クズマとウィズがあの終わた世界から来るそうですよ? 作:そ?
ほどなくして”サウザンドアイズ”の門前に着いた四人を迎えたのは例の無愛想な女性店員だった。
「お待ちしておりました。中でオーナーとルイオスさまがお待ちです」
「黒ウサギたちが来ることは承知の上、ということですか? あれだけの無礼を働いておきながらよくも『お待ちしておりました』なんて言えたものデス」
「‥‥ことの詳細は聞き及んでおりません。中でルイオスさまからお聞きください」
定例文にも似た言葉に憤慨しそうになる黒ウサギだが、店員の彼女に文句を言っても仕方がない。
「みなさん、行きましょう……っていない!?」
「あなたが無駄なことを言っているうちに奥へ行ってしまいましたよ」
「なんで止めてくれないんですか!」
「あなたが話しかけてきたからです」
「……」
なにも言えなくなった黒ウサギは、急いで問題児たちの後に続いた。
「おー、遅かったな黒ウサギ」
おそらく先に行くことを提案したであろう十六夜が、待ちくたびれたように言った。
「ひどいのですよ!」
「なに言ってやがる。先に部屋に入らずに待っていて俺たちの優しさがわからねんのか?」
「黒うさぎさん遅かったですね」
「眠い... zzz 」
「それはありがとうございま……って、先に置いていったのは誰ですか!カズマさんは寝ないでください!」
スパスパーンと軽快な音が響く。
痛い。クリティカルヒットだ!
「いや、悪かったな。とりあえずもう行こうぜ」
「悪いと思ってる気がしない!?」
「早く行くぞ。そんなのは帰ってからしとけ」
もちろん思っていない。
次はどういじるかを考えるくらいには思っていない。
気を取り直して、離れの家屋に入ると、中で迎えた変態は黒ウサギとウィズを見て盛大に歓声を上げた。
変態が誰かって? 言うまでもない。
「うわお、ウサギじゃん! うわー実物初めて見た! 噂には聞いてたけど、本当に東側にウサギがいるなんて思わなかった! つーかミニスカにガーターソックスって随分エロいな! それで、そっちの子はなんだ!? 魔法使いが下層ににいたか!? しかも君は僕好みの最高の女になるじゃん!発育も良いし得に胸なんて... ねー君たち、うちのコミュニティに来いよ。三食首輪付きで毎晩可愛がるぜ?」
ルイオスはさすがの変態性を晒すと、十六夜、カズマすら滅多にすることのない底冷えするような視線を、彼に浴びせた。
「ちょ、なんだよこの雰囲気! まるで僕が悪者じゃないか!」
「「「「黙れ変態」」」」
「ちょ、おい誰だいま変態って言ったの!この野郎!」
出会って数秒で変態と格付けされたルイオスの視線から燈火を隠すように、十六夜は彼女を自分の後ろに移動させる。
「十六夜さん……」
「安心しろ。あんな変態におまえを渡す奴は、この場にも、コミュニティにも一人もいねえ。それに俺の黒うさぎは誰にも渡さねぇー」
「……///」
「ここまでわかりやすい外道だな。先に言っておくがこの美脚は既に俺のものだ。」
「そうですそうです! 黒ウサギの美脚は、って違いま... せんですけど///」
突然の所有宣言に慌て赤面する黒うさぎ。
そんな二人を見ながら、白夜王は
「...ならよかろう、ならば黒ウサギの脚とウィズを言い値で」
「売・り・ま・せ・ん! あーもう、真面目なお話をしに来たのですからいい加減にして下さい! 黒ウサギも本気で怒りますよ!!」
「私もちょっと遠慮させて戴きます。」
「馬鹿だな。怒らせてんだよ」
スパァーン! とハリセンを一閃。そろそろ突っ込み役が板についてきた。
「あっははははははは! え、なに? ”ノーネーム”っていう芸人コミュニティなのきみら。もしそうならまとめて”ペルセウス”に来いってマジで。道楽には好きなだけ金をかけるのが性分だからね。生涯まとめて面倒見るよ? もちろん、その美脚は飽きるまで僕のベッドで毎夜毎晩好きなだけ開かせてもらうし、きみは将来のことも考えて僕に付き従ってもらうけどね。いや、きみもいまのうちにイロイロしてもらおうかね」
「お断りでございます」
「黒うさぎさんに同意です」
黒ウサギとウィズに速攻で却下された。そもそもルイオスには二人の声が届いていないようだ。
その後も、めげずにルイオスの勧誘が続くが、
カズマはルイオスに殺気を込めて言い払う。
「俺のウィズに手を出したら殺すからな」
「「なっ、」」
この殺気を知るものでさえ怯む程の殺気
流石はペルセウス。ギリギリ意識を維持してる。
そして、一度仕切り直すことになった一同は、”サウザンドアイズ”の客室に向かうのだった。
またもや空気のようですよ?
