幻物語   作:K66提督

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こうこうのおともだちと、そつぎょうりょこうでとうきょうにいってきました。
「はるのかんまつり」という、いべんとのためにあきはばらにいきました。
はじめて「ぶっぱん」というものにさんかして、ろくじかんならびました。
へとへとになったけど、たのしかったです。

3月22日39時40分、予告どうりに間に合ってほっとしてます!
…はい、すいません。全然間に合ってませんね。
昨日チェックしてくださった方や、楽しみにしてくださっている方がいらっしゃいましたら、ご期待にそえず申し訳ありません!(焼き土下座)
「やっとかよ、カスが…!」と罵りながらもみてくださるツンデレさんがいらっしゃいましたら、萌えハゲます!
それでは、やっとのことで完成した「幻物語 漆」!
お楽しみください!


幻物語 漆

026

 

 

一瞬。一瞬だった。赤の瞳が紅の弾幕を一瞥した。たったそれだけでレミィの弾幕は掻き消えた。

 

 

「『かかっ。』」

 

と、『僕』の顔をした『最強』が凄惨に笑う。

金髪赤眼、黒と赤のスーツを着て牙を光らせるその姿は、もはや『彼女』そのものだった。

 

「おかしいわね。あなたは力を失って幼女化したと暦に聞いていたのだけど。とりあえず久しぶりと言っておこうかしら、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード?」

 

「『ほう、レミリアか。かかっ、まぁ久しぶり、でいいじゃろうよ、儂らは怪異。見た目なんぞより魂が存在を証明してくれる。』」

 

一体、どうなっている?体が動かせない。自分の物じゃないみたいだ。

『僕』が『キスショット』になりきった結果、意識までキスショットになってしまったのだろうか。いや違う。『僕』の意識は『ここ』にちゃんとある。

 

「『しかし、奇妙な感じじゃのう。儂は従僕に屈辱的な扱いをうけて、吸血された。ここまでは覚えておるんじゃが、まさかその次に気が付いたら儂の姿が従僕になっているとはの。』」

 

『ここ』?『ここ』とはどこだ。『僕』はどこにいる。

 

「貴女がその男の姿になったというか、私が見た限りではその男の中身が貴女になったように思うけれどね。」

 

そも『僕』とは?『僕』とは…『僕』とは、誰だ。

 

「『相変わらず小難しい事を言う奴じゃのう貴様は。まぁじきに馴染むじゃろ。頭の中で騒いどる訳がわからんのもすぐ消えるじゃろうし。』」

 

『僕』、いや、『儂』の名は…『阿良々木』、違う?『キスショット――

 

「貴方は『阿良々木暦』で、そこは紛れもない、貴方の居場所ですよ。先輩。」

 

阿良々木、暦。『僕』の、名前…

 

「そうですよ、阿良々木先輩。いいからサボってないで早いとこ戻ってきちゃってください?」

 

「お、扇ちゃん…『ちっ、そういうことか、つまらん。』あれ、口が勝手に…?『ま、せいぜい頑張るんじゃな、我が従僕よ。儂は簡単には下らんぞ。』」

 

そう言い残した(?)『彼女』は、僕の意識の奥深くまで沈んでいった。

 

「あれ、姿がもとに…」

 

黒髪黒目、牙はもともとあるものとして、完全に阿良々木暦の姿に戻っている。

 

「扇ちゃん、これってどういう…」

 

事?と聞こうとした目線の先に既に彼女はいなかった。

まるではじめからそうだったように。

 

「暦」

 

僕がきょろきょろ扇ちゃんを探していると、レミィが僕に抱き着いてきた。

 

「レ、レミィ?どうしたんだ?」

 

「私の全力スペルが掻き消されたわけだし、負けは認めてあげる。そのかわり、今のスペルをもう二度と使わないと誓いなさい。さもなくば次は死ぬわ。」

 

「そんな、死ぬって…」

 

「誓って。お願い。」

 

「…わかった。誓うよ。紅色の吸血鬼に、金色の吸血鬼に、そして僕自身に誓って、あれはもう二度と使わない。」

 

「そう…ありがとう。」

 

「えっと、ところでレミィ、勝負のことなんだけど…」

 

「わかってるわ。誇り高き吸血鬼として約束は守る。貴方が妹に会うことを許可…」

 

「レミィ!!大変、外がヤバイことになってる!」

 

「パチェ?どうしたのよ。」

 

「あんたの妹が!フランドールが!屋敷で暴れてるのよ!!」

 

 

027

 

 

「いたっ!あそこだ!!」

 

「フラン!」

 

