妖夢が白玉楼に帰る途中、長い階段の途中で倒れてる人を見つける。
近づいてみると、どうやら少年のようだ。
「始めてみる人…また清花さんが原因ですか?」
その清花は湖の下で第二次こいし争奪戦を始めているのだが、そもそも外から人を連れてくるのは大体清花だ。困ったときは清花のせいにしろ。と幻想郷の
「清花さん…いつも人を落としていかないでくださいって言ってるのに…下級妖怪に襲われて想定外の強さに死んじゃう人が続出してるんですよ?閻魔様も怒ってましたし」
それは別の事が原因なのだが、妖夢が知るよしもない。
「はぁ…仕方ない。連れていきましょうか。幽々子様は何て言うでしょうか……」
そう呟きつつ妖夢は倒れている少年を担ぎ――――
「――――何やってるんですか。モチエルさん…」
少し離れたところに知ってる神様が倒れてた。
* * *
ガツガツと出した料理を食べていくモチエル。その隣で、幽々子も負けじと食べていく。
その様子を見ている妖夢は、呆れてため息を吐く。
「で、モチエルさんはなんであんな所で倒れてたんですか?」
「むぐっ……そ、それは……クミュエルさんが疲れて寝てる隙に逃げ出したら、お腹空いて行き倒れ?」
「ちゃんと自分の事くらい理解しましょうよ」
ため息が絶えない妖夢。そろそろ料理が無くなりそうだ。
「料理、追加しましょうか?」
「えっと…「妖夢~!追加お願いね~!」……お願いします」
「ま、そうなりますよね。幽々子様が居ますし」
分かっていて、覚悟をしてはいたものの、さすがに塔の様にそびえたっていた料理がこうも簡単に食べられるだけでなく、足りないと言われるのは、どこか悔しく感じてしまう妖夢。
仕方なく、今度こそこの大食漢二人を打倒するために妖夢はフライパンを装備するのだった。
* * *
「うぅ……ここは…?」
「あ、起きたんですね…それは良かった。もし起きないで霊体になってたらどうしようかと…」
まぁ、脈はあったからたぶん大丈夫だろう。と思ってはいたが。
「えっと…助けてくださった…んですよね?」
「まぁ、そういう事になりますかね。階段で倒れてる所を見た時は驚きましたが」
「そうですか…その、ありがとうございます」
少年はお礼を言い、妖夢は少し頬をかきながら、聞く。
「そう言えば、なんで貴方は倒れていたんですか?」
「それは…確か、何かにぶつかって…それで…気付いたらここですね」
少年の言葉を聞いて瞬時に振り向く妖夢。それと同時に目を逸らすモチエル。
「…………モチエルさん?」
「…………なんでしょうか?」
「どういうことです?」
「わ、私は何も知らないわよ?」
「じゃあなんで目を逸らすんですか」
「え、そ、それは……」
「やっちゃったんですか?」
「………」
「やっちゃったんですね?」
「……はい、やっちゃいました。すいません」
深々と頭を下げるモチエル。
「いえ、よそ見してたこっちも悪いですし、お相子ってことで良いですよ」
「そうですか!?じゃあお言葉に甘えさせてもらいます!!」
「モチエルさんはもっと反省してください」
「あぅ」
パァッ!と明るくなったモチエルの頭を軽く叩く妖夢。頭を押さえ涙目で妖夢を見るが、妖夢はスルーする。
「まだ、名乗ってませんでしたね。私は魂魄妖夢。ここ、白玉楼の庭師です。そして、この人はモチエルさん。この幻想郷にいる神様の一人です。今日は逃走中だそうで、ここに寄ってるそうなので、後で元の場所に戻して来るので覚えなくても問題ありません」
「妖夢さん!?私の説明ひどくないですか!?」
「そして、向こうで食事を続けているのが、ここ、白玉楼の主、西行寺幽々子様です」
「よろしくね~」
幽々子があいさつをしている間、隣でモチエルがなに!?私嫌われてるの!?とか叫んでるような気がするが、気にしたら負けである。
「中々凄い人ばかりのような…?」
「これでもこの幻想郷の中の下くらいの力しかないんですけどね…」
「そうなんですか…あ、僕の名前は
「こちらこそよろしくお願いします」
そうして、二人は手を取り合う。
「さて、えっと、夜桜さん?」
「俊で大丈夫です」
「そうですか。じゃあ、俊さん。貴方は自宅ってあります?」
「え…?……あれ?そう言えば、何処に住んでたんだっけ…」
「ふむ。やっぱり清花さんのせいですね。いつもいつも止めてって言ってるのに…」
なにやらどす黒い何かが妖夢を包む。
「まぁ、それなら行く宛もありませんよね…じゃあ、ここに住みます?」
「え?いいんですか?」
「大丈夫です。そもそもここには私と幽々子様しか住んでいませんし、一人増えたら私としてもいくつか仕事を任せられるので楽になります。貴方は衣食住が手に入る。私は手伝ってくれる人が増える。正に一石二鳥です」
「妖夢~?私の許可は~?」
「幽々子様は黙っててください」
「反抗期!?」
まさかそんな事を言われるとは思わなかったのだろう。明らかにショックを受けている。
「どうします?ここに住む代わりに働くか、高確率で死ぬ外に行って自分で家を探すか。好きな方で構いませんよ」
「えっと、ここに住むのでお願いします」
ほとんど脅迫に近かったような気がする。
「じゃあ、よろしくお願いします」
妖夢は笑顔でそう言うのだった。