それぞれが、それぞれの時間を楽しむ。
しかし、することはみな個性的で・・・?
初投稿です。筆者はケーキバイキングの経験がありません。
なので、想像で補って書いた部分がありますが、楽しんでいただければ幸いです。
隣人部部室、談話室4。
部員全員が珍しく揃っていた時のことだ。
コホンと、咳払いをした夜空が提案をしてきた。
「今度の土曜日、ケーキバイキングに行きたいと思う」
「何よ、夜空。藪から棒に」
「昨日、テレビでパティシエチャンピオンシップという番組を見ていた。審査員はリア充の固まりのようなイマドキのビッチ100人が投票する形で、それを見て私は確信した。友達を作るにはスイーツを食して笑顔になることが必要な
のだと」
「んー、分からなくもないわ。・・・そうそう!学校の近くに有名な洋菓子店があったわね。週末にはケーキバイキングを開くってチラシで見たし、丁度いいんじゃない?」
「うむ。実は私も考えていたところだ。では隣人部は今週末、ケーキバイキングに出向くとしよう。異論は認めん」
俺はその理論は女子に限ったことで、男子である俺、羽瀬川小鷹には関係のないことじゃないかと内心思いつつ、静かに首肯した。
○
土曜日の午後2時45分。隣人部一行は洋菓子店「サフラン」に集まっていた。
「ここが噂の店か・・・。初めて来たけど結構混んでるな」
「当たり前だ。メディアで紹介されたのだから、来店者数が上がるのは当然のことだ」
「もしかして、例の番組で優勝した店ってのはココなのか!?」
「いや、違う。決勝には三組が進出するが、サフランは総合3位の成績だった。しかしスイーツの造形部門では、審査員も最高点をあげていたのが、
視聴者の印象に残ったのだろうな」
なるほど、それでこの盛況ぶりというわけか。俺たちは前日に予約していたおかげで店員に円卓に案内された後、それぞれ席についた。
「いらっしゃいませ!バイキングコースは只今の時間から2時間となっておりますっ。ご了承下さい~」
「わかりました」
店員は伝票を渡したあと、軽く会釈するとカウンターの向こうに姿を消した。
そして、一瞬沈黙が訪れたあと、夜空が切り出した。
「では、食べていこうか」
「そうだな。時間制限もあることだしな」
ケーキバイキングが始まった。
○
「私は何から食べよーかな?シンプルに苺ショートもいいけど、チョコケーキの重厚なのもいいし、モンブランみたいな可愛い形のケーキも捨てがたい・・・。フルーツの盛り合わせなんて最高じゃない!悩むわね・・・」
「星奈、今日はバイキングだから、かたっぱしから味見すればいいんじゃないか?」
「あ・・・そうね。全部食べていけば問題なしよね!」
(いや、全部は無理だろう・・・)
○
「うおーー!なんだこれは!!でっかいぞ!」
「くーっくっく。これは闇より出でし混沌の美酒じゃ。口に含んだが最後、魔王の操り人形となってしまうのじゃ」
「ひぇー!そーなのかっ!おさけだったら、まりあはのめないな・・・」
「くーっくっく!我は夜の血族ゆえ、この極上のスープを堪能するとしようか」
「マリア、これはチョコレートフォンデュって言って、
串に刺した果物を流れるチョコに浸けて食べるものなんだ。だから子供でも食える。遠慮せずに食べろ」
「わっ!そーか!食えるんか!やったやった♪ありがと、お兄ちゃん!」
「あ、あんちゃ~ん!なんで本当の事ゆうんじゃ!」
「子供料金とはいえ、マリアもお金を払ってここにいるんだ。平等に食べる権利はあるだろ」
「そうやけど・・・。あんちゃんと一緒に食べたかったんやもん・・・」
「ん?なんか言ったか?」
「なんもないわ!あんちゃんのあほ~~~!」
そう言いながら、小鳩はマリアの隣で、チョコに浸した苺を食べた。
○
俺は適当にケーキを受け皿に取りながら、各テーブルを回っていた。
このサイコロみたいな形のケーキは種類も豊富で小さいから沢山食べれて満足感が大きそうだな。あとで星奈にも教えてやったら喜ぶかもな。他にもパンとかサラダもあるのか。甘ったるくなって嫌になったらこっちで口直しすればいいってわけだ。
他の部員はどうしてるんだ?と見回すとぼーっと立っているメイド姿の後輩が目に飛び込んできた。
「どうした、幸村。」
「あにき、これは何ですか?」
「これはシャンパンタワーだ。まあオブジェみたいなものだな」
「高いです。わたくしもいつかあの頂点に立って民を見下ろす、そんな漢の中の漢になりたいと思います。」
いや、これはそんな意味合いのものじゃないんだがな・・・。
「まあいつかそんな日も来るだろう」
「あにきが背中を押してくれるのなら、俄然やる気が出て参りました。いざ、登ってみます」
言って腕まくりをする幸村。
「待て待て!」
「何ですか?あにき?」
「これは見て楽しむ物なんだよ!だから間違っても登ったら駄目だ・・・」
というかその前に崩れる。
和やかな空間が一瞬で大事件に変わってしまう。例えば、静かな湖に、隕石みたいに人が落下して来たら、誰だって驚くに決まってる。
「あにきがそこまでいうなら、やめざるを得ません」
幸村はそう言いながらしぶしぶ袖を元に戻した。
「今はバイキングを楽しもうな。折角の食べ放題なんだから」
「左様ですね。豪勢な食べ物を食す絶好の機会なのですから、わたくしも盛り盛り食べることで強靭な肉体の糧に致しましょう。いつかあのシャンパンタワーを積み立てることの出来るもののふになるためにも」
