会話シーンホント難しい...
ー提督サイドー
「今回の作戦にあたり、初めて採用されたのが『連合艦隊方式』だ。我が鎮守府は呉と協力してウェーク島の攻略に当たることになった。これは分かるな?」
「...おう」
机の上には作戦海図、
目の前には1人の艦むs...艦息。
そうりゅうだ。
全体への大まかな説明を踏まえ、今は細かな打ち合わせを各艦隊相手に行っていた。そうりゅうは単独行動の為必然的に一対一での話し合いとなる。
彼は先ほどからどこかぼんやりとした表情で俺の話を聞いていた。
心ここに在らずといった状態か?
「何かあったのか?」
「...いや、続けてくれ」
...ほんとに大丈夫か?
今回はお前がしっかりしてくれないと困るんだが?
頼むぞまったく...
「実際に島へ攻撃するのは呉の金剛型4姉妹だ。うちは道中に出てくる敵の掃討を担当する」
するとここで表情が一変、不満げな顔になった。
「...編成」
「うん?」
「...戦艦と空母出てくるんだろ?軽巡駆逐じゃちょっと編成軽すぎのような気がすんだけど?」
一言呟いたと思ったらいきなり饒舌になった。
何だよ、ちゃんと考えてるじゃないか。
しかしよく分かったな。まだ敵の編成には触れていないはずだったが...他から聞いたのか?
「ほう、気がついたか。確かに練度が高くても大型艦相手にはちときつい編成だ。」
「だったらなんでこんな...」
無茶な編成を?と困惑したように聞いてきた。
なんでってお前...いや、謙遜するのは大事だぞ?
だがもう少し自信をだな...
「はぁ...お前も自衛艦なら自分のスペックに自信を持て」
「?..................あ、そうか」
おいちょっとまて、もしかして今の今まで自分の存在を忘れてたのか?
抜けてるんだかそうじゃないんだか...訳が分からんぞ今日のこいつは。
「先遣...まさか大型艦全部俺の担当なんていうんじゃ」
ようやく回線が繋がってきたようだな。
「そのまさか、だ。重荷を押し付けるようで申し訳ないが、今回道中に出てくる戦艦、空母はできるだけお前にやって貰う」
もちろん無理のない範囲で構わん。空母等に関しては中破でもいいと大体の目標を伝える。そうりゅうはやっぱりかと言わんばかりの顔だ。
「マジかよ...いくらなんでも」
「やっぱりお前でも難しいか?」
「いや、そうじゃなくて...魚雷が足りない」
できないとは言わずに弾薬の心配か...
自信があってよろしい。
「対策はある」
そう言って俺は海図中のある一点を指差す。
ウェーク島周辺の海域に限らず、敵にも味方にも幾つか存在する謎のルールの様な物、今回はそれを利用させてもらう。
今までの調査で分かったのだが、と前置きを入れて、未だに自分でもあまり納得出来ないある事実を口にした。
「どういうわけか絶対に敵が居ない場所があってな、それがここなんだ」
なぜかそのポイントだけは駆逐艦はおろか飛行機1機さえ出現しないらしい。航路の関係とは思うが...
説明するのに苦労するかと思いきや、そうりゅうは妙に納得していた。
『気のせいマス』とかなんとか呟いていたが、意味を聞いてもはぐらかされた。まあいいだろう。
「で、そこに呉の大鯨が配置されている」
「要するに洋上で補給しろと?」
察しがいいな。
「その通りだ」
「なるほどねぇ...でもそこまでしなくてももう少し編成なんとかならなかったのか?」
確かに、そうなんだが。そうなんだがな?
