方暇神録   作:大神 龍

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第十話

「――――戦おうか」

 

――――言葉と共に弾幕が放たれる。

 

「おぉ。珍しい。弾幕ごっこだよこいしちゃん!!」

 

「いや、清花がやってないだけだからね!?」

 

 言いながら清花はこいしをしっかりと抱え、飛んで逃げる。

 

 弾幕ごっこ。この世界において、よく行われる戦い。異変などではたまに面倒くさがって弾幕を放たないで蹴り飛ばす巫女がいるが、基本的に異変の時すら使われるルールである。清花の場合、面倒以外の理由で使わないのだが――――

 

「ふっふっふ~!じゃあ久しぶりに頑張っちゃうぞ~!」

 

 清花がどこからか取り出した札を掲げ、宣言しようとしたとき――――

 

 

「感情『悲しみの雨』」

 

 

 降り注ぐ中くらいの弾幕。

 

「おぉぅ。宣言前に宣言されちった。どーしよっかなぁ…まぁ、宣言しちゃえばいいか」

 

 降り注ぐ弾幕を、こいしに絶対当てないようにしながらひらひらと避ける。

 

 と、そこで横から迫ってくる小さな弾幕に気付いた。

 

 それは、少年に当たった弾幕が水しぶきの様に弾けているようだった。

 

「おぉ~。面白い表現ね。まぁ、さっきの名前からしてこの上から降ってくる弾幕は悲しみを表現してるのかな?」

 

「まぁ、分かるよね~」

 

「んじゃあ反撃と行きましょうか。騒符『世界を超える笑い声』」

 

 宣言と同時、清花を中心に黄色の弾幕が全方位に放たれる。

 

「あっははははは!!楽しんでいくわよぉ!」

 

「うわぁ。危ないな~…」

 

 真也がそう言って反撃の様に弾幕量を増やすと――――

 

 

 

「弾けるよぉ~!!ドーン!!」

 

 

 

 掛け声と共に、下から突き抜ける様な弾幕。そして、その弾幕は高く上がると、爆発したように全方位に広がりながら落ちてくる。

 

「ひゃっほーーぅ!!!」

 

「きゃあああぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 満面の笑みで叫ぶ清花と、半泣きになりながら振り回されるこいし。

 

 直後、三人を囲むように赤い弾幕の群れが扇状になって内側に迫ってくる。

 

「っ!!」

 

 真也が背後から迫ってきた弾幕を避け――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――追尾してきた青い弾幕に衝突する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その弾幕の威力は想像以上に強く、数秒その場に留まるには十分な威力だった。

 

「いよっし!捕獲~♪」

 

 いつの間にか背後に回っていた清花に少年は抱きしめられ、それと同時にすべての弾幕が消える。

 

「ふっふっふ~…今回は死人ゼロね」

 

「ちょっと待って。いつも弾幕ごっこで人殺してるの…?」

 

「……ちょっとだけね」

 

「怪しい!!もしかしてこの人も殺すところだったんじゃないの!?」

 

「だってぇ~……弾幕って手加減効かないのよぅ。弱すぎると形保てないし、普通に出したら相手に穴開くし」

 

「中間は出来ないの!?」

 

「それが出来たら苦労ないわよぅ」

 

 ブーブ―と文句を言いながら地面に着地する清花。

 

「よ~し♪とりあえず捕獲完了したからしばらく離さないからね☆」

 

「え、えぇ~……僕も~…?」

 

 少年は嫌そうな顔をするが、無視だ。

 

「ふっふ~ん♪お菓子持ってお茶会だ~♪」

 

「いやぁぁぁ!!こんな状態で行きたくないぃぃぃ!!!」

 

「もう~…諦めよ~……」

 

 必死に逃げようとするこいしと、もう諦めた少年。そうして、二人は連れ去られた。

 

 

 * * *

 

 

「ってことで自己紹介からしましょうか?」

 

「なんで私が…」

 

「なんで僕が…」

 

 現在いる所は、水中。霧の湖の中だ。だが、そこにあるのは館。紅魔館並みに豪華な白い館だった、

 

「じゃあ、私からいくよ~♪天川清花。年齢忘れた!よろしくね!」

 

「……古明地こいし。年齢黙秘。よろしく」

 

全無(ぜんむ)真也(しんや)だよ。年齢はノリで秘密。よろしく~」

 

 あまり楽しいお茶会にはなりそうにない。というか、こいし的にはもう帰りたかった。

 

 だが、彼女は現在、真也と共に清花の膝の上に乗せられている。一体どうやって彼女が二人を乗せているか。それは触れたら死んでしまうので、皆は聞かれても目を逸らすしかないのだった。

 

「それで、このお茶会はなんで始めたの…?」

 

「お菓子食べたかったのと、真也君とこいしちゃんについて語る為よ!」

 

「随分と勝手だね!?」

 

 本人を前にしてはっきりとそう言える清花は、実はかなり大物なのではないだろうか。いや、事実大物なのだが。

 

「ほら~、むにむに~、むにむに~♪」

 

「ぷにぷに~、ぷにぷに~♪」

 

「ちょ、やめ、やめてぇぇぇ!?」

 

 両方の頬をつつかれ、引っ張られてわたわたと慌てるこいし。

 

「ふふふ~♪こいしはいつもかわいいなぁ♪」

 

「ほんとにね~♪」

 

 ほんわかな雰囲気。そう、そうだった。そのはずだった。しかし、

 

「……私の方が可愛いと思ってるし」

 

「……僕の方がかわいいと思ってるよ~…?」

 

 バチバチバチッ!と、火花が散っているのを感じるこいし。なんでこんなことになっているのか、彼女自身には分からない。

 

「……なら、第二回戦を始めましょうか…?」

 

「……望むところだよ~……?」

 

 真也は解放され、立ち上がると距離をとる。

 

「こいしは動いちゃだめよ?でないと……ふふふ♪」

 

 こいしを、自分の座ってた椅子に座らせながら満面の笑みで言う清花。

 

「とっても不安なんだけど…!?」

 

「まぁ、そこに居れば問題ないからね?」

 

「は、はい……」

 

 とても意味深な笑顔に凍りつき、こいしはその場を動けなくなる。

 

「さて、じゃあ行くよ~?」

 

 清花は元気よく札を掲げ――――




ってことで、東方無集禄より真也君ですね。真也君は住民権取得済みなんで今回の話が終わってもたびたび登場しますよ。

あ、紹介してませんが、数話前の左右君もです。言うのが遅くなってしまい申し訳ありません<(_ _)>



 今回はアンケは無いです。

 真也君の登場はノリと勢いでこうなりましたが、今回みたいにこんな設定で登場させたいというのがありましたらどうぞ『暇神禄の諸々』まで。もちろん現在もキャラ、ネタ、コラボ、武器。募集しております。気軽にどうぞヾ(≧▽≦)ノ

 来年の夏休みで大騒ぎしようと計画中!こんなイベントどうよ!!というのがありましたら清花の夏休み計画(仮名)『暇神禄ネタ募集』まで!ヾ(≧▽≦)ノ
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