黒森峰副隊長代行 逸見エリカ   作:秀吉組

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第4話

どうしてこうなった……

 

 

今目の前で起こっている出来事にこう思わずには居られない少女が一人。 少女の名は逸見エリカ

 

 

事の始まりは今から数時間前に遡る……

 

 

 

 

 

 

蝶野との約束の日、何故か待ち合わせは黒森峰のグラウンドだった。 このグラウンドはとても広く滑走路にも使えるくらいのものである。 何故そう言えるのかというと実際に降りてきているのである、一機の輸送機が……

 

 

「あ、あの蝶野さん!? これはどういうことなんですか!? しかもグラウンドに輸送機まで着陸させちゃって」

 

 

「逸見さん、おはよう。 大丈夫大丈夫、学園側にはちゃんと許可はとってあるから」

 

 

「は、はあ……。 ところで今日私を呼んだのは?」

 

 

「今日行われる戦車道の指南のサプライズゲストに逸見さんを連れて行きたいのよ! 大会9連覇の黒森峰の生徒がくれば指南を受ける子達のテンションも上がるでしょ?」

 

 

「あのそれだったらうちの隊長のほうがよかったのでは?」

 

 

大会MVPで国際強化選手でもある隊長のほうが盛り上がるだろうに……

 

 

「そんなことないわよ。 そのまほさんを支える副隊長として貴方の事だって話題になってるんだから」

 

 

「……代行ですけどね、あくまで」

 

 

代行の立場を崩さない私に対してホント頑固者ねと苦笑いする蝶野さん。 こればっかりは誰になんと言われようが譲るつもりはない

 

 

「ところで今日指南にいく所は何処なんですか?」

 

 

「ああ、言ってなかったっけ? 大洗女子学園よ」

 

 

「…え?」

 

 

ちょ、ちょっと待て。 大洗ってそれってまさか!?

 

 

「それって茨城の高校ですか?」

 

 

「よく知ってるわね。 20数年ぶりに復活みたいね、昔は戦車道盛んだったみたいだけど」

 

 

みほが向こうに転校してからこのタイミングでの戦車道の復活。 余りにも話の流れが上手すぎる…… 

 

 

あの子が巻き込まれていなければいいのだけれど……。 転校してまだ日も浅い、精神的ダメージからまだ抜け出せていないはず……

 

 

「あ、あの! 蝶野さん! 理由は言えませんが向こうに隊長の妹の姿を見るかも知れません。 その時は西住の名を出せないで下さい。 いまのあの子には西住の名は重荷しかなりませんから。 周りの子達と同じように普通の生徒として接してあげて貰えませんか」

 

 

「………。 分かったわ」

 

 

しばらくこちらを見ていたが何かを感じとったのか笑顔で了承してくれた

 

 

「それと、……申し訳ありませんが私は大洗には行けません」

 

 

「どうして?」

 

 

「私もあの子もまだお互い気持ちの整理がついてないんです。 ……どんな顔をして会えばいいのか」

 

 

肝心なところで何もできなかった私がどんな顔であの子に会えっていうのよ……

 

 

あの時、何も出来なかった自分を思い出していると

 

 

「なら、素顔さえ晒さなければいいんだな?」

 

 

え?と思い声がした方に視線を向けるとそこにいたのは黒のサングラスに黒のジャケットに黒のズボン、黒のブーツと全身黒一色のまるで悪役のプロレスラーみたいな人が立っていた

 

 

「え? ええ? えええ!? 」

 

 

「やっと来られましたか大使」

 

 

「ああ、すまないな蝶野。 支度に手間取った」

 

 

た、大使? この人が!? どういうこと?

 

 

「紹介がまだだったわね。 この方は日本戦車道連盟強化委員の大使を務められる方よ。 訳あって本名は秘密よ」

 

 

「で、さっきの話だが素顔さえ見せなければいいんだな?」

 

 

「……私はまだ会う勇気が」

 

 

「……、おいお前!」

 

 

大使は何を思ったのかやってきた輸送機のチェックをしていた整備士(この人もまた黒一色)に声を掛けた

 

 

「はい! なんでしょうか総帥」

 

 

「大使と呼べと言っただろうが。 何度言わせる気だ」

 

 

「す、すみません! 総、じゃなかった、大使!!」

 

 

「ったく。 コイツに例のモノとサイズが合いそうな陸自の制服を持ってこさせろ」

 

 

「わかりました。 すぐに手配します」

 

 

「あ、あの大使? 一体何を?」

 

 

「つべこべ言わずについて来い!!」

 

 

その後が本当にあっと言う間だった。 ついていったらすでに輸送機にうちのティーガーⅡが収容されていて、気が付けば既に輸送機は出発するわ、移動中に陸自の制服に着替えさせられるわ、終いの果てには……

 

 

「これを着けろ」

 

 

「え、えーと、……これは?」

 

 

「見て分からないか? マスクだ。 これなら素顔を晒さずに済むだろ」

 

 

「い、いや私が言ったのはそう言う意味で言ったんじゃ」

 

 

ちょうど窓から下を見ると先に降下した蝶野さんが近くにあったスポーツカーを押しつぶしていた

 

 

「ちょ、あ、あの、あれ不味いんじゃないんですか?」

 

 

「あれくらい連盟が補償するから気にするな」

 

 

ええ~!? それでいいのか!? 戦車道連盟!? 

 

 

「大使、そろそろ大洗市上空に到着します」

 

 

「よし、降下の準備をするぞ! おい、なにしてる。さっさとマスクを着けろ! 降下するぞ」

 

 

「え、えええ!?」

 

 

そんなこんなで今に至る。 うう、視線が突き刺さる……。 特にみほの視線が痛い……

 

 

こんな再会は嫌だった……。 いいえ! これは再会のジャンルには当たらないわ! これは遭遇よ! だからこれは再会には当たらない、ノーカンよ、ノーカン! うん!

 

 

必死に自分に言い聞かせていると練習試合のルールが説明された

 

 

「…という訳で役割分担を決めたチームから各自配置に着いてね」

 

 

「あの~蝶野教官殿、そちらのティーガーⅡは一体誰が乗り込むのでしょうか? そこのマスクをした方しかいませんが?」

 

 

「何を言っている? お前らの目の前にいるだろうが」

 

 

「え?」

 

 

「……このティーガーⅡに乗り込むのはコイツと、俺と蝶野だ」

 

 

そう言うと大使と蝶野さんがニッと笑った

 

 

「「えええ!?」」

 

 

今、波乱づくみの練習試合が始まろうとしていた




蝶野さん達はチートキャラと認識してください(; ̄ー ̄A
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