Fate/Infinite Stratos   作:ぬっく~

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第40話

「それで、被害状況は?」

 

IS学園生徒会室。そこに集められた織斑千冬以下数名の教員がいた。

学園祭に起きた襲撃事件の被害状況の説明が行われる。

 

「幸いにも死者はなく、ケガ人も多少でした」

 

襲撃の首謀者はあの亡国機業だったのにかかわらず、ケガ人のみで済んだのが幸いだったのだ。

 

「ですが……」

 

進行役の虚は言葉を詰まらせた。

死者もなく、ケガ人もさほどなかったが、行方不明者が一人いたのだ。

 

「依然として、織斑一夏の行方は掴めておりません」

 

その言葉に教員一動、息を飲む。

最初は亡国機業が関わっていると思われていたが、目撃者の情報から彼らとは全くの無関係であることが判明し、第三者の介入ということで捜索が行われた。

しかし、更識家の力を使っても未だにその行方が掴めていない。

 

「一刻も早く見つけてもらわないといけないと言うのに……」

 

世界を揺るがした人材が野放し状態となると、それは大問題でしかなかった。

 

「こちらも総力を上げて捜索に乗り出しております」

 

「いいわ。小さな情報でもいいから、されに関する物があったら、即時報告して」

 

「了解しました」

 

報告が終わり、千冬を除く教員が退室する。

 

「更識。貴様、犯人に心当たりがあるだろう」

 

「…………」

 

楯無は口を閉じる。

確かに楯無は一夏を誘拐した犯人を知っているが、これは果たして話していいのか迷っていた。

 

「情報を伏せてことから、犯人は魔術関連の奴だってことはわかる」

 

「ええ。確かに、これは魔術関連の案件よ」

 

常に日頃、秘匿されてきた魔術。

千冬は一応は魔術師の家系の人間だ。

しかし、千冬の両親は魔術のマの字すら教えていない。

 

「なら、教えてくれ。でないと……」

 

千冬の握っていた拳はもう赤くなっており、血が垂れていた。

楯無も分かっているが……。

 

「ごめんなさい。それは、できないわ」

 

「更識!!」

 

千冬は勢いよく立ち上がり、テーブルを叩きつける。

 

「だけど!」

 

千冬が楯無の襟を掴もうとしたところで、止まる。

 

「二度と日常に戻ることができなることになるけど、それでもいいですか?」

 

「どう言うことだ……」

 

「今、丁度空席のサーヴァントがあります。彼女と契約すれば犯人とかち合うことができるけど、二度と平和な日常に戻ることはできなります。それでもいいですか」

 

「…………」

 

魔術の領域に手を出すことは、今まで生活を捨てることにならなかった。

楯無は家が魔術の家系だったから仕方なかったが、妹には魔術に関わって欲しくはなかったが、巻き込んでしまったことを悔やんでいたが、千冬は違う。

彼女はまだ、魔術には手に出していない。

まだ、戻ることができる。

だけど、千冬の決意は変わらなかった。

 

「構わん」

 

「…………」

 

楯無は千冬の決意を目にし、そっと閉じる。

 

「わかりました。虚」

 

「はい」

 

虚は頷き、生徒会室を出る。

 

「織斑先生にはまず、この言葉を覚えてもらいます」

 

「ああ」

 

千冬は楯無から再契約の呪文を教わる。

そして、虚が戻ってきた。彼女の後ろからもう一人を連れて。

 

「アーチャー。今のあなたは単独行動のスキルのおかげで現界しているけど、いつかは限界が来るわ。お願いだけど、織斑先生と契約して頂戴」

 

「あなたの指示には従わない。あたしはあたしだけで、彼を見つける」

 

「っ。今この場で殺ってしまいたいけど、今は一夏の捜索が優先だから後回しにしていることだから感謝しなさい」

 

「それが言いたかっただけ? なら、邪魔しないで頂戴」

 

そう言い残して、アーチャーは生徒会室のドアに手をかける。

 

「本当ならね。でも、あなたに一つだけいい情報をあげるわ」

 

その場でアーチャーがピタリと止まる。

 

「織斑先生と契約すれば、あいつとかち合わう可能性が高くなるわ」

 

「…………」

 

「どうする? このまま魔力が尽きて消えるのと、消えない。どっちがいいかしら?」

 

「っ。悪魔め」

 

楯無はニコッと笑い。

 

「悪魔でもいいわ。話を聞いてくれれば」

 

そして、アーチャーは渋々。千冬と契約する。

千冬の魔術回路は一夏に比べて少ない。精々、その場に現界させるのが精一杯だった。

そして、それを狙ったかのように、校内にサイレンが鳴り響いた。

 

「!? 敵襲!?」

 

楯無はすぐさま、生徒会室を出て確認すると、窓に隔壁が下ろされていた。

 

「一体なにが……」

 

すぐさま状況を把握しようと楯無が頭を回転させていると、誰かがこっちに来る音がした。

ガシャン、ガシャンと金属がすれる音。

そして、その音がする方から一人の女性がこっちに向かっていた。

 

「ごきげんよう……セイバーのマスターさん」

 

楯無は彼女が誰なのか知っていた。

 

「ジャンヌ・ダルク……」

 

織斑一夏を誘拐した張本人がいたのだ。

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