「よし。最近出番の無い清花を誘ってあげよう。散歩行くぜ」
「いや、出番あるからね!?」
いつの間にか隣にいた清花。龍はそれに気付くと、
「いつからそこに!?」
「最初ッからいたじゃん!っていうか、龍がゲームしようって言ったんじゃん!」
「よし、じゃあ行こうか」
「スルーはひどい!」
プンプン!と言って、怒っているとアピールする清花。わざわざ口で言うところが彼女らしいと言えるかもしれない。
「というか、その子達、どこで拾ったの?」
「妖怪の山」
清花の言うその子達とは、赤髪の少女――――『レイヴン』と、青白い髪とケモ耳ケモ尻尾の少女――――『フェンリル』の二人のことだ。
「いいな~…私も欲しいな~…」
「お前もいるだろ。今抱えてる子とか」
灰色の髪に、白と黒の部分が反転した目を持つ少女――――『ペスト』を見ながら、龍は言う。
「まぁ、確かにいるけどね。でも、モフりたい、あの尻尾…!」
「自分の家の子にしなさい。俺の家の子には被害は出させないぜ」
「ぷぅ。仕方ないわね。帰ったらモフることにするわ」
「おぅ。そうしてくれ」
龍はそう言って歩き始める。
「ねぇ龍?妖怪の山行きましょ?良いでしょ?」
「良いけど……何かあるのか?」
「新しい子がいると信じて!」
「お前がいつも連れてくるんだろうが」
「まぁね」
そんな話をしてると、レイヴンが、
「龍。隣のそいつと戦ってもいいか?」
「清花と…?」
「よし、じゃあやろうか」
「……いいんじゃないか?フェンリルは?」
「戦う」
「よし、オーケー。俺は逃げさせてもらうぜ」
「貴方はペストと一緒にそこに座ってなさい」
「えぇ…」
言われて、仕方なく龍は木陰に行って座る。
「……私も復讐するよ?」
「おぉ、三対一かぁ。いいね。どんどん来なよ」
「じゃ、行くよ」
そう言って、三人は清花に向かっていった。
* * *
四人の様子をぼんやりと見ていると、
「あの~…すいません」
「ん?」
声をかけられ、振り向くと、そこには髪も目の色も真っ青な少年がいた。
「迷子か?」
「あぁ、そうなんですよ。今結構困ってて……」
「なるほど。じゃあ、とりあえずここに座って上を見て落ち着きなさいな。あれが終わったら村まで行くから」
「は、はぁ…ありがとうございます?」
「いいのいいの。たぶんあの人も迷子だし」
龍の視線の先には、学生服を着崩している少年がいた。
少年は、龍達を見つけると、近付いてきて、
「あの、博麗神社に行くにはどうすれば良いか分かりますか?」
「な?迷子だろ?」
「本当ですね」
龍のドヤ顔に、苦笑いで青色の少年は答えた。
* * *
「えっと、青色が青龍。学生服が音無仁。合ってるか?」
「合ってますけど……青色って……」
「学生服かぁ…そう呼ばれたのは初かもしれない」
「ほぼ確実に言わないだろ」
「「龍は呼んだけどね!?」」
軽く自己紹介をして、最初に会った、青色の少年は『
「いやぁ、迷子多いね。でも良かったな、この先に進む前に俺と会って」
「それは、どういう意味?」
「だって、この先は太陽の畑だぜ?レーザーで焼き切られるぞ」
「怖い!怖いですそこ!なんでそんな危険地帯が!?」
「本性は子供と植物好きのいい人なんだけどな……まぁなんだ。楽しんでいこうぜ。幻想郷へようこそ」
「今それを言うのかぁ……」
「いつ言っても大丈夫だろ。瀕死の奴にドヤ顔で言うのはアイツくらいだし」
上を見て、清花を指差しながら龍は言う。
「瀕死の人にドヤ顔でって……」
「まぁ、その後傷を回復した上に体力まで回復させてくれるからいいんじゃないか?」
「で、瀕死に追い込んだのは?」
「アイツだな」
「ダメじゃないですか!!」
青龍の突っ込みが走る。
「安心しろって。アイツが倒すのは、攻撃してくるやつと無差別に人を襲うやつだけだから」
「それなら…安心ですね。いい人そうです」
「えぇ~…いい人……かなぁ…ちょっと俺には分からん」
「だって人助けをするんでしょう?いい人じゃないですか」
「お、おぅ……そう、だな。うん、そうだよきっと。信じよう」
「……龍が何を思ってそう言ってるのかが分かんないな……なんかあったのか?」
「ん~…たぶんお前達がここにいるのはあいつのせいだぞ?」
「マジで!?」
「あれで神様だし。しかも創造神。アイツ曰く、『全知全能の神も私が作った!』らしいぞ」
「すごい大物じゃんか……なんでこんなところにいるんだよ」
「創造神って言うくらいだから、結構偉い人なんじゃないですか?」
「そうだけど…でもなぁ…アイツ、いつも遊んでるようにしか見えないし」
「もしかしたら、仕事が終わって暇なだけかもしれないじゃないですか!」
「そうかなぁ…」
「そうですよ!」
「…青龍。お前、やけにあの人の肩を持つな。もしかして…?」
仁に言われ、硬直する青龍。
「……青龍。今ならまだ引き返せるぞ。正直アイツについていくには尋常じゃないくらいの体力が必要だぞ?」
「べ、別に、なんでもないですから!何を言ってるのか分かんないですけど、大丈夫ですから!」
「そうか。それなら良いけどな」
「何々?何の話?」
突然響く声。三人が声の方向を見ると、レイヴン、フェンリル、ペストを抱えた清花がいた。
「あ~…何でもないぜ。世間話ってやつ?」
「迷子ですけどね」
「俺も迷子だ」
「む?って言うことは、山に行く前に里に届けるの?」
「あ、後でも大丈夫ですよ」
「青龍に同意。色々見て回りたいし」
「ってことらしい。最初に山行ってから里行って博麗神社だな」
「む?霊夢のところにも行くの?」
「仁の行き先がそこだからな。よし、行くか」
「「「おー!」」」
いつの間にか、人数がすごいことになっているが良しとしよう。
龍はそう思い、山に向かって歩き始めるのだった。
2016/06/18追記:誤字がありました!!reiraさん、指摘ありがとうございます!!<(_ _)>