いや、たくさん食べたからといってシャンパンタワーを積み立てる人にはなれないと思うぞ・・・
。
幸村は受け皿に山盛りのケーキを乗せて席に戻ると、黙々と(ハイペースで)ケーキを食べる作業に移ってしまった。
○
喉が乾いた俺はジュースサーバーに向かった。そこでは理科が忙しそうに紙コップを並べて作業をしていた。
「パイナップルが1で、柑橘系のが3の割合ですね。これはシークァーサーで代用しましょう。それからビール・・・はさすがにないので麦茶を入れちゃいましょう、同じ麦なんだし。それから、家から持ってきたとっておきを追加すれば、とうとう完成しますよ~。小鷹先輩をイチコロにする媚薬が・・・」
「おい、理科」
「うひゃっ!こ、小鷹先輩っ!!!!」
「こんなにコップを並べて何してたんだ。」
「いやいや、何もくわだててませんよ!」
「たくらんでたのかよ・・・。そうゆう実験は他でやればいいだろう」
「いや、理科室には小鷹先輩はいないのでノーグッドなのですよ」
「またワケの分からんことを言って・・・」
「まあまあ!とにかく先輩、これ入れたんで一口どうぞ!」
「イチコロのとか口走ってなかったかソレ」
「そ、そんなことないですよ!証明に理科も一口飲みますね」
そういって理科はコップを飲み干してみせた。
「どうですか!何も入って無いことが証明されたでしょう!」
「そうだな、だけどミックスジュースがもう無いぞ」
「はっ!理科としたことがスペシャルブレンドのおいしさに全部飲み干すなんて一生の不覚!折角さりげなく先輩と間接キスのチャンスだったのに!」
大抵は友達同士で混ぜて失敗するのがオチなんだがな。
スペシャルブレンドを編み出すなんて、さすが天才科学者だ。
「あー!もう一回作り直すんで待ってて下さい!」
「いや、俺もういくわ。時間制限あるしな」
時は金なり、バイキングの時間は有限だしな。
「そ、そんなぁ・・・。」
「代わりに普通のジュースを貰おうか。シークァーサーを頼む」
「ぐすん・・・。わかりましたぁ・・・」
そういって、理科はサーバーからジュースを注ぐと俺に手渡した。
「まぁそうがっかりするな。おいしいケーキが折角あるんだ、元気出せよ」
「そうですね。女子にとって甘い物は別格なのですよ~。媚薬で湧いたこの性欲で、小鷹先輩を食べてしまいたいのは山々ですが、代わりに食欲で満たしてしまいましょうか。ぐへへ・・・」
そういって機嫌を直して(?)くれたのか、一目散に目当てのテーブルに移っていった。
○
俺は理科に入れて貰ったシークァーサージュースを飲みながら自分たちのテーブルに引き返してきた。
やけに騒がしいと思ったら、星奈と夜空がまたいがみ合っていた。
「あら夜空、まだ6皿しか食べてないじゃない!私の方が上ねっ♪」
見ると、星奈の前には8皿、夜空の前には6皿、空の皿が並べられていた。
「はぁ?何を言ってるんだ、肉。食べ放題だからと言って無尽蔵に食べる奴があるか。ケーキバイキングは満遍なく幅広い
種類を楽しむものだとなぜ分からんのだ。そうやってがっつくのは体育会系のノリだけで十分だ。」
「う。さすがに私もお腹がいっぱいで気持ち悪い・・・」
アホか。さすがにペンギンみたいにパクパク食べる光景は女子としてどうなんだと俺も思った。
「ふん。ちなみに私は小柄なケーキ3つずつ皿に乗せていたからな。3×6=18で個数で言えば私の方が十も上回っているぞ」
そういって夜空は皿に残っていた5cm四方のサイコロみ
たいなケーキを食べた。
「え・・・(・u・)。そんなものがあったんなら早く言ってよ!(><)/」
「黙れ、肉。ちゃんと計画を立てて行動せんからこうなるのだ。自己のコントロールも出来ないのか。さっさと帰って頭を冷やす事をオススメするぞ」
「ふぇ・・・。うぁ~~ん!!よ、夜空のバカ★※☆♯◎~~~っ!」
泣きながら走り去っていく星奈。
「さすがに言い過ぎたんじゃねぇかな・・・」
「お、いたのか子鷹。大丈夫だ、肉にはあれくらいが十分だ」
相変わらずだな、この二人は・・・。
ケーキバイキングも終了時間に近づき、隣人部メンバーも集まってきたが、星奈の姿はなかった。
「星奈先輩、どうしたんですかね?」
「・・・まぁ、色々あってな。気にするな」
「そうですか?じゃあ時間も迫ってきてるので、出ましょうか」
「おう」
俺たちはレジで精算を済ませた後(星奈の分は俺が支払った)、夕暮れで橙色に染まる道に出て、解散の運びになった。
それにしても、今日は女子がたくさん食べていたことに驚
いたな。腹の中にブラックホールでもあるみたいに・・・なんてのは禁句だなと思いながら、俺は小鳩と家路を歩いて帰った。
END
綺羅星!
最近の深夜アニメって劇場版が多い気がします。
はがないもしないかな?同じレーベルとの同時上映、例えばゼロ魔、ブラスミ、アイエス・・・は違うのか。
絶望先生みたいなポジションは勘弁だけど、とにかく実現されれば大喜び!てなもんです。
そういえば傷物語は一体いつになるの?消失並に期待してるんだけど、まぁ、気長に待とうかな。
そんなわけ(?)で、「けーきばいきんぐ」でした。
本作は好きな同人作家さんに、はがない本を書いて欲しい…でも書かないみたい…じゃあ自分なりに書いたのがきっかけです。
思いつきで書いたので、読みにくいとは思いますが、感想などあればよろしくお願いいたします。