クズマとウィズがあの終わた世界から来るそうですよ? 作:そ?
~ 顔を上げると同時に遠方から褐色の光が四人に差し込み、レティシアはハッとして叫ぶ。
「あの光……ゴーゴンの威光!? まずい、見つかった!」
焦燥の混じった声と共に、レティシアは光から庇うように三人の前に立ち塞がる。~
光の正体を知る黒ウサギは悲痛の叫びをあげて遠方を睨んだ。
(危険なもの。そんな気がする)
ぼそりと、誰にも聞こえない声でその名を口にする。
「――❮フリーズ❯」
褐色の光がレティシアに迫る中、カズマが一瞬にして消えた。
そして、褐色の光がレティシアの眼前まで到達した瞬間、溶けるように消えていく。
「これは……」
起きた事実に理解が追いつかず、何度も瞬きを繰り返すレティシア。自分は石像になる覚悟もしていたのだが、未然に防がれたということだろうが。
そういえばと。
ゴーゴンの威光が迫ってくる直前、何かが前に居たと。
「まさか!」
勢いよく振り返ると、そこには、
黒のロングコートを装うカズマが....
それは魔王のような魔法使いのような姿
そう。それはまるで―――箱庭の物語の中に出てくる『約束の子』を思わせた。
衣装は先程とは違う。この姿は力を出す際に必要なのだろうか。だがこの青年はカズマで間違いない 『今度はーーーか。カズマも..... 楽しみになりそうだ』
何処からかカズマを見るものあり
そして立ち去る。
これが後々騒ぎになるのは別のお話。
「遠くの方から翼の生えた靴で空を駆けてくる人たちが数人。ペルセウスだな……」
カズマが指差した方向に視線を向けると、身にあまる大きな鎧を必死になって引きずってきた男の子の大群がこちらにゆっくりと近づいてきていた。
「いたぞ! 吸血鬼だ!」
「おい、石化してないぞ! どうなってるんだ!?」
「例のノーネームもいるようだがどうする!?」
「どうするって、こんな情態でどうしろっていうんだ!」
明らかに敵対心があるように見えるが、
「あいつらが放ったであろう褐色の光が消えたのは、使用者であろう。」
「……あぁ。ちょっと行ってくる」
黒ウサギは、その中にゴーゴンの首を掲げた旗印を見つける。
「”ペルセウス”!? まずいのですよ、彼らと問題ごとを起こしては!」
「いや、見るからに弱そうで相手すらならない。」
カズマらしからぬ、やる気のない声が漏れる。
「へ? あ、いえ。カズマさんは問題を起こす人じゃなので....別に」
「だが、面白いことは思いついた」
こんなところに足を運ぶ奴が高い立場にいる者なはずがない。必ず手を引いている奴がいる。そいつを策にはめて潰せるって言うなら、雑魚の相手も悪くない。
カズマの思考は、すでに敵である彼らの主に向いていた。
「さぁて、おまえらに俺が倒せるって言うなら話は別だが」
言うが早いか、十六夜は足元に転がる小石を拾ったかと思うと”ペルセウス”の騎士たちへと投げ、地面ごと吹き飛ばした。
小石は第三次宇宙速度に匹敵する速度を叩き出し、轟音と共に”ペルセウス”の騎士たちの悲鳴すらもかき消したのだ。
「痛い目見る前に、こっちの言うこと聞いた方が利口だと思うぜ」
すでに痛い目を見ている彼らにはあれだが、十六夜はあくまでこれ以上ひどいことになる前に用件を呑めと言ったのだ。もちろん、この場で彼に並ぶ敵などあらず。
黒ウサギはやってしまったのですよ……と項垂れ、レティシアは呆然と突っ立ていた。
こんな連中に! と悔しがるように十六夜を睨むが、それも無駄な抵抗だろう。
「今回は引くぞ!」
そう言って去っていくペルセウスの兵士たち。
「さてら黒ウサギ。だいたいの状況は呑み込めた。とりあえずは白夜叉のところに行く。なんでも今日はそこにいるらしいからな」
愉快だとばかりに笑みを浮かべながら話を聞き終えたカズマが女性陣の元へ戻って来る。
「あいつらが俺たちコミュニティに対して無礼を働いたことは認めさせた。楽しくなるぞ? 他の連中も呼んでこい」
十六夜も笑みを浮かべながら。
「あの、どうなされるのですか?」
「「は? 決まってるだろ。”ペルセウス”にケンカ売りに行くんだよ」」