紅魔館南館2階。二人のロリ吸血鬼は死闘という名の遊戯を続けていた。

 

「キャハハハハ!こんなに楽しいのは何百年ぶりだろ!やっぱり弾幕ごっこなんかじゃ物足りない!全部!全部壊してやる!!」

 

柱の影で腰をぬかしていた妖精メイドに手を向け、握りしめる。

 

「くっ、馬鹿が!身内まで殺す気か!」

 

忍は体の一部分を蝙蝠に変化させ、メイドを守るように包み込む。

 

『想造・子う守り』

 

爆発はしたものの、メイドは蝙蝠でできた殻に囲まれ、無事なようだ。

 

「忍!」

 

「お、ようお前様。ご機嫌麗しゅう。」

 

「麗しくねぇよ、なんだよこれ!?あの子がレミィの妹なのか?」

 

「そう。そこで口を開けて突っ立っとるダメリアの妹、フランドール・スカーレットじゃ」

 

「フラン…?本当にフランなの…?どうしたのよ、その姿…」

 

まぶしいほどの金髪は黒く染まり、赤を基調としたドレスも青黒く、七色の羽は鈍く濁ってしまってしまい、真紅の瞳は深緑へと変化している。

 

「怪異としての性質が乱れとるんじゃ。今の『アレ』は怪異でも、ましてや生命でもない。定義的には『くらやみ』のそれに近い。」

 

「『くらやみ』…?」

 

「一つの説明不可能な『現象』。それが今の『アレ』じゃ。」

 

「ちょっと、怪異がなんとか、現象がなんとか、どういうことよ。あの子はどうしちゃったの?」

 

「怪異は観測されてこそ存在できる。大方地下にでも幽閉しておったんじゃろ、長い間他者に観測されなかった奴は存

在することすら危うくなるほど怪異性が薄まっていた。そこに儂らが来た。強すぎる妖力を放つ儂らを感知して、自分の存在を保とうと、怪異としての本能が暴走した。その結果がこれじゃ。」

 

「そんな…」

 

「制御できないような大きすぎる力はさっさと処分するべきなんじゃ。それをいつまでもいつまでも中途半端に押さえつけようとするからこういうことになる。」

 

「だ、だって…あの子を失いたくないから…私はあの子のためにも…」

 

「レミィ、それは違うよ。」

 

「え?」

 

「そりゃあ大きすぎる力を持つことは危険かもしれない。でもその場合、危ないのは力であってあの子じゃない。あの子だって僕やみんなみたいに毎日を楽しく笑って暮らすべきなんだ。」

 

「…暗くて寂しいのはもう嫌、戻りたくない。壊して殺して、自由になってやる。死んじゃえ。私を縛りつけるもの全て!!」

 

「フラン…」

 

「大丈夫。僕がなんとかしてやる。」

 

「でかい口を叩くもんじゃのうお前様よ。何か策でもあるのかの?」

 

「吸血鬼の最大の弱点は、存在そのものを吸い取られる同族からのエナジードレイン。多分それが使える。」

 

「ほう?ま、確かに暴走した力を落ち着かせるにはいいかもしれんの。しかしそれじゃと一歩間違えると消滅するぞ?奴はもともと存在が薄まったせいでこうなったんじゃから。」

 

「そこも大丈夫。なにも吸血するわけでもないから。」

 

そんなことしたら、僕の影にあの子を縛りつけかねない。

 

「吸血せずにエナジードレインじゃと?あの色ボケ猫でも使う気か?残念じゃがあんな低級怪異じゃ吸血鬼からエナジードレインすることなんて不可能じゃと思うぞ?」

 

「問題ないよ、…そろそろ始めよう。何だか時間もなさそうだ。」

 

「死んじゃえ、死んじゃえ、死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ!死んじゃえ!死んじゃえ!死死死死死死死死死シシシシシ!!!!」

 

「かかっ、辛そうじゃのう。我が主様が助けてくれるらしいから、まぁ期待して待っておれ。」

 

「忍。僕があの子に近づいたらさっきメイドちゃんに使ってたヤツで僕ごと閉じ込めてくれ、できるか?」

 

「本来は対象を守る怪異であってそんな攻撃性はないんじゃがのう。主様の言う事ならしょうがないの、なんとかしてやるわ。」

 

「暦…私にも手伝わせて頂戴。あの子は私の、私の大事な家族なの。このまま見てるだけじゃ、あの子に謝る権利だってない。」

 

「レミィ…わかった。じゃあレミィは僕があの子に近づくサポートをしてくれ。」

 

「わかったわ。」

 

「私もお手伝いさせていただきますわ。」

 

「咲夜!よかった。無事だったのね。」

 

