「……………」
私はあの時、全てを失った。
平和な日常など目にすることなく、私たちは戦場に身を置くことになり、その手を赤く染める。
また一機、また一機、また一機と……敵を排除していく。
その身が悲鳴をあげようと、私は……戦場の中央に立つ。
「
自分に言いかせるかのように唱える。
それが、彼の本当の力……目にすることなく、逝ってしまった力。
「……………」
私はロボットのようにひたすら繰り返す。
排除……排除……排除……。
もう一度、君に会いたい。
けして叶うことのない願いを信じて、私は戦い続ける。
そんなある日のことだった。
『
私は耳を疑った。
幻聴? いや、そんなことよりもこれが何なのか分からなかった。
『
「……っ!」
光の粒子はそう言った。
契約する代わりに願いを叶えてくれると。
「……彼に。彼にもう一度、会うことは」
『可能。そなたの生涯を委ねるなら。その願い叶えよう』
私は思わず声を出してしまいそうになる。
ようやく……ようやく、見つけた。
「いいわよ……その契約、結びましょう」
『承諾』
言って、光の粒子は私を飲み込んだ。
「待っていてね。今度は……間違えないから」
私は首にかけていた写真が入ったペンダントを手にとり、開いた。
「一夏くん……」
その日、世界から一人の少女が姿を消した。
だけど、彼女に待っていたのは地獄だった。
「……………」
最初は良かった。
しかし。
「どうして……」
彼女は膝をつき、彼の前にいた。
生暖かい液体……
そして、目の前が暗くなり……あの日に戻される。
夢……悪夢と言っても過言ではない。
「……あ」
私は思わず叫んでしまった。
「あああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁああぁぁぁっ!!!!」
違う。こんな事は私が望んだ願いではない。
私はただ……もう一度、彼と一緒に居たいだけ……それなのに、世界は……私を裏切った。
156829回……それが、彼女がやり直した回数。同時に彼が死んだ回数。
私はもう立つ気力すら湧かなかった。
いくらやり直そうが……彼は死ぬ。
いくら回避させようが……彼は死ぬ。
いくら頑張ろうが……彼は死ぬ。
決して出口のない世界に私は閉じ込められた。
『……時間』
私の目の前にあの時、契約した光の粒子が姿をあらわした。
殺してやる。と思ったが、形のない物をいくらやろうと、届くはずもない。
だけど……今回は違った。
『指名された……』
そう言って、私の身体は粒子となって、消えた。