アナザーワールド   作:クレシアン

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Twitterの固定ツイート、アナザーワールドの宣伝が70リツイート越えていて地味に嬉しかったりします。


軍の人間 攻略推奨Lv.50

 

 

 

「おいおいおいまじかよ!」

 

 煙草を吸う暇もなく焦る男、秀吉は村を駆けていた。

 

 

「あいつにグングニルは撃てないのか!?」

 

 

「不可能です隊長、衝撃波で村を破壊しかねませんな」

 

 

 それもそのはず。村を駆ける中見かけたオークキングが地面に向かって剣を振り下ろしているのだ。

 

 

 

「頼むぞ少年、俺達が行くまで耐えてくれ……」

 

 

 ☆ ☆ ☆

 

 

 

 

「はあ……はあ……」

 

 

(くそったれ、全然突破口がねえ……奴自身に重力を掛けてもまるで効き目がない……)

 

 

 疲労の理由は能力の使用だけではない、死と常に隣り合わせの状況がルノーをさらに追い込む。

 

 

 

(直接ダメージを受けてる訳じゃないのに身体の所々が痛い、やはりまだ能力に慣れていないのか? それともこの能力は身体に掛けてはいけないものなのか?)

 

 

 もはや思考を働かせるのも苦しい。

 

 

 

 が、

 

 

 

 

「身体に……掛ける? いやまて……!?」

 

 

 

 

 僅かに、ほんの一瞬、ルノーの脳に痺れが走った。

 

(やるしかない。殺されるくらいなら意地でもやってやる!!)

 

 

「スプリング!!」

 

 

 ルノーは余力を振り絞り地面を蹴った。

 勢いをつけオークキングの真上へ跳躍した。

 

 

「!!」

 

 

 オークキングはすかさず剣を真上へぶん回す。

 

 

(やはり追撃するか、だけどな……)

 

 

 

 

「ようやく捕らえたぞ、この野郎が!!」

 

 

 俺はオークキングの巨大な、巨大な剣に触れた。

 

 

 

 

 

 

過重力負荷(グラビティ・ハンマー)ァァ!!!」

 

 

 

 

 重力を得た剣、オークキングはその重さに耐え切れない。

 つまりオークキングにはあの巨大な剣が襲い掛かり……!

 

 

 

 

 

「あばよオークキング、いい経験になったぜ」

 

 

 

 

 大量の血飛沫が宙を舞った。

 

 

 ☆ ☆ ☆

 

 

「着地っと」

 

 重力を操作しゆっくりと地面へと足を揃えた。

 一息つく間に聞き覚えのある声が耳に入ってきた。

 

 

 

 

 

 

「うおおおおお!!!?」

 

「痛っ!? 」

 

 

 ヤニ臭い男が俺の髪を切るクシャクシャと頭を叩く。

 

 

「オークキングを殺りやがったのかお前!? この世界に来て2日目で!!」

 

 

「別に能力が逆転する方法と噛み合っただけだ、大した事ないよ」

 

「その能力があったから逆転の方法が思いついたのでしょう、全く恐れ入る」

 

 

 

 確かに死ぬ覚悟でいたけれども、

 こうも褒められるのは慣れていない。

 

 

 この世界を前世と比べるのは良くないだろう。しかし、悪くないな。

 

 

 

「さてと、こりゃあもう決まりじゃねえか?」

 

 

「そうですな、昨日の地点ではまだ不安な面もありましたが」

 

「?」

 俺は首を傾げた、2人で何らかの話がついているのだろう。

 

「まだこの世界に来て間もねえし遠慮しようと思っていた、でも今はだからこそ誘おう」

 

 

 

 

 

 彼は煙草を持たない、左手を差し出して来た。

 

「東部軍へ来ないか? お前の才能を買いたい」

 

 

「やっぱりな、そんな気はしていた」

 

 

 俺はさらりと答えた。

 実は昨日の地点で考えていた、この能力はエネミーを倒す為にある。

 

 

 しかし俺は基本的に学校やら社会やら規律のある世界が嫌いだ、この世界ではわからないが自由に過ごしたい気もする。

 

 

 

「ちなみに、軍には適性者のいない遺産が結構ある。お前が適性者かもしれないぞ?」

「我々より強い者が20人はいるでしょうな」

 

 

「よし来た、入ろう」

 

 

 誘惑に負けましたハイ。

 こいつらより強い者だと!? プレイヤーとして最強を目指す俺には堪らないな。

 

「そう言うと思ったぜ。待ってな、今俺の上司に連絡してやる」

 

「頼む」

 

「今日はもう疲れたでしょう? この村にも当分来れない故観光でもいかがですかな?」

 

「なるほど……そうさせてもらうよ」

 

 

 

 

 そう言いルノーは村の奥地へと向かった。

 

 

 

 

 

「……では私は見回りへ」

 

「なんだお前も気づいていたのか?」

 

 ルノーを見送った信長が槍を構える。

 

 

「オークキング出現により少し忘れていましたが……まだレーダーと同じ数の敵を倒していません、数十体程見逃しました」

 

「そうだな……陽動の可能性もあるし警戒した方が良い」

 

(レーダーの弱点は探った敵の種類(・・)まではわからない事。最悪の場合…………)

 

 

 

 

 ☆ ☆ ☆

 

 

 

 

 

「どうかしましたか? ご主人様」

 

 

 ルノーがいる村から少し離れたまた別の村、白と黒のフリフリの服──俗に言うメイド服の少女が外れの山の上に腰掛ける少年に話し掛けた。

 

 

「いえ、秀吉君と信長君が才能ある人材を見つけたそうですよ」

 

 少女と比較し、更に若いブレザーの様な服を着る少年が答える。

 

 村の雰囲気とは全く合わない2人が軍の人間である事は明白だろう。

 2人と足場は正しく言うならばオークキングである。

 

 

 どこかの村から引き寄せられた数十体のオークキング(・・・・・・・・・・)が息絶えていた。

 

「大丈夫ですか? 一人前でもない彼らがスカウトする新人ですよ?」

 

 彼女は更に特徴的である猫の様な耳を傾けながら不服そうに呟く。

 

「あまり僕の弟子を悪く言わないでくださいよ、それに僕から見たら貴方だってまだまだ半人前です」

 

「う……酷いニャ」

 

「語尾が出てますよ」

 

 少女は完全にむくれている。

 軽く笑いながらも少年は自らの足場に触れた。

 

 

 

狡猾(ジョーカー)箱庭(ガーデン)

 

 

 

 

 

 

 その瞬間、数十体は存在したオークキングの遺体が姿を消した。

 

 

 





1人が所持できる能力は3つまで。
その中に遺産は含まない。
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