「な、何故……貴様がそれを持っている……」
その場の誰もが、その剣には目を奪われる。
一夏の《雪片》の原型。世界に一本しか存在しない。最強の剣。
「零落白夜……」
アーチャーはそんなことなど気にせず、ラウラに雪片を振る。
エネルギー刃が現れ、一振り、二降り……三降り。時間が停止したかのように雪片がすんなりとラウラの身体を通り過ぎた。
「がぁっ!? 馬鹿な……」
遅れて、ラウラが膝を着いた。
シュヴァルツェア・レーゲンのSEが尽き、強制的にISが解除される。
その瞬間、アーチャーは背後からの一撃を防ぐ。
鞭のように伸びた剣。その先にいたのは楯無だった。
「ようやく姿を現したわね」
「……………」
アーチャーは雪片から愛剣の黒と白の双剣を投影する。
「さて、知っていることを全て話してもらおうかしら?」
「いやよ。……あなたに話すことは何もない」
アーチャーと楯無は周りの生徒など気にせず、ぶつかり合う。
ISを纏った楯無の攻撃をいとも簡単に受け止め、カウンターを放つ。
楯無もアーチャーのカウンターを防ぎ、次の攻撃に入る。
「やっぱり、サーヴァント相手では正直、キツイはね……セイバー」
アーチャーの横から何かが迫る。それに気づいたアーチャーはぎりぎりだが、避ける。
その一撃は完全に避けることはできず、いつも付けている狐の面に罅が入った。
楯無の隣には軽く簡素な鎧の上に青色の外套の女性。アルトリアが立っていたのだ。
「待ってください、更識先輩! その子は……俺のサーヴァントです!!」
「へぇ……そう言うことなのね。あなたが一夏くんのサーヴァント……でも、私はその子に聞かなきゃいけないことがあるのよ」
一夏の言葉など無視し、楯無とアルトリアはアーチャーに攻撃を仕掛ける。
アーチャーも流石にこれはきついと一夏は判断し、ISを展開するが。
「来ないでっ!!」
「! 何を言っているんだぁ!! このままじゃあ……」
アーチャーに止められた。
「大丈夫よ……」
アーチャーのその一言はすぐに分かった。
楯無とアルトリアの攻撃が迫り、一夏は思わず叫ぶ。
しかし、その一撃は届くことはなかった。
ガギンッ!!
金属同士が激しくぶつかり合う音が響いた。
「更識……これは、なんのマネだ?」
「千冬姉!?」
アーチャーに迫る攻撃を止めたのは、予想外な人物だった。
しかもその姿は普段のスーツ姿で、ISなど装備せず、楯無の一撃を素手で持ったIS用接近ブレードで受け止め、アルトリアの攻撃は何かを踏んだように、足を宙に浮かせている。
楯無とアルトリアは千冬から距離をとる。同じくアーチャーも下がり、一夏の隣に立つ。
「織斑先生……」
「騒ぎがあるから来てみれば……」
明らかに常人離れした行動にはアリーナにいた生徒全員、千冬から目を離さなかった。
「それより、これはどう言うことだ? 更識」
「それは……侵入者の……」
「違う……お前に言った訳ではない」
楯無はIS学園での義務を言おうとした瞬間、千冬はアーチャーの方に振り向く。
「なんでお前らが
その言葉を理解するのにそう時間がかからなかった。
なぜなら……
「やっぱり、あなたには敵いませんね……」
そう言って、アーチャーは面を外す。
そして、誰もが驚いた。
「なっ……どう言うことよ」
一番に驚いていたのは、楯無だった。
なぜなら……そこにいたのは、大人びた楯無がいたのだから。
「刀奈。更識 刀奈。それが私の真名。この度、アーチャーのサーヴァントとして現界したわ」
物語がこの日、大きく動いた。