第9話 遊VS十代
玲治がカイザーたちと話をしている時、【オベリスクブルー】の男子寮のひと一部屋で遊と十代がソファーに腰掛け話していた。
「つまり遊は、別世界から来たデュエリストってことか?」
「まぁ、そんなとこになるのかなぁ」
遊は、十代に自身がこの世界の人間ではなく別の世界のデュエリストであり、その世界では、融合や儀式以外にシンクロ・エクシーズ・ペンデュラム召還が存在していたこと、この世界とは違うルールで行われていた事など。
たださすがに原作知識については、言わなかった。話がおかしくなりそうだから。
「でも、別世界かぁ、信じられないなぁ。て言っても目の前にその証拠があるしなぁ」
十代の前には、遊が保有している一部のシンクロ・エクシーズ・ペンデュラムモンスターが机の上に置かれていた。
「なぁ、って事はさ。俺にくれたヒーローたちも遊の世界にあったカードってことか!?」
「あぁ、そうだよ」
「なら、他にも俺の知らないヒーローたちが居るのか!?」
「もちろん居ると思うぜ。ていうかこの事は、くれぐれも内密で頼むぜ十代」
「おう!任せとけ!!」
「サンキュー」
「そんかわり、俺とデュエルしてくれよ!もちろんシンクロとかありのデッキで!!」
「マジで!?」
「マジで」
「・・・」
「なぁ、頼むよ~。遊~」
「はぁ。分かったよ。けど人目の付かない場所でだぞ」
「おう!!サンキュー遊!!」
十代は、遊とデュエル出来る事がとても喜んでいる。
「なら、早速行こうぜ!デュエルしに!!」
「おう!」
ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーーー
デュエルアカデミアの火山の裏手の海岸
「十代。よくこんなに場所知ってたな」
「入学してから学園内を隅々まで探検したからな。さっ早くやろうぜデュエル!!」
「はいよ!」
「「デュエル」」
遊 LP4000 手札5
十代 LP4000 手札5 先攻
「俺の先攻!ドロー!![E・HEROプリズマー]を召還!プリズマーの効果発動!デッキから融合素材モンスターを墓地に送りそのモンスターと同名カードとなる。俺は[E・HEROフェザーマン]を墓地に送る。そして魔法カード[ミラクルフュージョン]を発動!」
「いきなりかよ!」
「行くぜ遊!プリズマーとフェザーマンを融合、[E・HERO・THEシャイニング]を融合召還!!」
E・HERO・THEシャイニング A2600
「早速ですか」
遊は、十代の引きの強さに感嘆していた。
「さらにTHEシャイニングはゲームから除外されているE・HERO数×300攻撃力が上がる!」
E・HERO・THEシャイニング A3200
「いきなり攻撃力3200か!」
「おう!俺はカードを二枚伏せてターンエンド」
十代 LP4000 手札2 場3
「なら俺も全力で行く!俺のターンドロー。俺は手札から[BF-逆風のガスト]を特殊召還!このカードは、自分フィールド上にカードが存在しない場合手札から特殊召還出来る」
BF-逆風のガスト A900/D1400 ☆2
「さらに手札から[BF-疾風のゲイル]と[BF-黒槍のブラスト]を特殊召還!この二体は、自分フィールド上にBFモンスターが存在している場合特殊召還出来る!」
BF-逆風のガスト A900/D1400 ☆2
BF-疾風のゲイル A1300/D400 ☆3 チューナー
BF-黒槍のブラスト A1700/D800 ☆4
「いっきに三体のモンスター!しかもチューナーモンスターまで!!」
「だがまだまだ行くぜ!十代!!」
「あぁ!来い遊!!」
「俺は、レベル4黒槍のブラストにレベル3疾風のゲイルをチューニング!漆黒の翼翻し、雷鳴と共に走れ!電光の斬撃!シンクロ召還!降り注げ、レベル7[A BF-驟雨のライキリ]!」
A BF-驟雨のライキリ A2600/D2000
「うぉおお!かっけぇ!」
ライキリを見て喜ぶ十代。本当にデュエルが大好きなのが見ていて伝わってくる。
「まだ俺は、通常召還していない。俺は手札から[BF-極北のブリザード]を召還!その効果で墓地の黒槍のブラストを特殊召還!そして驟雨のライキリの効果、1ターンに1度自分フィールドのBFの数だけ相手フィールドのカードを破壊する!!」
「なに!」
十代の場のカードはすべて破壊されてしまう。
これで十代の場はがら空き
「これで終だ十代!!全モンスターでダイレクトアタック!!」
「ぐぅ!」
十代 LP0
遊 勝利
「マジかよ遊。こんなに簡単に終わっちまうのかよ」
「まぁ、初見でBFの展開力に対応するのは難しいって」
「けどよぉ」
確かにBFは、GXの次の5Dsのカード群である。それだけならまだE・HEROでも余裕で対応出来るだろう。しかしBFは、その後二世代後のARC-Vにも登場して強化されている。しかも初見、普通に考えて無理ゲーだよな。
「くー!よし!!もう一回デュエルだ遊!!」
「なっ!?」
「なぁ、いいだろう遊」
なんでここで子犬みたいな眼で見てくるんだ。
どこで覚えたそんな技!!
「なぁあ、ゆ~う?」
「あぁあ、分かった!分かった!」
「うっしゃぁあ!サンキュー遊!」
はぁ、うれしそうだなぁ十代・・・この先は長いそうだ。
<<クリクリ>>
ハネクリボーが十代の後ろから出てきて十代に何かを伝えている
「分かったって相棒」
「ハネクリボーは何て?」
「いやぁ、早く戻って制裁デュエルの準備をしろってって・・・」
「うん?」
急に十代が黙って眼を見開いてこちらを見ている。
俺何かまずい事言っただろうか・・・うん?
「あっいや。遊、ハネクリボーが見えるのか?」
あぁ、そう言う事か。精霊は見える人と見えない人が居るんだったな。
つまり俺が精霊を見れている事に驚いてるんだな十代は。
「あぁ。タイタン戦以来見える様になったんだ」
「そんなのか!って事は、遊の部屋に居た精霊たちも見えていたんだな」
「もちろん。扉開けた瞬間仁王立ちの絵札の三銃士とか机の上に広げたカードの上で飛び跳ねてるF・G・Dとかベットの上をこらがり回ってたクリボーとか」
「あははは」
「十代にも見えてたんだな」
「あぁ、俺もあれ以来見える様になったんだ」
「そうか。まぁ、つもる話がまた増えた様な気がするがまずは制裁デュエルの事をしっかり取り組もう。さっきの翔の様子だと今頃どうして居るかわからないし。頑張れよ十代!」
「おう!遊も頑張れよ!!俺は早速、翔と訓練してくるぜ!またな遊!!」
「あぁ!!」
そう言って十代は、レッド寮へと帰って行った。
その後十代から翔が姿を消したと連絡を受け十代たちと共に翔を探す事に
そう言えば原作でもそんな事があった様な気がする。
本当に世話の焼ける野郎だ。
野郎の世話何て焼きたくないんだがなぁ。
仕方ない
ーーーーーー
ーーーー
十代と遊のデュエルを岩場の影から見ていた男が居た。
その男は、【オベリスクブルー】の制服を着ている。
「シンクロ召還かぁ。遊やっぱり君もこの世界の住人では、ないんだね」
男はそう呟くとその場を後にした。
この時のデュエルが、この後の桐谷遊の学園生活を波乱のものとすることになる事を遊は、まだ知らない。
次話「ヒーローVS機械竜」