タイトルはこんな感じで進めます、ゲームの攻略本をイメージして頂けたらと。
ちなみに今のルノーのレベルはそれなりに鍛えていたので12くらいですかね。
欠陥した万有引力──攻略推奨 Lv.26
「うおっ!?」
目覚めた一言目がこれだ。
崖から転落した俺だが特に痛みもなく出血もない。
「ふむ……目が覚めたようじゃの」
顔を覗き込む老人。
「えっと……俺は生きてるのか?」
「ふぉっふぉっ、お主は死んでおるて。何せあの高さ、間違いなく致命傷じゃ」
「てことはここはあれか? 天国、いや地獄?」
それにしては随分普通だ。和を感じさせる部屋の造りと俺が横たわる布団、良い場所とも悪い場所とも思えないが。
「両方……と言うのが正しいかの、とりあえずここは地球とは全く別の世界と考えてくれ」
「別の世界……か」
何処かで聞いた事がある様な話だな……まさかとは思うが。
「爺さん、もしかしてこの世界はアナザーワールド。そんな名前だったりしないかい?」
「!!」
ビンゴだな。
「お主、まさか知っておるのか!?」
「まあ……うん」
俺もまだまだピンとこない。
「そうか……お主もまた選ばれた子……こうしてはいられぬ、早く軍に」
爺さんが立ち上がった瞬間、激しいサイレンが耳に入った。
「おおっ!?なんだなんだ」
「敵襲か…!坊主、ここを離れるんじゃないぞ!」
爺さんが部屋から急いで出て、声を張り上げた。
「敵襲じゃ!住民は直ちに避難し、迎撃隊は軍が来るまで持ち堪えよ!!」
「「「了解!!」」」
(迎撃隊……軍……? やはりゲームとは少し違うのか)
ルノーは窓の外をちらりと眺めた。
「! あれは……」
中盤期で出現するエネミー、オークである。わりと離れている為ぼんやりとしかわからないが。
(本来なら北部に出現するそこそこの敵の筈……しかし街並みを見るにここは東部辺り、単なる見解の違いか?)
ルノーはそのままオークに気づかれぬ様に息を殺している。
オークは街を破壊する事なく、どうやら人間を探しているようだ。
「見つけたぞ!!」
その声を聞きルノーはビクリとするがどうやら自分に向けられた声では無さそうだ。
(オークと戦闘するのか?)
3人の兵隊のような男がオークを取り囲んでいる。
オークは奇声をあげ手に持つ大剣を振り回した。
兵隊はそれを躱していく。
(時間稼ぎをする様な、良い立ち回りだな、疲労を狙っているのか、時間稼ぎか)
ルノーは関心しながらまじまじと戦闘を見つめている。
「っ!!」
「えっ?」
──それはほんの一瞬の事だ、兵隊の1人がつまずいたその瞬間。
真っ二つ、絶叫する間もなく、ほんの、一瞬。無慈悲な一撃が兵隊の身体を。
(まじ……かよ)
ルノーは後悔した、この世界があのゲームとやや違う事はなんとなく理解していた。しかしダメージ制であるアナザーワールド=オンラインとは違い、死んでいるのだ。
(…………)
ルノーの顔は青ざめていた。あの兵隊だけでなく、街の四方八方から悲鳴とオークの奇声が聞こえる。
はやく、逃げなくては──
「君!大丈夫か!?」
1人の兵隊がルノーに声をかけた。
「避難の経路が発覚した、村長の命により君を警護する」
「あ、ああ……」
村長はあの老人であろう、ルノーはなんとか思考を戻し兵隊について行く。
(うっ、血の匂いが……)
ルノーは思わず鼻を覆う。
「散々だな君も。この世界に来たばかりだと言うのに襲撃と重なるとは」
「今までに何度かあったのか? こういう事は」
「ああ、その度に軍が撃退してくれたが……今回は少し遅いな」
「軍? 一体なんなんだそれは」
「まだ説明されていないのか? この世界は」
「待った!」
ルノーは背後に気配を感じ即座に伏せた。
(やはりか!!)
頭上をオークの大剣が通り抜ける。
「追いつかれた……おい大丈夫か」
ルノーは兵士に話しかけるが返事は無い、そこにいたのは無惨な……兵士の死体が。
「くっ!!!」
気付けば逃げていた。街の構造はだいたい理解している、足の遅いあいつらなら──
「嘘だろ……」
路地裏の反対側、3人の兵士を仕留めたオークがルノーを見つけた。
囲まれた。場所は路地裏、オークが通れるくらいの広さ、建物に登る暇なんてくれやしない。
「くっそ……!!」
甘かったのか、ゲームの様な世界に少し期待した俺が。
厳しかったのか、ゲームの様な世界が。
(俺はまだ、こんなところで……!!)
心で叫ぶ俺の耳に、ふと声が掛けられた。
『力を貸してやろうか?』
「え?」
驚き、戸惑う俺とは裏腹に俺の口は勝手に動いていた。
「
その言葉を発した瞬間、俺は二階建ての建物の上へと飛び上がった。
「っ、そうか」
忘れていた。エネミーに支配されるこの世界、唯一の人間の対抗手段があった事を。
『重力を操る能力、それが君の力だ』
一部の人間には特殊能力が開花する。
作者「ルノー、君の能力が決まったぞ! 重力を操る能力だ!!」
ルノー「おお! どれくらい強いんだ!?」
作者「ノーコメント!」
ルノー「ちくしょおおおおお」