●●な転生者   作:yudaya89

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第最終話「●●な転生者」

 

 

「それは無理な注文だな。さてもう一つの要件は・・・  

 

 俺達を追うのはやめてほしい」

 

 

「あなた・・・自分が何を言っているのかわかっているの?」

 プレシアは俺に問う。

「無論無茶な要求というのは十分承知している」

「なら、こちらの返答内容も分かるはずよね?」

「ああ、しかし俺の話を聞いてからもう一度考えて欲しい。これは大事な話なんだ。冗談じゃあないんだ」

「じゃあ聞かせてくれるかしら?」

「ああ」

 

 

 人類等の細胞内にはミトコンドリアという生物が存在する。このミトコンドリアというのはおよそ数十億年前に好気性細菌という、酸素を使ってエネルギーをつくりだすことができる生物が、細胞に取り込まれ、その細胞内に住み着いてミトコンドリアになったという細胞内共生説がある。

 まず生物は細胞内に核があるかないかで分類される。核がないのが原核生物、核があるのが真核生物となる。ではその核というのはDNAを保管する細胞の事だ。原核生物の細胞もDNAを持っているが、核のようにDNAの周りを隔てる仕切りはない。ミトコンドリアは、そんな原核生物のひとつである好気性細菌が、真核生物の細胞に取り込まれてできあがったと考えられている。よってミトコンドリアを持つのは、真核生物の細胞のみとなる。

 このことから細胞内共生説はその名の通り、ミトコンドリアが細胞の中で細胞と共生するという説だ。これは地球と言う星の科学者の説であり、俺もこの説を支持している。

 

 

 

「私もミトコンドリアに関しては多少知識はあるわよ。その細胞内共生説の論文は読んだことがあるわ」

「流石だ。ならミトコンドリアが暴走したらどうなる?」

「ミトコンドリアの過剰反応?ATPの過剰生産による発熱があると思うわ」

「そうだな。過剰を超えてエネルギーが生産された場合、理論的には人体発火が生じると考えられる」

「それはないわ。過剰を超えたエネルギーの生産はありえないわ」

「ありえない、なんて事は、ありえない」

「・・・あなたの能力なら、そう細菌系の能力なら、それが可能という事?」

「いや、俺の能力はあくまでも病原体の支配、強化のみだ。しかし病原体の定義はウイルス、真正細菌、菌類、原生動物などの微生物のうち、宿主となる生物に【病気】を起こす性質を持ったものであると定義されている。ならば一時的にミトコンドリアを発熱を生じる病原菌として覚醒させればいい」

「そんな事・・・」

「ミトコンドリア・イブ・・・現生人類の最も近い共通女系祖先、俺はその女性のDNAを古代の地層より発掘し、そのDNAを改良する事で、他のミトコンドリアのエネルギー生産工程を変異させ、対象物の体内温度を上昇させる事が出来る。そうすれば可能だろ?」

「・・・可能・・・ね。そうなると、あなたは今この場にいる人間を触れずに殺せるのね」

「ああ、ただ殺すのではなく、人体発火で焼死させる。発生した炎が食道を焼き、肺も焼く。悲鳴も上げられず、息も満足に出来ないまま死んでいく。どうだ?そんな死に方を希望するか?」

「いえ」

「じゃあどうする?俺の要求を飲むか?それとも・・・」

 

 

 プレシアとクロノは相談するが、今レインの要求を受ける事も拒否する事も出来ない。受けてしまえば、管理局に帰還後上官より叱りを受け、再出撃を行う事になる。そうなれば、レインの怒りを買い、惨たらしい死が待っている。拒否しても同じだ。

 

 先に殺されるか、後から殺されるかの違いであり、結果は「死」のみとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 クロノが突如として苦しみだし、数秒もしないうちに炎に包まれた。息をしたことで、炎が気道を通り、肺に達した事で呼吸困難となり、声も上げる事もできないままクロノは息絶えた。

 辺りには肉の焼けた臭いが充満し、先ほどまで議論していたクロノは焼けた肉塊と化した。余りに突然の惨劇にプレシア、職員達の脳は、状況の把握が出来ずにフリーズした。

 

 

 

 最初に状況把握が出来たのは、ひとりの職員であった。状況把握が出来たということは、これから怒る惨劇を容易に想像することが出来ると言う事になる。そして

 

「うああああああぁぁ!!」

 職員の叫び声で、他の職員、プレシアも我に帰り状況を把握した。そして

 

 

 

「「「うわあああああ」」」

 これから行われる惨劇に立ち向かい、レインに攻撃を開始する者

 

「「「逃げろ!!!」」」

 その惨劇から逃げ出そうとする者

 

 

「待ちなさい!!」

 それらを止めようとするプレシア

 

 

 しかし

 

 

 

 「「「「「「「「「「!!!!」」」」」」」」」」

 

 プレシアの対応がレインにとっては正解の選択肢であり、それ以外の者は誤った選択肢であり、故にクロノと同じ惨たらしい死にざまとなってしまった。何も言葉が出ないプレシアをしり目に、