「はい、妖精メイドや使用悪魔たちの避難をさせていたのですが、途中で美鈴と合流できたので後は彼女に任せてきました。忍様のお心遣いのお陰で負傷者、死者ともにゼロですわ。」

 

「「えっ!?」」

 

僕とレミィの声がハモった。

 

「なんじゃ、儂が数少ない良心を発揮して救助活動するのがそんなにいかんのか?なんなら今から奴と結託してここら一体灰塵と化そうか?ん?」

 

「やめてください。死んでしまいます。」

 

「それでは、参りましょうか。」

 

「はい。」

 

「ええ。」

 

「かかっ、なんか『ボス戦』って感じじゃのう。『儂らの戦いはこれからじゃ』、とでも叫んでおくか?」

 

お前が言うセリフは『もうちっとだけ続くんじゃ。』だろうよ。

 

 

028

 

 

『怪異譚・障り猫』

 

「ちょっと、暦!?」

 

「大丈夫、こいつは話のできないやつじゃない。」

 

「怪異の魂を自らの体に宿す術か…思いついても普通はやらん邪道じゃが…一体何処の誰からの入れ知恵かのう。」

 

僕の髪が白く染まり、猫の耳が生えてくる

 

「『ん…おいおい、ご主人が亡くなって俺の役目も終わりだと思って消えたのに、にゃんだって野郎の体に憑依してんだよ。』猫。ちょっとした緊急事態だ。わけは後で話すから、少し協力してくれ。」

 

「なんか猫耳つけて独り言言っとる変態にしか見えんのう。」

 

「暦さん。いろいろとギリギリですわ…」

 

「咲夜?鼻血出てるわよ?大丈夫?」

 

「『吸血鬼の真祖が野郎を合わせて四人、そのうち一人は暴走してやがんにゃ?確かにただ事じゃねぇにゃあ。てか怖過ぎんだろ、帰りたいんだが。』終わったら早々に帰ってもらって構わないから。頼むよ、猫。『ちっ、ご主人にもお前をよろしく言われちまってるからにゃあ、』羽川が…『あぁ、そうだよ。健気だろ?感謝しやがれよ。』」

 

感謝なんて…もうこれ以上しきれないくらいしてるさ。

 

「『にゃはは、まぁそうだろうよ。』」

 

「お前様、もういいかの?」

 

「『ああ、大丈夫だ、行こう。』」

 

「では、」

 

『幻世・ザ・ワールド』!!

 

「そして時は動き出す…」

 

「『えっ、え!?』」

 

何が起きたのか、僕とレミィは一瞬の間に妹ちゃんの前に移動した。

 

「『時を操る程度の能力』。時を止め、お二人をお連れしました。」

 

「ご苦労様、咲夜、危ないから下がっていなさい。」

 

「かしこまりました。失礼いたします。」

 

そういうと、今度は一瞬にして忍がいる所まで移動していた。

 

「じゃあ、暦。妹を頼んだわ。」

 

『神槍・スピア・ザ・グングニル(with暦ver.)』!!

 

「『ちょ、まっ、うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』」

 

「ナんだお前…!お前モ私をあノ暗い部屋に閉じ込メる気カ…!」

 

「『違うよ。僕と外に出よう。外に出ていろんな物を見て、家に帰って家族に話すんだ。きっと何よりも楽しいと思う

よ。』」

 

『想造・絞守』!!

 

忍が蝙蝠の殻で僕らを閉じ込める。

 

「猫、頼む。『にゃははは、吸血鬼の地位を使って俺様のエニャジードレインの力を強化したのか。百年以上生きただけあって少しは頭が回るようになったみたいだにゃあ、お前。』」

けあって少しは頭が回るようになったみたいだにゃあ、お前。』」

 

虎の威を借る狐のように、鬼の威を借りた猫が、恐ろしく、かわいそうな少女に触り、障る。

 

「『エナジードレイン』。」

 

「う、あ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

「『ごめん。辛いだろうけど、少しの間、我慢してくれ。』」

 

「や、めろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!放せ、放せ放せ放せええええええええええええええ!!!」

 

弾幕がゼロ距離で当たり、僕の身体を削っていく。しかしこの子の痛みに比べたら、なんてことないだろう。なにせ存在そのものを吸われているのだ。痛いなんて次元ではない。

 

「う、あ、嫌だよ……死にたくない……消えたくない……私も、みんなと……」

 

暴走した妖力を吸われ、徐々に落ち着いてきた少女は涙を流しながら、一時の眠りについた。

 

 

029

 

 

