織田信奈の野望~雑賀孫一に生まれ変わり~   作:ミスターサー

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御詫び、更新遅くなりました。申し訳ありません。

そして早いが、ハッピークリスマス!

present for you!
(スペル合ってるかな?)
↑英語苦手な作者


自炊と魂

「・・・できたぞ」

 

雑賀孫一、二十歳独身、職業は種子島指南役と裏雑賀衆頭目。

そんな男が今、料理をするために土間に降りていた。

 

「雑賀様、あとは僕等がやります。」

 

「・・・ん?いや良いよ。これくらいやるし」

 

一人の小姓が声をかけるが、孫一は料理を盆の上に置いて、片付けをし始めた。

 

孫一と先程の小姓以外の手伝いはヒソヒソと話し声を上げていた。

 

「女の戦場(いくさば)で料理を」

「男だが中身は女では無いか?」

 

など話をしていた。

 

「聞こえてるよ、それに自炊をする日々を送ってきたんだ。

これくらいやらせろ。」

 

「うっ」と黙る手伝い達は蜘蛛の子を散るように消えた。

 

孫一は溜め息をついて、片付けを終えてから盆を持ち。自室に向かった。

 

ちなみに、この自炊癖は世の裏を知ってからである。

裏雑賀の当主で有るも関係なく、昔毒殺されかけた事によってのトラウマによっての癖である。

 

勿論、妹・・・正式には義理だが彼女には花嫁修業という仮の名目で自炊をするようにさせた。

 

また可愛い妹の為に毒殺を防ぐ意味も有った。

 

 

 

話は戻り、孫一は客室の部屋に戻り、盆を机に置く。

 

「・・・いただきます」

 

孫一の今日の夕食料理。

・白米

輝かしい炊きたてご飯

 

・八丁味噌のネカブ(ネギ)味噌汁

赤味噌なので味が濃いかも?しかし、ご飯が進む。ネギが食べやすい大きさで切られてる。

 

・酒

木の香りがする。すっきり喉越しが良い。

 

・八丁味噌の上澄み野菜炒め

醤油代わりに上澄みで炒めた。醤油ベースを考えた肉の無いただの野菜炒め。

 

・八丁味噌ときゅうり

味噌付けて良し、そのまま胡瓜食べて良し。酒のつまみに最適。

 

「もぐもぐ・・・味噌づくしだな。野菜炒め、ちょっと味が濃いな。」

 

孫一は、もぐもぐと食べる。政の帰り道で適当に買った酒を注いで呑もうとするが突然、襖(ふすま)が開き、数人の若侍が入る。

 

「雑賀孫一殿、我々について来てもらう」

 

「・・・無粋だねぇ、飯を食ってる最中だよ。」

 

「飯などコチラが用意する。安心してついて来い。」

 

「嫌だ。なんで行く必要が有る?それに誰が呼んでいるのか答えてくれ」

 

「言えん、しかしだ」

 

「良いから、黙ってついてこい!」

 

一人の若侍は短気だったのか、腹を立て声を立てて料理の盆を蹴飛ばす。

 

「・・・」

 

「はん、生意気言ってんじゃねーよ。さっさとついてこい!」

 

孫一は蹴り飛ばされた料理を見て黙る。

 

「聞こえてんのか!あぁ!」

 

「・・・なぁ」

 

「あ?」

 

「食い物ってのはなぁ!!精魂込めて作った奴が居るから回るもんだ!

テメェは食い物を粗末にしやがった!」

 

ダン!と孫一は立ち上がり、先程の若侍を背負い投げの要領で中庭に投げた。

 

「なぁあ!?」

 

そして他の若侍は孫一の突然の行動に驚き、口を開く。

 

「・・・あの料理はなぁ」

 

孫一はクルリと若侍達を見て―

 

「値切りを重ねてなぁ・・・」

 

トン、と足音を立て―

 

「安く、良い品を使った物ばっかりで」

 

黒い笑顔を振り向きながら―

 

「手間隙かけて作った料理なんだよ」

 

前に進む。そして孫一は「だから」と呟き。

 

「死ぬほど殴るが良いよな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ふむ、ふむ。で、何か?」

 

「何か、とか。その・・・うちの下の者が迷惑を」

 

「で?」

 

「えっと、申し訳ありません!」

 

「うん、やだ☆」

 

「即答!?」

 

「だって、こんな世の中なのに食べ物を粗末する奴を許すわけないだろ。食えねぇ、食えねぇって餓えてる奴も何処かに居る。

 

それに美味しい飯の元は、精根込めたうえに汗水垂らした百姓の一つの証だ。武家の魂の刀が宿るように、野菜には百姓の魂が入っているんだ。

 

オレが許せねぇのは、それだ。

オレだけじゃねぇ。雑賀や根来の奴等が見たら、一揆を煽りかけて潰すぞ」

 

「か、勘弁してください!」

 

「やだ!☆」

 

「うわぁああん!御先代に会わす顔がないよぉお!」

 

孫一は目の前で焦っている少女、柴田勝家を見てニヤニヤしている。ちなみにこのやり取りが、三回以上やっている。

 

しかし何故、勝家が孫一の前に居るのか。それは部下が孫一に対する無礼を行ったことの謝罪に来たのだ。

 

食事は台無し、同盟国の客将であるのにも関わらずに頭を下げないで上から目線。

 

もはや、どちらが悪いのか分かりきっている事だ。

 

でも孫一も悪いことをしている。武士の魂である刀を中庭にある木の枝に刺して、塩が混じった水を被せ。先程の武士の三人を罪人に行う簀巻き状態で別の木に宙吊り状態となっている。簡単に言えば蓑虫(みのむし)みたいな状態である

 

「ま、良いか。今回の件は手打ちにしましょう。暗くなりましたし。」

 

「本当ですか!」

 

「お、おぅ」

 

パアッ!と笑顔になる勝家を見て、孫一は今まで行った行動に良心を痛めてしまう程、心に矢が飛んで来た。

 

「・・・どうしましたか?」

 

「いや、うん。自分の心は醜いなぁ、って」

 

「?」

 

良心が傷んで何かが負けた・・・。そんな気がする孫一であった。

 

 

ちなみにその後、勝家が男三人担いで帰ったのには驚きを隠せなかったのと「何しに来たのだろう」と考えてしまった孫一だった。




孫「あとがたりとか、もう・・・どうでも良いや」

サー「ちょ、孫一さん!?」

孫「クリスマスなんざ」

サー「なんか暗いよ!カメラとめろぉ!」





孫「すまん、壊れた。あとがたり!あとがたりとは!本の最後の語りを語るあとがたりである。

さて二ヶ月ぶりの更新だが」

サー「ごめんなさい!」

孫「・・・ま、良いさ。さて、サーは今回なにかをパロったよな」

サー「はい、孤独のグルメをパロディしました。」

孫「だよねー。で今後の課題は」

サー「一巻を抜ける!」

孫「大丈夫か?」

サー「忙しくなるけど大丈夫!」

孫「と言うわけで今回のタイトルは!」


『来年の目標発表』

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