戦争コンビ(妹×弟)は暗殺教室で平和に暮らしたい   作:我輩は猫ではない

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潮田渚の時間

授業終わりの合図が鳴る。昼休みとなり俺は真っ先に殺せんせーの元へと向かった

「先生ー!」

俺はにこやか(元々糸目だけど)に笑いながら先生に近づく。先生はにゅにゃ?と言いながら俺の方を向いた

「折原君?どうしたんですか?」

「俺ね、先生の為にクッキー作ったんだ!良かったら食べてくれない?」

「にゅにゃっ!?せ、生徒が先生の為にクッキーを作ってくれるなんて…先生感動ですッ…!」

先生は余程感動したのか、目から黄色いなにかがぶしゃぁっー…と流していた。あぁっ…!流石人外!その液体のお風呂でも入りたいくらいだよ!!

『汚ねぇ…』

まぁ、クラス全体は引いた目で見てるけど俺には関係ない。寧ろ俺は興奮するし

「みんなにも作ったから、もし良かったら食べてくれないかな?」

そう言った瞬間、クラスがわっと湧いた。クッキーを配りながらお礼を言っていくクラスメイトを見て、取り敢えず掴みはまぁまぁかなっと思った

あはっ!まるで猿に餌をやっているようだよ!クラスメイトは俺の思ってる事なんて知らず、みんな『美味しい』と連呼していた

「お、美味しい…!」

「ふ、複雑…女子として負けた気分…」

「折原君ってお菓子作り得意なの〜?」

岡野さん、矢田さん、倉橋さんはクッキーを頬張りながら聞いてきたので俺は照れたように笑った

「う、うん…実は俺の知り合いに甘い物が好きな子が居るんだけど…その子に美味しいって言って貰いたくってお菓子作ってるんだよね…」

主にニコちゃんの為に。一回、兄さんが俺が作ったお菓子に下剤入れたんだけど、入ってるのにも関わらずお腹壊さず、平気に食べてたんだよね…!俺がお菓子を作る度、兄さんが徐々に下剤の数を増やしてるんだけどそれでも死なない。俺はこの時、彼女の怪物っぷりに歓喜した!流石ニコちゃん!!君は本当に俺を魅了してくれるよ…!

そんな出来事を思い出して、赤くモジモジとしていた俺を見た女子達はニヤニヤと笑っていた

「折原君!それって折原君の好きな子とか?」

「え、う、うん…まぁ…」

遠慮がちに頷く俺を見た女子や男子は驚いたように目を見開けた

「きゃっー!本当に!?どんな子どんな子!!?」

「せ、先生も気になります!教えて下さい!いいですか、これはあくまで先生として生徒の事情を聴いてるだけでそういうなのに興味は…!」

『煩悩だだ漏れだよ!自分の顔見ろよ!!』

先生に至っては隠す気のない、ニマニマとしたピンク顔で俺に問い詰めてきた

「えー…恥ずかしいから内緒!」

俺は人差し指を唇に当てて、ウィンクをした。すると一部の女子が顔を赤くした。やっぱり黙らせるにはこれが一番効くなぁ。A組で一回試したけど効果は抜群だったし

余談だが、これをニコちゃんにしたら青い顔でトイレにダッシュして吐いてたけどね。酷いなぁ、吐くほど俺がかっこ良かったのかな?

「えー!先生気になりますぅ!!」

「先生の頼みでもコレは譲れないかなぁ」

いずれわかると思うし。俺にいう気がないとわかった先生はちぇーっという顔をして諦めた。ちょっと待って今の顔なに可愛い過ぎる。もう一回して欲しい今度はちゃんと写メるから

「まぁいいです。折原君から貰ったクッキーを食べていたら今度は辛い物が食べたくなりました。先生、これから中国で麻婆豆腐を食べてきます。暗殺希望者があれば、先生の携帯にまで。それでは」

そう言って先生はマッハで飛んでいった。あー、先生可愛かったなぁ

教室では昼ご飯の体制に入っていた

「折原ー!飯食おうぜー!!」

「うん、いいよ」

俺は前原に誘われ、昼ご飯を食べ始めた。隣には前原以外にクラス委員長の磯貝がいる

「お前って本当になんでも出来るよなぁ。これだってそうだし」

前原はそう言うと俺があげたクッキーをパクッと食べた

「俺なんてまだまだだよ。それだったら磯貝の方が何倍も料理上手だよ」

「あー、確かに」

「え?折原も料理上手だと俺は思うけど?」

「おかず系じゃ、俺は負けるよ」

ニコちゃん甘いのしか食べてくれないし。一回いつものように下駄箱にお菓子じゃなくってお弁当入れてみたんだけど少し嫌そうに食べてたし。お菓子がよかったから少し拗ねてたんだよね。あぁ、本当に可愛いなぁ…!実は俺がお菓子を作ってるってわかったらどんな反応するのか楽しみなんだよね…!!