座敷に招かれた四人は、”サウザンドアイズ”の幹部二人と向かい合う形で座る。長机の対岸に座るルイオスは、忠告を無視するギリギリのラインで舐め回すような視線に黒ウサギとウィズを見続けていた。
嫌な視線にさらされながらも、黒ウサギは白夜叉に事情の説明を始める。
余談だが、客室に来るまでルイオスの勧誘は続いたものの、誰一人として取り合った者はいない。周りの目には延々と独り言を言っているだけの近づきがたい人に映ったことだろう。
「と、”ペルセウス”が私たちに対する無礼を振るったのは以上の内容です。ご理解いただけたでしょうか?」
そんなことは放っておいて、話は着々と進んで行く。
「う、うむ。”ペルセウス”の所有物であるヴァンパイアが身勝手に”ノーネーム”の敷地に踏み込んで荒らしたこと。それを捕獲する際における同士の暴挙。確かに受け取った。謝罪を望むのであれば後日――」
「結構です。その程度で収まるものでは到底ございません。”ペルセウス”に受けた屈辱は両コミュニティの決闘を持って決着をつけるべきかと」
はなから謝罪など受け取るつもりはない。
レティシアが暴れまわったわけではないが、口裏はすでに合わせられている。なんの問題も心配もなく、黒ウサギはウソを告げた。
(ここまでは順調。あとは向こうのリーダーの出方しだい、だな十六夜?)
ここまで静観している十六夜は、口元に薄い笑みを浮かべながら成り行きを見守っていた。
使える手段は打てるだけ打つ。これが十六夜とカズマの楽しみ方なのだ。
「”サウザンドアイズ”にはその仲介をお願いしたくて参りました。もし”ペルセウス”が拒むようであれば”主催者権限”の名の下に」
「いやだ」
これまで無視し続けられていたルイオスに、全員の視線が集まる。
「…………はい?」
「いやだ。決闘なんて冗談じゃない。それにあの吸血鬼が暴れまわったって証拠はあるの? ほら、あるなら出してごらんよ。まあ、ないんだろうけどさぁ!」
上機嫌で笑うルイオスを尻目に、十六夜が唐突に立ち上がった。
「あんたが証拠を見たいって言うなら、見せてやろうか」
「はぁ? だから証拠なんてないってば。ないものはどうやっても証明できないよ、名無しくん」
嫌味ったらしく笑うルイオスに、カズマが右手を上げ、前と同じように下に下ろした。すると...
