ISでアーマードライダーになるんだ 作:Professor灰猫
「またの御来店をお待ちしております……」
この言葉を放っているのは、愛想笑いなど出来ない戦極凌太朗だ。
彼は今、ファミレス[ラグナリア]でアルバイトとして店員をしている。
昨日の巨大インベス事件の次の日である。朝、束の目がやっと覚めて安心していた。彼女にはそのロックシードを使うなと言い、今日はゆっくり安めとも言っておいた。
束もここでアルバイトをしていた為、ここの店長には束がアルバイトを安むと言っておけた。
凌太朗は疑問に思ってしまった事がある。何故凌太朗と束がここのアルバイトなのだという事だ。
別に自分と束が一緒にアルバイトする分には悪くは無いと思っていた。だが、問題なのは自分達の性格である。
束は知り合い以外の人間にはほとんど興味が無いので、接客業等は合わない筈だ。
そして凌太朗も、他人との関わり合いが苦手────いわゆるちょっとしたコミュ障なのである。何故合わない職業を選んだのかと、この世界の前の自分は馬鹿なのかと思っていた。
「戦極くん……もうちょい笑顔じゃないと駄目だよ?」
「はぁ……てかなんで小学生が働いているんだ」
「小学生じゃないよ!もう20歳だよ!?」
「んなわけあるか……働いてないで小学校に行け」
「弄るんだね!?戦極くんも昔みたいに私を弄るんだね!?」
この小学生の様な身長を持つ、マスコットキャラクター的な女子────
その幼児体型(ただし胸はでかい)と接しやすい性格から、凌太朗と束から弄られていたらしいが、仲はいいようだ。勿論、凌太朗にそんな記憶は無いが。
「そう言えば……篠ノ之さん今日はどうしたの?」
「体調が悪いらしい」
「えっ……!あの風邪すらひかない篠ノ之さんが?」
あの束が体調不良なのは余りにも凄い事らしい。今回はリンゴロックシードの効力で倒れてしまった……などと言えるはずも無い。
「まぁ色々あってな」
「大丈夫なの!?篠ノ之さん!」
「あ、あぁ……今は俺の家で大人しくしている」
「えぇ!?戦極くんと篠ノ之さんって同居してるの?」
思わず口を滑らせてしまい、しまった……と凌太朗は頭を抱える。楠之木は興味津々に、凌太朗を質問攻めにする。
「どういう関係なの?どういう関係なの!?」
「いや……あのだな……」
「教えてよ!戦極くん!」
「おーい!戦極、島種!仕事しろ」
だが元ヤンキーの働かない女店長────
そしてその戻る途中に、同じアルバイトで男性恐怖症の
これで凌太朗はこのファミレスには癖のある人間しかいない事を、改めて知った。さらにアルバイトが異様に多い事も改めて知った。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「今日はこれで上がらせてもらう」
「分かった。戦極、気を付けて帰れよ」
「大丈夫だ。そんな不審者にやられるヤワじゃない」
「まぁそうだな。いつもの舞にあの対応だからな」
12時くらいで自分のシフトは終わり、働かない齋藤店長に挨拶をして店を出た。
確かにあの男性恐怖症の少女の舞の拳は、インベスに匹敵するのではないかと思っていた(それを片手で止める凌太朗も凌太朗だが)。
さて……凌太朗は午後は基本ヘルヘイムの森の調査にでも行こうと思っている。新しいエナジーロックシード等も作りたいが、もう少しヘルヘイムの森について知っておきたいのだ。
……と思っていたのだが、凌太朗の携帯が着信……ではないピピピピピといった機械の音声が鳴り響く。
これは凌太朗が昨日パパッと作ったクラック出現時の電子音声である。また、特殊な電波を使って地図等で、クラックの出現場所を割り出す事も可能だ。
出現場所は……今いる場所からさほど遠くない倉庫の様だった。凌太朗はすぐ近くのビルの陰に隠れる。
「近いならここで変身してもいいだろう……あっちに行ってから人に見つかると厄介だからな。変身」
『レモンエナジー!』『ロックオン!』
『ソーダ!』『レモンエナジーアームズ!ファイトパワー!ファイトパワー!ファイファイファイファイファファファファファイト!』
「さて……行くとするか」
凌太朗は素早くアーマードライダーデュークに変身すると、ゲネシスドライバーの光学迷彩を使用し透明になる。そこから街中を、走って倉庫に向った。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『カモン!』『バナナスカッシュ!』
「────はぁ!」
凌太朗はその光景を目にしていた。
目の前で自分のデュークとも、謎の鎧武とも……昨日騒がれ、名前が付けられた束のイドゥンとも違う……紅の男爵の様なアーマードライダーがいた。
その男爵は初級インベス2体を、バナナのエネルギーを模した槍で突き刺していた。初級インベスはそのパワーに耐えきれなくなり、大きな爆発を上げていた。
「……隠れていないで出て来い」
「まさか光学迷彩が見破られるとはね……貴様は何者だ?」