「弾薬が...」
「...うん、分かった。ごめん」
佐世保と舞鶴の作戦への積極的参加が期待できず、一つの鎮守府が複数の作戦をほぼ同時に実行するという事態が起きていて、その中には何度も出撃を繰り返さないと意味が無い場所もある。
1回の出撃で何とかできる所は一発で決めないと資源が大変なことになる。
そうりゅうは燃費こそ良いものの、弾薬に関してはとてつもない大食いだ。
だが戦艦や空母を入れた所謂『重い』編成よりマシではある。隠密性が高いので損傷の心配も少ない。
だがそれでもきついことには変わりない、金剛型四姉妹を呉から出してもらったのもそれが原因だ。
なるべく無理の無いように調整をしていった結果がこの一見すると無茶な編成だ、そうりゅう無しでは実行する気にはならん。
苦渋の選択だな。
「練度が高く、燃費が良くて遠征等の予定がないとなると必然的にこの編成しかなかった訳だ」
「ああ...なるほど、そりゃ合理的だな」
苦虫をかみ潰した様な表情。
だから何が気に入らないんだ?
やはり自分の役割が重すぎるか?
そうだとしても耐えてもらうしかあるまい…
「他に質問は?」
「いや、特に無い」
「そうか、出撃は3日後だ。あとは通信手段についてだが、話があるそうだ。後で工廠に行ってくれ」
「...分かった」
ーそうりゅうサイドー
言えない......
『如月はフラグだから誰かと変えろ』なんて。
言えるわけがない...
史実で沈んだから?弱いな。
今は今だと言われて終わりだ。
アニメで見た?
どうやって説明すりゃいいんだよ…
前世が人間でしたってか?
信用してくれるという保証は無い。
変に思われるのが、怖い。
後回しにしたツケが来たか...
折を見て、話そう。隠すのは流石に無理がある。今日も何度かボロが出かけた。だが今は無理だ。
もう少し信頼関係を得てから、だな。
フラグ回避の為にもここはやるしかあるまい。
幸いな事に執務室から出る直前、提督から『武器の無制限使用を許可する。全力でやってくれ』とお墨付きを頂いた。
胃の辺りを抑えながら。
俺もよく分かるよ?その気持ち...
弾薬って大事だね。
うん。
......よし、イベント後の事は気にしない!
オリョクルカレクルバシクルどんと来いだ。要するにあれだろ?
敵機が発艦する前に空母を全滅させればいいんだろ?
アニメの如月みたいな事故を起こさないためには、全力で事に当たらせて貰おうか。
提督には申し訳ないが、この際思い切って魚雷を撃ちまくってしまおう。
さて、とりあえず工廠に行こうか。
船の通信手段だって70年も経てば変わってくる。
現代の船舶には艦娘達が普段使っているモールス電信関連の設備は積まれていない。
衛星通信が基本のためあっても意味が無かったからだ。
だけど今はそれが無いと味方の艦や鎮守府とも連絡が取れない。
ようはちょっとした改造だ。
既存の設備そのままに、後付けでそれ用の機器を取り付ける。
退化なんて言うなよ?
そんな訳で前々から提督に相談していたんだが...
「あ、そうりゅうさん。例の物できてますよ!」
「お、おう。艤装持ってくるから待っててくれ」
改めて明石と妖精さん達鎮守府の変態技術者集団の実力を思い知らされた。まさか作戦前に完成するとは...
ーーーーーーー
「気をつけるのね!」
「戦果を期待してるでち」
「ああ、先に行くけど二人共頑張ってな」
艤装を工廠に持って行って。妖精さん達に取り付けをやってもらって。
明石と夕張が俺の艤装を調べて興奮、機密の部分に触れようとし、我が艦の妖精さん達がそれを鬼の形相で食い止めてたりと色々あったが。
いよいよ来ました出撃当日。
いつの時代も変わらず潜水艦は足が遅い為、水上艦より先に出なければならない。俺は先遣隊なので尚更だ。
いつも通りに起きた俺は出港前最後の朝飯を食堂で摂った。伊良湖さんの御飯マジで美味い。
他よりだいぶ早い出発だったのだが、
初の出撃なんだからと有志が集まって壮行会みたいなのをやってくれた。
そう、ドロップ直後に戦艦沈めたりと色々やっているが、公式には初めての作戦行動となる。
イ級のアレはどうなんだと言われそうだが、あくまで試験だからな。
腕試しの的にされる敵...