「それで?お前様よ。無事暴走は止められたわけじゃが、この後一体どうする気じゃ?一旦は落ち着いたとしてもまたいつ暴走するかわからんぞ?それほどこやつの力は不安定なんじゃ。」

 

「安定しないなら、安定させられるくらいまで力を減らせばいい。」

 

「減らすといってものう…」

 

「さっきの忍が使ってた蝙蝠。あれってどんな怪異譚をもった怪異なんだ?」

 

「怪異譚も何もさっき儂がスキルでつくった…?…ふむ、なるほどの。」

 

「そう、吸血鬼のスキルを使えば怪異だって生み出すことができる。」

 

『偽造』『怪異・睡鵬』

 

鵬、おおとり、中国に伝わる伝説の鳥。

 

鵬の形をしたこの怪異の性質は『水泡』。つまりは『水の泡』というやつである。

 

対象に眠る才能や底力を『水の泡』、すなわち台無しにしてしまう怪異。

 

「え、それじゃあフランはもう吸血鬼じゃいられないってこと…?」

 

「阿呆。何百年も語り継がれた怪異ならまだしも、今ここで生み出された怪異が吸血鬼相手にそんなことできるわけな

いじゃろうが。せいぜい一時的な半吸血鬼化が限界じゃろうよ。」

 

「あくまで一時的だから定期的に怪異を憑けなきゃいけないけど、これなら特に危なげなく生活できると思う。」

 

「う、うん…あれ、ここ…お部屋じゃない?なんで?あれ?」

 

「っ!フラン!」

 

「うわっ、お姉様?どうしたの?紅魔館ボロボロ…もしかして、私がやったの…?」

 

「そ、それは…」

 

「そうじゃ。貴様が自らの力を制御できなかったからこんなことになった。」

 

「お、おい忍…」

 

「言ったじゃろう。自分の力も制御できない奴はさっさと消えるべきなんじゃ。誰も傷つけたくないならな。」

 

そんな冷たいことを言う忍はどこか自分を責めているようにも見えた。

 

「そうだよね…ごめんなさい、お姉様。私お部屋に戻るね。」

 

「そんな。謝るのは私のほうなのよ、フラン。今まで一人にしてごめんなさい。もう二度とあなたを独りぼっちになんかしないわ。ごめんね、ごめんねフラン。」

 

「お姉様…。私だって、フランだってお姉様と、咲夜と、めーりんと、パチュリーと、紅魔館のみんなとずっと一緒に

 

いたいよ!でも、でもっ!フランがみんなと一緒にいたら、みんなが壊れちゃうから…死んじゃうのは、嫌だから…!」

 

「大丈夫。もう君は他人を、自分を傷つけたりしなくてもいいんだ。友達だって、これからいくらでも作って行けるよ。」

 

『怪異・水鵬』

 

僕の手の上にブクブクと生まれ出たその怪異は妹ちゃんの目の前でパチンと割れて、妹ちゃんの中に眠る、吸血鬼としての『悪意』や『凶暴性』、そして『夜の住人』としての呪縛までも『台無し』にした。ちょうど春休み以降の僕みたいな状態になった感じだろう。

ての『悪意』や『凶暴性』、そして『夜の住人』としての呪縛までも『台無し』にした。ちょうど春休み以降の僕みたいな状態になった感じだろう。

 

「じゃあちょっと僕にむけて手を握ってみて。なんか破裂させる能力みたいなヤツ。」

 

「え、でもそれだとお兄ちゃんが…」

 

「大丈夫だよ、やってみて。」

 

「殺すつもりで思いっきりやってやれ。」

 

ちょっと忍さん?

 

「え、じゃ、じゃあ…」

 

『きゅっ』

 

「えいっ」

 

『バチン!!』

 

「おわっ」

 

「ふむ、まぁ癇癪玉程度の爆発かの。音と光だけだったみたいじゃし。」

 

「あ、え、なんで?私…?」

 

「さっきの水の鳥、あれが君の『狂気』を一時的に無効化したんだ。これで君は自分の意志に反して他人を傷つけることがなくなったんだよ。」

とがなくなったんだよ。」

 

「そ、それじゃあ…!」

 

「ええ。もう地下室なんかにいなくてもいいのよ、これからはずっと一緒ね。」

 

「かかっ、主様のイメージが強かったみたいで吸血鬼の制約も無効化されとるからの、日光すら効かんじゃろうよ。」

 

「じゃあフランお外に出てもいいの!?」

 

「ふふっ、そうね。」

 

「迷子になると危険ですので私か美鈴がお供いたしますわ。」

 

「やったぁ!お兄ちゃん、ありがとう!」

 

よかった。ようやく、彼女の心からの笑顔を見られた気がした。

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