その男爵に光学迷彩を見破られて、凌太朗は思わず驚きで口を緩めてしまった。そして凌太朗は光学迷彩を解錠し、その男爵に名を聞く。
「俺は……アーマードライダーバロンだ!」
男爵……バロンはそう叫ぶと、白い槍のバナスピアーを握り締め凌太朗の方に走ってくる。凌太朗はソニックアローを左手で構える。
「はぁ!」
「ほう……戦極ドライバーにしては強い……が……!」
バロンはバナスピアーを縦に振り下ろしてくるが、凌太朗はそれを受け止める。クラスAのバナナロックシードを使用しているバロンの一撃は相当重く、ゲネシスドライバーを使用している凌太朗は驚いている。
だが凌太朗も負けじとバロンを弾き飛ばし斬り付け、ゲネシスドライバーの力量を見せつける。
「やはりバナナでは限界があるか……。だが……これならどうだ?」
『マンゴー!』『ロックオン!』
『マンゴーアームズ!ファイト・オブ・ハンマー!』
「マンゴーアームズか……来い」
「……ふん!」
「……!ぐっ……!?」
バロンはマンゴーロックシードを解錠した後、バナナロックシードを戦極ドライバーから外す。頭上にはクラックが開き、マンゴーの鎧が鎮座している。そしてマンゴーロックシードを施錠し、カッティングブレードを下ろしてアームズチェンジをする。
それを見た凌太朗は興味を持ってしまい、ついつい指で挑発してしまう。
バロンは片手にメイスのマンゴパニッシャーを握り締め、横薙にした。凌太朗は受け止めれると思ったが、余りにも重くて横に吹き飛ばされてしまった。
凌太朗は予想外の事態に驚いていた。クラスSのロックシードにクラスAのロックシードが優勢的なのがまずありえなかった。だがバロンは冷静を保ち、凌太朗の方に向かって振り下ろしてくる。
凌太朗はとっさに右に転がり回避し、バロンの左脇腹に蹴りを入れる。バロンは思わずよろめいているようだ。
「……!生憎だけどこちらにもパワータイプはあるんでね」
『メロンエナジー!』『ロックオン!』
『ソーダ!』『メロンエナジーアームズ!』
凌太朗は冷静を取り戻して、メロンエナジーロックシードを解錠する。クラックが開いた後、即座にレモンエナジーロックシードからメロンエナジーロックシードに交換し、シーボルコンプレッサーを押し込む。
そしてコンセントレイトポットにオレンジ色の果汁エネルギーが充填されていき、メロンの鎧が装着され、メロンアームズへとアームズチェンジをする。
「さて……実験はここからだ」
「ふん……貴様が何で来ようとも同じ事だ!」
そしてソニックアローとマンゴパニッシャーが交わり、火花が飛び散る。最初は互角の様に見えたが……
「……!何っ!?」
「メロンエナジーは他のエナジーアームズよりも、ちょっとばっかし筋力補正がかかるからな……!」
メロンエナジーアームズは他のエナジーアームズよりも、筋力が上がるようになっている。
そのお陰でバロンのマンゴーアームズを押しているようだ。バロンは危険を感じ、後ろにジャンプする。
『カモン!』『マンゴースパーキング!』
「はぁぁぁぁぁ……!」
『ソーダ!』『メロンエナジースカッシュ!』
『レモンエナジー!』『ロックオン!』
「……」
バロンはカッティングブレードを3回倒す。そしてマンゴパニッシャーを振り回し、果汁のエネルギーが充填されていく。
一方、凌太朗はシーボルコンプレッサーを1回押し込む。そしてレモンエナジーロックシードをソニックアローのエナジードライブベイに施錠した後、力強く右手で弓を引いた。
「はぁ!」
「……ふん」
『レモンエナジー!』
そしてバロンのマンゴパニッシャーから、マンゴーの形をしたエネルギーを飛ばす。
凌太朗は弓を放った。その強力なエネルギー矢は、交互にレモンとメロンを模した輪切り型のエネルギーの間を通っていき、エネルギー同士がぶつかった。
「ぐはっ……!?」
「まぁ……当然の結果だろう」
マンゴーのエネルギーはかき消されて、エネルギー矢がバロンの右胸を撃ち抜き、バロンは後ろに倒れ込んだ。
バロンの変身が強制的に解錠される。変身者は……凌太朗と同じくらいの歳の、茶髪の男だった。そして凌太朗はその男の首にソニックアローを突きつけ……
「貴様……名を名乗れ」
「……何だ?貴様は俺を殺さないのか?」
「いいから早くしろ」
「……それなら貴様の変身も解いてもらおうか」
それを聞くと凌太朗は悩んだ……悩んだ結果、変身を解くことにした。自分の身がバレる事よりも、戦極ドライバーの入手方法を聞きたかったのだ。
「戦極凌太朗だ……」
「戦極か……俺は
「それはこっちが聞きたいところだな……取り敢えず場所を変えるか」
「そうするか。なら俺の店に来い」
何故か会話がスムーズに進んでいき、凌太朗は豊が経営している店に行く事になった。
バロンだ!
上の奴らはWORKINGネタ……出したかったんだ。
デュークについでバロンというオリキャラ……。
まぁバロンはデューク並に好きですから……。
ちなみに束はイドゥンですね。