東方暇神録   作:大神 龍

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第七話

「『亜空穴』!!」

 

 霊夢が札を投げると同時、少女の前に穴のようなものが出現し、その中に少女が入ると同時、龍の後ろに現れた穴から飛び出す。

 

「ったく。龍。拘束が解けるとか、そういうのはもっと早く言いなさいよ」

 

 穴から飛び出た少女に札を何枚が投げつけつつ、霊夢は文句を言う。

 

「ん~…まぁ、あれくらいなら何とかできるだろうなって思ったし。それに、気付いたの今さっきだし」

 

「龍は戦わないのか?」

 

 魔理沙が聞くと、龍は困ったような表情で、

 

「それは霊夢に聞いてくれ。俺は霊夢か紫、清花の三人のうちの誰かの許可取んないと戦えないんだ」

 

「…なんでそんな条件ついてるんだ?」

 

「さぁ?知らないよ。清花曰く『あなたが動いたら大体何とかなっちゃうでしょ』だそうで。全く。俺は雑魚だっつの」

 

「じゃあその自称雑魚さん。この二人を倒して見せてよ」

 

 霊夢は龍に向かって言う。

 

「了解。頑張ってみるよ」

 

 龍が霊夢の前に出て、黒髪の少女の前に立つ。

 

「行くぜ?『夢は現に。黒き炎は影より出でてその身を喰らう』!」

 

 龍が手をかざして言うと同時、少女の体に存在していた影から黒い炎が生まれる。

 

「ウガァァァ!!」

 

「『夢を現に。黒き炎は竜を生む。竜は我が(しもべ)なり』!」

 

 少女を包んでいた黒い炎は大きく揺らぎ、そのまま空へと昇っていくと、黒いドラゴンとなって降りてくる。

 

「『夢を現に。黒き竜の体はあらゆる攻撃を通さない』」

 

 下から現れた青白い髪の少女が竜に襲い掛かり――――

 

 

 

 

 

――――食われる。

 

 

 

 

 

「……うっそぉ…」

 

「食われたな。迫力だけ?」

 

「ち、違うし!い、今のは攻撃じゃなくて捕食だっただけだし!!むしろ丸呑みされただけだし!!攻撃じゃないからどうしようもないし!お、俺悪くないし!」

 

「いいから前」

 

 龍が振り返ると同時、黒髪の少女が襲い掛かる。

 

「『現を夢に。その攻撃に威力は無い』」

 

 瞬間、放たれた黒髪の少女の連撃は、龍をよろけさせることすらできない。

 

「『夢を現に。我が身に攻撃を振るうものは力を奪われる』」

 

 連撃を続ける少女は、龍を殴るたびに勢いが弱まっているように見える。

 

「『夢を現に。俺に能力は通じない』」

 

 背後から龍を飲み込もうとしていた青白い髪の少女は寸前で止められ、

 

「『夢を現に。蜘蛛の糸は体力を奪い、力を入れさせない』」

 

 瞬間、虚空に現れた真っ白な糸は、二人の少女を絡めとり、拘束する。

 

「……で、魔理沙。今のを見てどう思う?」

 

「…強いのか、弱いのか。でも、強いんだろうなぁ…」

 

「明らかに強いわよ。清花くらいじゃない?倒せるの」

 

「嘘だろ…?そんなに強いのか?」

 

「弾幕は全部消されるし、針は止められるし、札は効力を失うし。どうしようもないじゃない」

 

「…一度戦ってみようかな」

 

「そう?じゃあ、その時は呼んで。見てて上げるから」

 

 あっさりと許可する霊夢。むしろ乗り気のようにも見える。

 

「霊夢が見に来るなんて、珍しいな」

 

「それくらい興味あるのよ。龍の能力は」

 

「霊夢も知らないのか?」

 

「教えてくれないから仕方ないじゃない」

 

 霊夢がため息を吐くと、龍がやってきて、

 

「何々?何の話?」

 

「龍と魔理沙が戦うって話」

 

「おい霊夢。いつかってのが抜けてるぞ」

 

「帰ってすぐでいいでしょ?」

 

「準備させて!?」

 

 霊夢の言葉に速攻突っ込む魔理沙。

 

「そうだぞ霊夢。俺だって疲れたんだ。もう大丈夫っぽいなら守矢神社行くぞ?」

 

「…あれ?遊びに行くのよね?」

 

「あったりまえだろ。リアルファイトは疲れるからゲームだゲーム!清花に頼んで新しいの手に入ったし、やってくる」

 

「……なんか、龍は悩みが無さそうでいいわ」

 

「霊夢も無いだろ」

 

 魔理沙の突っ込みに苦い顔をする霊夢。

 

「ま、それはそれでいいわ。で、そこの二人はどうするの?」

 

 霊夢が指さす先には、白い糸に拘束されている二人の少女。

 

「ん~…まぁ、持ち帰るよ。清花の家にはもう人は入れないだろ?」

 

「さっき一人増やしてたしね」

 

「……クミュエル、お前本末転倒じゃねぇか」

 

 龍はため息を吐く。自分のストレスをぶちまけるために異変を起こし、その異変でストレスの原因を増やすという、随分自業自得の負のサイクルである。

 

「ったく。すでにいる人を使って異変起こせばいいのに」

 

「全くよね。そうすれば簡単に対処できるのに」

 

「…だから毎回違う人物なんじゃ?」

 

 現実にたどり着いてしまった龍。簡単に終わるならストレス発散にならない。

 

「……まぁ、その、なんだ。霊夢と魔理沙。頑張れよ」

 

「えぇ、さっさと終わらせて帰って寝るわ」

 

「霊夢はもう少し異変解決に頑張ってみても良いと思うんだぜ」

 

「いやよ。面倒だし」

 

 霊夢は言い切ると、どこかへ飛んで行ってしまう。

 

「お、おい!おいてくなよ!」

 

「じゃあな~。魔理沙、頑張れよ~」

 

 そのまま魔理沙も霊夢を追って飛んでいき、それを龍が見送る。

 

「さってと。少女二人を土産に守矢神社行ったらどうなるかな。まぁ、殺されるまではいかないと思うからいいか」

 

 龍はそう言って少女を抱えると、守矢神社へ向かって飛んでいくのだった。




 うん。お前少女連れてどこ行くの?神様に見つかったらやばいよ?


 活動報告で夏休みのネタ募集!計画発動は来年の夏ですが、よろしいのでしたらネタを下さい!よろしくお願いします!
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