話を戻そう。
時間が時間だからか、実はこの壮行会、重巡より上の艦種がほとんど参加していない。何度も言うが朝が弱いのだ。重巡にも約1名お寝坊さんがいるが...戦艦空母は勿論夢の中。いくら起床ラッパを鳴らそうが機関が動かなくてはどうしようもない。
要するに長門は居ないのだ、うん。
......。
しょうがないとは分かってるけどね、悲しい事によく会うとはいえそこまで深い間柄じゃないし。ただ暫く会えなくなる前に挨拶だけはしておきたかったかなと...はぁ...
どうしたのかと言われる前に急落したテンションを何とか持ち直し、美味い飯をたらふく食べた。
海自の作業服から無反響タイルが付いたダイビングスーツに着替え、酸素ボンベの代わりに艤装を背負い、右腕に艦首を装着。
補給は済ませた、海図もバッチリ、忘れ物は無し。
さて、行くか。
暫く戻らないであろう部屋を出て、歩く。
寮を出ると青空が広がっていた。
微風。
最高の出航日和だ。
見通しが良く効くため敵機がこちらを発見しやすく、すぐ潜らなければやばい事になる。昼間は浮上厳禁だな。
...雨が良かったかね?
充電満タンだし、潜りっぱなしでも問題無いか。
さっさと行くか、と、視界を上から前に戻した。
本格始動前の朝の軍港。
もちろん人っ子一人......
あれ?
ま、まさか見送りに来たとかじゃ...え、えええ。
はやる気持ちを抑えつつ視界に入った居るはずのない『艦娘』の方へと歩を進める。
「長門...どうしたんだ?」
こちらに気付いて微笑を浮かべたものの、次の瞬間には俺の口にした台詞にむすっとした顔になる。
どちらの表情もご褒美です本当にありがとうございます。
「何だその言い方は。初の任務に赴く新人を激励に来ない奴がどこにいるというのだ...まあ、その、実は編成表を見て荷が重すぎないかと少し心配になってな...大丈夫か?」
「...確かに楽勝とは言えないけど、全力を尽くすまでさ」
尽くさないと如月のフラグが立っちゃうからな。
「そうか...そうだな、お前の実力なら何とかなるだろう。艦隊は別になってしまったが、応援してるぞ」
「うん、ありがとう。俺が言うのもアレだが長門も気を付けてな」
「ああ...しかし他の奴らはどうしたのだ?全く...門出には寂しすぎるぞ」
あれ...?
「い、いや、壮行会は食堂でやってもらったから別に...」
「な、そ、そっちだったのか...」
およ?
「知らなかったのか?」
そういえば大型艦の面々はどうしても起きられないから呼び出しは遠慮してるって聞いたな。長門だけは別なのかと思ったら違うのか...?もしや俺のためにわざわざ起きてきた何てことは...
「い、いや、れ、連絡に齟齬があった様だ。そういえば確かに食堂だったな...」
無いですよねー...
何だよ、夢見ちゃったじゃねえか。
みんなの事を気にかける長門さんマジ天使。やっぱりビッグセブンは格が違うね。はぁ...
「応援どうも。戦果を期待しててくれ」
「あ、ああ。お前も気を付けてな...武運長久を祈っているぞ」
「おう。じゃあ、行ってくるよ」
名残惜しいけど先遣隊だからな...足が遅いんだから急がなきゃ。
スロープを降りてゆき、足先から海へと入る。
本当は冷たいはずだが艤装の効果か水の温度は感じられず、体感温度は常に一定だ。
熱い冷たいあったら体調崩してオリョクルとかやってられないと思うし、当然っちゃあ当然か?
そのままザブリザブリと海水に浸かってゆく。体がふわりと浮いたところでいよいよ出航だ。
(主機始動!)
切りどころがggg
普段の2倍の文字数になりました...
頑張って更新しますので見捨てずにお願いします┏○┓