「で、では……申し上げます」
先程とは違うルイオスが声を発する
「さきほどの”ノーネーム”の言葉はすべて真実であり、我々が所有していたヴァンパイアが”ノーネーム”の敷地を荒らしたのを目撃しています。また、それを取り押さえようとした我々も彼らの言葉に耳を貸さず、一言のあいさつもなく、巻き込む形で攻撃を行ったこと。これらはすべて真実である。」
この場にいるルイオスに続き、白夜叉にも頭を下げる。
(まあこの程度でいいだろう。言い逃れするには苦しい状況まで落とし込めばそれでいい)
っとカズマは思う。
「どうあれ、証拠は提示させてもらった。受けてもらうぜ、俺たちとの決闘」
一瞬楽しげな表情をした十六夜だが、ルイオスを間近にして、つまらなそうな顔になる。
「良いだろう。」
此処で能力が切れる
「この場で暴れるようならそれ相応で相手をするぞ、小僧ども」
追撃に出ようとしたルイオスの肩に手を置き、その場に沈みこませた白夜叉は、両名に告げた。
「俺もやる気はねえよ。そいつを相手にしてもつまらなそうだ。最悪カズマが出たら問題ない。」
「くっそぉっ! 名無し風情がこんな真似をして許されると思うなよ! 徹底的に、徹底的に潰してやるからな! おまえらなんて二度と盾突けないようにぶっ潰す!」
「名前負けしすぎ。なにもかも俺の予想を大きく下回るって、どんだけだって話だなウィズ?」
「そうですね。未熟なんだと思います」
「そりゃそうだろうさ。これならカズマや黒ウサギ、ウィズあたりと戦う方が楽しめるな」
白夜叉がニヤニヤと笑い、そうだろうな、と心の中だけで思う。
しかし、隠しきれず頷いてしまっていた。
黒ウサギも苦笑いでごまかし、唯一力量を計れない飛鳥でさえ、ああ、やっぱりそうなんだ、と表情に隠そうともせず表す。
「ちょっ、なんだよこの空気! どいつもこいつも僕をバカにして! わかった、受ければいいんだろ!? そこで僕の力を示してやるよ! ただし、ゲーム内容はこっちで決めるからな!」
まんまと十六夜たちの策にはまっていくルイオスは、最後は感情に任せて決闘の申し込みを受け入れた。いや、より正しく言うのなら、受け入れてしまった。
「日付は三日後。これだけ無礼を働かれたんだ。僕が勝ったらそこのウサギとウィズをもらうからな!」
「いいぜ。おまえに黒うさぎとウィズは不釣り合いすぎてこいつ頭おかしいの? ってレベルだが、その条件は呑んでやるよ。だが、こっちが勝ったら金髪ロリをもらうぜ」
「いいよ。フフフ、調教するのが楽しみだなぁ。ウサギも良いが魔法使いの女もたまらないね、それじゃあ三日後に」
これまでの失態や遊ばれたことなどは忘れ、勝ったあとのことを妄想し、上機嫌で帰っていく変態を見送った一同は、揃ってため息をついた。
このとき全員が思ったことは、あいつ残念すぎる……ということだったとか。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
「なぁ、白夜王?ルイオスの持ってアルゴールは仲間にすることは出きるか?」
「出来ない事は無いがそれはアルゴール自身がギフトゲートを開催して打倒した場合は可能だが。御主はアルゴールを仲間にするつもりダロウ。」
っと困ったように言う白夜王
「勿論。ルイオスには勿体無いしメンバー募集中だしね。」
「因みに何処の上層部コミュニティに入ったんだ?」
「コミュニティ名 ユグドラシル。神々が集いし場所であり異世界の者は基本的このコミュニティのメンバーである場所。」
驚愕する白夜王
「なっ、御主は2桁のコミュニティのメンバーだと言うのか!?」
「メンバー?違うなリーダーだよ。じゃあな」
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
~三日後~
『ギフトゲーム名 -FAIRYTALE in PERSEUS-
・プレイヤー一覧 逆廻 十六夜
久遠 飛鳥
春日部 耀
佐藤 カズマ
ウィズ
・”ノーネーム”ゲームマスター ジン=ラッセル
・”ペルセウス”ゲームマスター ルイオス=ペルセウス
・クリア条件 ホスト側のゲームマスターを打倒
・敗北条件 プレイヤー側ゲームマスターによる降伏
プレイヤー側のゲームマスターの失格
プレイヤー側が上記の勝利条件を満たせなくなった場合
・舞台詳細 ルール
*ホスト側ゲームマスターは本拠・白亜の宮殿の最奥から出てはならない
*ホスト側の参加者は最奥に入ってはならない
*プレイヤー達はホスト側の(ゲームマス ターを除く)人間に姿を見られてはいけない
*姿を見られたプレイヤーたちは失格となり、ゲームマスターへの挑戦資格を失う
*失格となったプレイヤーは挑戦資格を失うだけでゲームを続行できる
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、”ノーネーム”はギフトゲームに参加します。
“ペルセウス”印』