皆さんありがとうございます。
この先もよろしくお願いします。
「初めまして、織斑一夏くん♪」
一夏の前には赤いリボンをした水色の髪の女子生徒が「挨拶」と書かれた扇子を広げて待っていた。
赤いリボン。それは、IS学園二年を意味している。
つまり、彼女は一夏にとっては先輩に当たる人物だった。
「何か御用ですか? 先輩」
「あら? 以外と驚かないのね」
そう言って、彼女は一夏に近づく。
「私は更識楯無。生徒の長、この学園の生徒会長さ……そして、コレの参加者でもある」
楯無は
それを見た一夏は驚きを隠せなかった。
「令呪……」
楯無の甲には
一夏は思わず右手を抑える。
しかし、楯無はそれを見逃さなかった。
「一応調べはついているけど……あなたも参加者だと言うことは、今の行動で確信できたわ」
楯無は再び扇子を広げる。
そこには先程まで書かれていた文字とは違い「聖杯戦争」と書かれていた。
「今ならまだ令呪を差し出せば見逃してあげるわ。最悪、腕の神経を剥がすことになるけど、死ぬよりはましね」
「それはできない」
「そう……なら仕方ないわ」
そう言って、楯無はサーヴァントの名前を言おうとした瞬間。
「キャ―――!」
「「!?」」
離れたところから生徒の悲鳴が聞こえたのだ。
「いまの……」
「悲鳴……よね?」
一夏は楯無を無視して悲鳴が聞こえた方向へと向かう。
「ちょ! 待ちなさい」
楯無は一夏の後を追う。
そして、悲鳴があった所には一人の女子生徒が倒れていた。
「気を失っているだけみたいだ」
「! そんなわけないでしょ! 中身が空っぽだってわからない!?」
楯無はこの生徒の異常性に気付いたのだ。
「中身が空っぽ?」
「魔力、もっと極端に言えば生命力ね……放っておいたら死ぬわ」
そう言って、楯無は生徒に魔力を注ぎ込む。
数秒した時に生徒は息を吹き返し、一夏は安心する。
その時だった。一夏は誰かに見られている気がしたのだ。
「危ないッ!」
楯無に目掛けて何かが飛んできたのだ。
生徒の治療に専念していた楯無は無防備だった。
一夏は腕を伸ばし、それを直に受ける。
「っ!」
「な……何よそれ……」
一夏の腕から大量の血が流れる。
それでも一夏は立ち上がり、飛んできた方向から目を離さない。
「血がそんなに……痛くないの!?」
「痛い。とんでもなく痛い」
一夏はその者が去るのを感じ、その者を追った。
「更識先輩。その子を任せます」
「え?」
楯無を狙った者は林の中に逃げ込み、一夏は周囲を警戒しながら進む。
その時だった。
「なッ!?」
一夏目掛けて突進する者に気付き、一夏は間一髪でそれを避けた。
「サーヴァント……」
薄紫色の長髪。眼帯に黒を基調としたボディコン服を纏い、鎖のついた杭のような短剣を持った女性がそこにいた。
サーヴァントは再び姿を隠し、一夏はサーヴァントからの攻撃を避けるのに専念する。
「驚いた。令呪を使わないのですね。あなたは」
「あいつに血生臭いことはさせたくないのでな」
一夏は木の影に隠れ、サーヴァントと会話する。
右腕が使えない一夏は左腕だけISを部分展開し、雪片弐型を呼び出す。
「そう、わたしのマスターと違って勇敢なのですね。では、わたしもやり方を変えましょう。あなたは優しく殺してあげます」
サーヴァントは一夏に目掛けて突進し、一夏は杭のような短剣を雪片でガードする。
懐にはいられた一夏はサーヴァントの連撃を上手くかわす。
「たいしたことないな。他のサーヴァントに比べたら迫力不足だ」
「いいえ、そこまでです。あなたは始めから私に囚われているのですから」
何かを引っ張る仕草をすると、一夏の右腕が引っ張られる。
「ぐぁあああ!!」
楯無を庇った右腕には杭が打ち付けられていた。
そのまま、気にぶら下がる形にされる一夏。
「さて、先程は何か興味深いことを言ってらしたようですが……たしか私は他のサーヴァントに劣る、でしたか? それは困りもんですね」
女性はゆっくりと一夏に近づく。
一夏は雪片を振るが、あっさりと返されそのまま、抑え込まれてしまう。
「まずはその誤った目からいただきます。残った手足はそのあとに」
一夏の右目の前には女性の指がある。
そして、力を込められ抉り取られようとした瞬間。
「っ!?」
無数の剣が一夏の前から降り注ぐ。
女性は後ろへと回避し、一夏を縛ってた鎖は先程の剣によって切られる。
「……………」
一夏の前に現れたのはアーチャーだった。
アーチャーの周りには無数の剣が浮遊している。
今にでも発射しようとしていることに女性はその身体を霊体化させ、その場から立ち去った。
「織斑君! 無事!?」
楯無が一夏の後を追って来たのだ。
アーチャーは既にその場にはいなかった。
「とにかく、血止めしないと」
そう言って、楯無は一夏に応急処置を施す。
「それでさっきの子は?」
「持ち直したから大丈夫よ」
一夏はそれを聞いてほっと安心する。
「何よじーっと見て。言っとくけど私じゃないからね!」
「わかってる。俺が言ってるのはさっきの続きだよ。やるのか?」
そう言って、一夏は雪片を向ける。
しかし、楯無は。
「はぁ……」
何故かため息を吐く。
「やらない。今日はここまでにする。借りができちゃったし」
先程とは違って、戦意が見れなかった。
「じゃあ行くわよ。その傷ちゃんと治療しないと。生徒会室に着くまで我慢して」
「生徒会室?」
一夏はわからなかった。
楯無は保健室ではなく生徒会室を指定したのだ。
一夏は言われるまま楯無の後に続き、生徒会室に連れてかれる。
「虚ちゃん。処置の準備をお願い」
「はい」
生徒会室に入るといきなり楯無は眼鏡に三つ編みの三年生に一夏を任せたのだ。
虚と呼ばれる女性は一夏の怪我の手当をする。
一夏の治療を終えると楯無が一人の女子生徒を連れて戻って来た。
「あれ? アルトリアさん?」
「やはりそうでしたか」
以外な人物に一夏は驚く。
「あなたたち、面識があったのね」
楯無も以外だったようだ。
楯無は中央の席に座り、アルトリアはその横に立つ。
「さて、今回の件で色々と厄介なことができちゃった訳だし……私が言うのもなんだけど」
楯無は両肘を付けて、一夏に一つの提案を提示した。
「同盟を結ばない?」
「はい?」
一夏は楯無から提示されたことには驚きを隠せなかった。