やはり俺が光の勇者と出会うのは間違っていない。 作:あっき1995
第1話 誘拐?いいえキャトられました
「や~いヒキタニー、こっちくんじゃねぇよ」
「キモチわりぃんだよ!」
「なんで学校来てんだよ。意味ないだろ~」
比企谷八幡は幼いころから理不尽な迫害を受けていた。
(やめろ、やめてくれ!俺を否定しないでくれ!)
そして存在を否定されるたびに心がすり減っていき、いつしか生きることに絶望してしまった。
(なんで…なんで俺だけ。俺は否定され続けることだけが存在理由なのか?)
八幡は独りでもがき苦しんでいた。両親や妹にこのことを話したことはない。
いつからか家族が自分を見る表情に影が差しているのを認識したときから心配をかけまいと何もないそぶりを続けていたが、もう八幡の心は限界であった。
(もう、疲れたよ)
中学校からの帰り道、八幡は家に帰らず途中の路地裏で膝を抱えて地面に座ってしまう。
幸い人通りが無いので声をかけられることはなかったがヒトではないものが八幡に忍び寄る。
「ねえボウヤ、君はこの世界をどう思う?」
突然耳に入ってきた言葉に驚いて顔を上げると2人の女が立っていた。
気配もなく近づいてきた女たちに八幡が恐怖していると女は再び問いかける。
「ボウヤはこの世界で苦しみながら生きていきたい?」
先ほどと少し質問が変わっているがその内容は目を背けていた未来のようで八幡は必死に否定する。
「嫌だ。こんな世界いたくない!」
「その言葉を待ってたわ!」
女は待っていたといわんばかりに八幡にとびかかる。そして人間とは思えない力で八幡を押さえつける。
「なんだよ!いきなりなんなんだよ!」
八幡は抵抗するが女は全く意に介さない。
「あら、あなたが望んだことでしょ?この世界からいなくなりたいって。だから連れていくのよ、別の世界へ」
次の瞬間路地裏だった風景は一変し無機質な白い空間に変わった。
驚く八幡に女は話を続ける。
「あなたには改造を施して私たちに従ってもらうわ。侵略兵器としてね」
すると女たちは人間の姿から異形の姿へと変貌する。
「宇宙人!?」
「そう、私たちはピット星人。いずれ全ての宇宙を支配する神よ!」
そういうとピット星人は高笑いを始める。
「なんで俺が…なんで俺がこんなことに巻き込まれなくちゃならないんだ!」
いきなり起こった理不尽について八幡はピット星人へ怒りをぶつける。
「なんでかって?いいわよ教えてあげる。あなたの宇宙からは大量のマイナスエネルギーが放たれているの。そこから手っ取り早く強いマイナスエネルギーを放つ人間を捕まえてきた。それだけのことよ」
さも当たり前のように自分のことをモノとして扱うピット星人に八幡は恐怖を覚えた。
「でもホントにラッキーだったわ!マイナスエネルギーだけじゃなくて絶望のエネルギーも持ち合わせてるんだもの」
「きっと今までより強い兵器になってくれるでしょう!そうすれば宇宙支配も夢じゃないわ!」
ピット星人の口から次々と出てくる言葉は八幡をより絶望させるには充分なものであった。
(ハハハ…存在を否定され、侮蔑され続けて最後は侵略兵器にされて終わるんだな、俺の人生)
全てを諦めてしまった八幡を担いでピット星人は別の部屋に移動する。着いた部屋は十字架のようなものが鎮座するこれまた不気味で無機質な空間であった。大きな違いがあるとすれば一人先客が居たということだ。
「クソッ!放しやがれ!コノヤロー!」
八幡と同じくらいの年齢の少女が十字架に縛り付けられ、ピット星人に向かって叫んでいた。
「あらあら、相変わらず口がわるいわねぇ。でもそんなこと言ってられるのも今のうちだけよ。せいぜい足掻いてなさい」
ピット星人は少女の悪態を受け流すと八幡を十字架に縛り付ける。
「あと少しで改造の準備が終わるわ。それまでここで大人しくしてなさい」
そういうと部屋から出て行ってしまう。
「クッ!アノヤロー!おい、お前も連れてこられたのか?」
ピット星人がいなくなったことで少女の話し相手は八幡に移った。