「一度帰還して上官と相談してみろ。そのデバイスに録画されてるだろ?今の惨劇の様子が」

 プレシアには、レインの差し出す「帰って相談しろ」という選択肢を選ぶ以外の道は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一人帰還したプレシアはすぐさま上官へと今回の惨劇について報告した。デバイスの記録を見た上官はすぐさま自分ではどうする事も出来ない事態と判断し、緊急会議を要請した。会議にはレジアス中将を始め、高官が出席しており、テロリストには譲歩する必要ない、今こそ管理局の力を見せる時等と言う意見が大半を占めた。会議の結果再出撃という事にほぼ決まり、あとは解散という所で事態は発生した。突然一人の高官の腕が燃えだしたのだ。そして腕から体へ炎が燃え移り、瞬く間に全身を炎で包んだ。そして一人が息絶えた直後、また別の高官の足が燃えだした。一人目と同じく瞬く間に炎は全身を包んだ。

 会議参加者はパニックとなった。同僚がデバイスの記録と同様に焼死しているのだ。会議室から逃げ出そうと扉に群がるが扉はビクともしない。扉は内側から鍵を掛ける事は出来ても外側から鍵を掛ける事は出来ない。一人の高官が会議室の椅子を手に持ち扉を破壊しようとしたが、魔法で扉は保護され物理では破壊できなかった。そこへ通信を知らせる電子音が端末から発せられた。そしてその通信相手はレインであった。

 

 

 

『アーーーアーーーー

アローアロー聞こえますかーーーどうぞ

管理局の皆さま こんにちわ

 

ぼく、レインでーす 初めましてー よーろーしーくーねー

こちらはただ3時のおやつの焼きイモを食べてる真最中、勿論火種は君達の部下の管理局員です。中々の火力が出て、ホカホカのイモが焼けてますwww

さて会議の結果はどうなった?俺を殺す?それとも不干渉?今から直接結果を聞きに行こうと思いま~す。俺を殺す?それなら

 

今からブッ殺しに行くぜ

 

小便すませたか? 神様にお祈りは? 部屋のスミでガタガタふるえて命ごいをする心の準備はOK?』

 

 そして通信が切れた直後に彼らに不幸が訪れる。先ほどまでビクともしなかった扉がゆっくり開いたのだ。そしてそこには先ほどまで画面で通信をしていたレインが居た。

 

「おいおい、そんなに驚くなよ。言っただろ?結果を聞きに行くって・・・で?どうする?命乞いをするか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後上層部から、いやレジアス中将から出されたのは

 

「以後、レインの調査、接触は厳禁とする」

 

 

 あの会議で生き残ったのはレジアスのみであり、そこで何があったのかを質問してもレジアスは固く口を閉ざしたままであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2年後 中島 灯

 

 レインの活動停止から早2年。レイン討伐で失った職員の補充や信用回復にずいぶん時間を要し、以前の管理局の体制、姿に戻りつつある。なのはに関しては、1年前に死亡した。血にトラウマのあるなのはの前で違う患者が足を切ってしまった。それを見たなのはがパニックを起こしその場から走って逃げてしまった。その際階段から転落死してしまった。

 プレシアさんも管理局を辞め、今はキャロとエリオの3人で静かに暮らしている。彼女達が管理局へ入職したいと申し出た際は、泣いて反対したそうだ。プレシアさんが体験したことを考えると当たり前だ。

 

 原作組は全員死亡、転生者も私を1人のみとなってしまった。これから先どうしようか・・・このまま仕事を続けるか、それともいい人を探して寿退社とするか・・・それもまた良いかもしれない。転生前に出来なかった結婚という道も悪くない。

 

 

 

 

 

 

「思いにふけるているところ悪いが死んでくれないか?」

「えぇ?」

 

 突然背後から私は襲われた。

「前回はワザと生かしておいたが、今回は確実に死んでもらう」

「・・ど・・・し・・・ぇ」

「だってお前も原作組の正義に賛同しただろ?俺は原作組が嫌いだ。だからそれに賛同しているお前も嫌い=殺す」

「・・・」

「第2の人生を謳歌出来なくて残念だ。第3の人生があれば、そちらで楽しくやってくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 中嶋の死により、レインが転生者である事が知られる事は無くなった。そしてこの一件が彼が最後に起こした事件であり、以後レインの犯罪活動は停止した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リリカルなのはの世界と聞いて小説のように、原作組と一緒に事件を解決するのも良かったが、第2の人生は好き勝手に生きる事にした。

 

 

 人を殺して、犯して

 

 

 他人の人生を壊す

 

 

 好きな時に寝て、食って、犯して、寝て

 

 

 お前の好き勝手で殺された人間の気持ちを考えろ?

 

 死者は考えない、もう死んでるんだから

 

 

 そう怒るなよ・・・たかが言葉遊びじゃないか。

 

 

 だってそうだろ?

 

 

 

 

 

 

 

 俺は自分勝手な転生者 なのだから




 ミトコンドリアに関しては、一部創作しています。実際とは異なる部分がありますので、誤解しないようにお願いします。


 2作目の原作組全滅小説が完結致しました。続編やその他のカテゴリーでの投稿作品の御参照後、御意見お願いいたします。

 
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