楯無「さすが一級フラグ建築士。そろそろ死んでみたら?」
虚「私は感情抑制制御装置・フラグブレーカーの製作を提案します。どうぞ、企画書です」
『キアアアアアアーーー!!』
獣のような咆哮を発し、福音は一夏たちへと飛びかかる。
「天の鎖!!」
アーチャーは天の鎖を投影し福音を縛るが、勢いは止まることは無かった。
「神属性がないから、やっぱり無理か」
天の鎖は神属性を持った者には特に有効であり、神属性のない福音などには唯の鎖でしかなかったのだ。
そして、福音の頭部から、まるで蝶がサナギから孵るかのようにエネルギーの翼が生える。
「!! 我が旗よ、我が同胞を守りたまえ!
福音の異常なエネルギーの収束に気付いた一夏は白い旗を投影すると、その真名を開放した。
そして、福音の胸部、腹部、背部から、装甲がまるで卵の殻のようにひび割れ、小型のエネルギーの翼が生えてくる。それによるエネルギー弾の迎撃が降り注いでくる。
「ッ!!」
強烈な衝撃が降り注ぐが、専用機持ちは誰一人と負傷者はいなかった。
一夏が投影した結界宝具のおかげだ。
「一夏くん!?」
「あぁ……大丈夫だ。少しばかりシールドエネルギーを持っていかれた程度だ」
実際は一夏の言っている事は嘘だった。神造兵装である『
「行くぞ!!」
福音の一斉射撃を避けながら、シャルロットとセシリアは射撃を続ける。
収束砲に入れば鈴の一撃でそれが放たれる前に斜線を逸らす。
「一夏!!」
ラウラ、シャルロットが福音の行動を一時的に封じ、一夏とアーチャーは一本の剣を投影した。
一夏とアーチャーは残されたシールドエネルギーでその真名を解放する。
「「
一夏とアーチャーは残りのシールドエネルギーを全てこの一撃に込め、
「「
解き放った。
「「おおおおおおっ!!」」
一夏とアーチャーは
黄金の斬撃は福音ごと岸へと追い込む。
岸に到達と同時に黄金の柱がそびえ立つ。
しかし、それでも福音はまだ立ち上がるが、一本のエネルギー刃が福音の喉笛に食い込む。
「これで、お終いよ……福音」
アーチャーの雪片の一撃が銀色のISに止めを刺す。
アーマーを失い、スーツだけの状態になった操縦者がそこに残り、アーチャーは空を見る。
「終わったな」
「うん……そうだね」
あれほどまでの青さを誇った空はなく、すでに夕闇の朱色に世界は優しく包まれていた。
◇
「作戦終了―――と言いたいところだが……お前たちは独自行動により重大な違反を犯した。帰ったら反省文の提出と懲罰用のトレーニングを用意してやるから、そのつもりでいるように」
「はい……」
戦士たちの帰還は、それはそれは冷たいものだった。
腕組みで待っていた千冬に一夏たちはきつく言われ、勝利の感触さえおぼろげだ。
「お、織斑先生。そのあたりで……」
怒り心頭の千冬に対して、真耶はおろおろわたわたとしている。
「……しかしまあ。よくやった……全員、よく無事に帰ってきたな」
なんだか先程とは違って、照れくさそうに千冬はそう呟いた。
「さあ皆さん。怪我の具合を診察しますよ! 織斑くんはあとで見ますからね」
真耶は一夏を残して、箒たちを連れて旅館へと行ってしまった。
一夏はふと空を眺める。
◇
「この辺りだったはずだが……」
ライダーはマスターたちが旅館に戻って来てから、おかしな視線を感じていた。
視線の先は山からであり、ライダーは単独行動でその視線を感じた場所まで来ていた。しかし、そこには誰もおらず。
「気のせいだったか……」
ライダーは何もなかったようにその場から離れようとした瞬間、後ろから何者かに刺される。
「
電撃的衝撃を受けたライダーはその場に膝を着くが、すぐさまそいつから距離を取る。
「クッ!?」
ライダーはすぐさま霊体化を実行するが、出来なかった。
「!? 何故出来ない!?」
ライダーの行動を面白がるように笑う一人の女性。
「
ライダーの真名を口にした女性は黒い旗と剣をライダーに向け。
「これは憎悪によって磨かれた我が魂の咆哮!
煉獄の炎がライダーを襲い、そして、地中からいくつもの槍がライダーを串刺しにした。
火柱が立ち、ライダーの姿はそこにはなく、完全に焼き払われる。
「あぁ……素晴らしい力だわ」
女性は手首に付けられたブレスレットを眺め、再び一夏たちのいる旅館を見る。
「本当の聖杯戦争を始めましょうか」
そう言い残して、その場を去った。