「あぁ、いきなり連れてこられた。ところでここはどこなんだ?」
「ここは奴らの宇宙船の中だ。今は多分宇宙にいるんだろう」
「宇宙!?」
予想していない答えに八幡は驚きを隠せないでいた。そんな八幡に少女は質問を続ける。
「ところで、お前なんて名前なんだ?」
「比企谷…八幡」
「八幡か…アタイは希望(のぞみ)。まぁ、よろしくな」
話し相手ができたことで八幡の心に余裕ができた。
今度は八幡が希望に質問をする。
「なぁ、あいつらの目的ってなんなんだ?」
「奴らの目的は宇宙を支配すること。そのためにあいつらはいろんな宇宙を飛び回ってそこに住む生物を捕まえてきては侵略兵器に改造するんだ」
「じゃあ、今までにも…」
「ああ、何人も侵略兵器に改造されてったよ…もっともそのほとんどが無理な改造に耐えられなくて命を落としていったけどな」
そういう希望の表情は険しいものだった。実際に見てきたのだろう。捕まった人たちが次々に命を落としていく所を。
八幡はもう一つ質問をする。
「お前はいつから捕まってたんだ?」
「もう一週間近くここにつなげられてるかもな…といっても時計もなにも無いから詳しくはわからん」
ここで二人の会話は途切れてしまう。
しばらくすると再びピット星人が部屋に戻ってきた。
「準備が整ったわ。あなたたちを改造するためのね」
そういってピット星人は八幡と希望を十字架から降ろすと腕を拘束して連れていく。
「放しやがれ!コノッ!」
希望は連れていかれる最中も必死に抵抗を続けるがピット星人は意に介さない。
そうこうしている間に改造を施すための部屋に着いてしまった。
「さぁて、最初はどちらから改造してあげましょうか」
喜々として二人を見るピット星人の目には二人はおもちゃに見えていた。
順番を決めたのかピット星人はまず希望の腕を掴みあげる。
「じゃあ、最初はあなたから改造してあげるわ!」
そういって希望を台の上に乗せ縛り付けようとする。
「放せ!やめろ!」
必死に抵抗を続ける希望の目から涙がこぼれる。
その瞬間八幡の中で何かが吹っ切れた。
(このままこいつらの言いなりになってたまるか!)
八幡はピット星人の拘束を振りほどくともう一人のピット星人に向かって体当たりをする。
「こんのー!!」
「キャッ!?このクソガキがッ!!」
ピット星人は八幡の首を締め上げる。
「グッ!」
すごい力で首を絞められ呼吸が徐々にできなくなっていく。
「何か勘違いしてるようだけど、私たちはあなたたちの肉体さえあれば生死は問わないのよ。私たちに楯突いたこと、死んで後悔しなさい!」
朦朧とする意識の中で八幡は強く願った。
(だれか、助けて!!)
ドォーーン!!
八幡が願った次の瞬間、宇宙船に強い衝撃が走る。
「何事!?」
突然のことに驚いたピット星人は八幡から手を放し慌てふためく。もう一人のピット星人は冷静に状況の確認をする。
「船体に被弾!?何かが艦内に入ってくるわ!!」
その直後、八幡たちのいるところへ光が入ってきて見る見るうちに人型へと姿を変える。
赤と青のボディに銀色のライン、胸には丸い宝石のようなものが輝いており、そして頭部に二対の武器のようなものが付いている。
初めて見るはずなのに八幡には既視感があった。それが何であったか記憶を探る。そしてあるヒーローのことを思い出す。
「あなた一体何者!?」
突然の侵入者にピット星人が質問する。
「知らないなら自己紹介させてもらうぜ」
侵入者は親指で口元を拭うと自らの名を名乗る。
「俺の名はゼロ、ウルトラマンゼロだ!!」
それはかつてテレビで見たことがあるヒーロー、ウルトラマンであった。
やっぱりクロスさせるならエックスだけでなくゼロが主体の作品も書いてみたいと思いました。
こっちはエックスのより亀更新になるかもしれませんが見て行ってください。
というわけで次回予告
八幡たちの前に現れたウルトラマンゼロ!
ゼロはその圧倒的な力でピット星人たちを倒していく。
次回、「出会ったのは光の勇者」
お楽しみに!!