「あの一つ質問なのですが、大使殿は戦車に乗ったことがあるのですか?」
確かに。 戦車道というスポーツは男性にはあまり馴染みがないものだし、そもそも男性にとって戦車道はあまり関心がないものが一般的な見解だ
「フッ。 伊達に大使を名乗ってねえさ。 もちろんだ、それに俺専用の戦車も所有している。今回それをもって来たかったがなにせ重すぎるせいで輸送機に乗らなくてな、そこで蝶野の伝手で黒森峰の戦車を借りることになった訳だ」
へ~そうなんだと皆が驚いているのを他所に私は大使の次の発言に耳を疑った
「本当に持って来れなくて残念だ。 何せそいつの主砲と副砲は類を見ないものだからな」
ちょっと待て。 ティーガーⅡよりも重い戦車で主砲と副砲が凄い戦車? いやいや!? ま、まさかそんなことはあるはずない……わよね?
「はいはい。 おしゃべりもこの位にして各車両の役割分担が決まったチームは指定されたポイントに急ぐ急ぐ」
蝶野さんにそう言われ各車両は指定されたポイントに移動した
「では各車、全車配置についたわね。 ルールは簡単! 全ての車両を動けなくするだけ。 つまりガンガン前進してバンバン撃ってやっつければいいわけ。 分かった?」
随分大雑だな……。まあ分かりやすいといえば分かりやすいのではあるのだけれど……
私達もティーガーⅡで参加することになったのだが……。 こっちは乗員は私と蝶野さんと大使の三人しかいない訳で……
「あ、あの~? 役割分担とかどうするんですか? 私達三人しかいませんけど?」
「蝶野が操縦手、俺が装填手兼砲手、そしてお前が車長兼通信手。 ほら、問題ないだろ?」
「…そうですね」
どうやらそういうことで行くらしい。 あと経験者と他の戦車との性能差によりハンデが設けられた。 装填する弾は5発限定。 つまり各車両を一発で仕留めないと私達に勝利は無い
「さて、あの子達はどう出ると思いますか? 大使」
「まあ大方俺達を倒すために共闘してくるだろう。 出来る奴を指揮官に仕立ててくれば面白いゲームになりそうだがな」
厳しいハンデを着けてもこの余裕二人。 ちょっと油断しきっていないだろうか……
「あのお言葉ですがいくら初心者が多いからといっても相手は五両。 囲まれれば厳しいかと思いますが?」
それにあのハンデもある。 もし弾切れになり囲まれでもしたら反撃も出来ず回避行動しかできないなんてことにでもなれば目も当てられない……
「大丈夫よ。 貴方には本職の戦車乗りが本気をだせばどういう動きになるか体感させてあげる♪」
「は、はい……」
何故だろう? すごい悪寒を感じるのは……
「で、ではこちらは弾に制限がありますから後方に下がって見つからないように…」
「何を言っている。前進だ!! パンツァァァフォォォォォ!!!!」
「おおお!!!」
い、いつの間にかこの二人パンツァーハイになってる!? この二人を車長としてコントロールするなんて無理。 絶対無理……
しばらく前進して最初に接触したのは八九式中戦車甲型Bチームだった、と思った次の瞬間こちらに発砲してきたが命中はしなかった
「あら?共闘しないのかしら?」
八九式は撃ち終わった途端後方に全速後退を開始した
「いえ、おそらく私達を誘っているのかと」
あれがこちらを誘導するための囮なら待ち伏せ部隊は恐らくここから先にある森に配置しているはず。 だけどそれはあの子もこちらが予想していることも勘付いているはず……
「分かってはいると思いますがこの先にある森に注意してください。 それとこちらの後方にも」
「後方? 回り込んで挟撃すると?」
「ええ。 もし相手の指揮官が私が知っている相手なら十分考えられます。 ……見た目とは裏腹に容赦ない所ありますから」
「誘いには乗ってやるが向こうの手のひらに乗る義理はないだろう。出会って早々で悪いが八九式にはここでご退場願おうか。な~にエスコートはいらん、……こっちから出向いてやるさ」
大使のサングラスが鋭い光を放ったと同時にティーガーⅡの主砲の轟音が鳴り響いた次の瞬間には八九式が吹っ飛んでいた所だった
サークルKのネット通販見て驚きました・w・; まさか黒のカリスマの戦車があるとは……。