「おーい、折原ー。大丈夫かー?」

「…あ、ごめん」

いけない。ニコちゃんの事になると本当に考えが止まらないよ。なんでもニコちゃんと結びつけちゃうのは俺の悪い癖だね

「折原って偶にこういう事あるよな」

「頭痛いのか?大丈夫か?」

「うん、大丈夫だよ。ありがとう磯貝」

俺は眉を垂れ下げながらお礼を言った。すると前原が突然ニマニマと笑いだした

「そんな事より…俺は知らなかったぞー?まさかお前に好きな奴がいるなんてよぉ!なぁなぁ、誰なの?このクラスか?この学校の奴か?それとも他校か?」

「え…あ…」

前原は俺に馴れ馴れしく肩を組みながら言った。馴れ馴れしく触らないで欲しいんだけど、唯の人間風情が

「止めろ前原、折原が困ってるだろ。嫌なら言わなくていいよ折原。でも困ったりしている事があったらいつでも言ってくれ。俺が力になれるかはわからないけど、できる限り折原の力になるから」

「磯貝…うん、ありがとう」

爽やかに笑う磯貝を見て、この時クラスの全員はこう思った

『イケメンだぁ…!』

俺も少し思ってしまった。人外以外になびかない俺の心を少し鷲掴みにするとは…磯貝悠馬、なかなかやるなぁ…!

そんな事を思っていると、ふと視界に潮田と寺坂、村松、吉田の四人が教室から出て行くのが見えた

珍しい組み合わせだなぁ…

「?どうした、折原?」

「いや、なんでもないよ」

俺は前原達の方を向き再び昼食を食べ始めた

 

♂♀

 

午後の授業。国語。

「はい、それではお題にそって短歌を作ってみましょう、ラスト七文字を『触手なりけり』でしめてください」

触手なりけり…ね。はっ…!これはまさか先生に対する俺の人外愛が試されている…!?いかにして先生のハートを掴むのか試されているのか…!?

すると茅野さんが手を上げて、先生に質問した

「先生、しつもーん」

「? なんですか? 茅野さん」

「今さらなんだけど、先生の名前って何て言うの? 他の先生と区別するのに不便だし」

成る程、確かにそれは考えてなかった。俺としては先生という人外って事でも別にいいと思うけどね。まぁ名前があった方が愛着付けやすいけど

「そうですね、名乗るような名前はありませんね? 皆さんがつけてください。今は授業に集中してください」

そう言って先生は椅子に座った。

俺は早速短歌に取り掛かるが…駄目だ!先生への愛が強すぎて決められない!さっきから候補が二十以上あるがこの中から決めるのは難しいなぁ…

ふと先生を見ると…先生の顔色が薄いピンクっぽくなっていた。クソッ!ケータイで写メ撮りたいッ…!!すると短歌が完成したのか潮田が先生の元へと歩いて行ったが…

「…」

短歌にナイフを隠して先生に近づいていた。まさか殺る気?ま、どうせ無理だと思うけどねー

予想通り潮田は先生に短歌の用紙に隠していたナイフを出して先生を攻撃した。が、もちろん見事に先生は受け止める。先生が舐めきってる時だった。潮田の動きに変化が起こった。潮田は先生に油断を誘うかのようになめらかに先生に抱きつく。潮田の首にはなにかがぶら下がって…

 

教室に爆風が起こる。そぉっと目を開けると教室中にBB弾が飛び散っていた。あー、びっくりした…

教室の端では「ひゃっほう!」「百億いただき!」と寺坂喜び、教壇に駆け寄っていた。そんな三人を見て茅野さんが叫ぶ

「ちょっと!? 渚になに持たせたのよ!?」

「あ? 玩具の手榴弾だよ。ただし、火薬を使って威力を上げてる。三百発の対先生用BB弾が飛び散るようにな!」

へぇ、そんな使い方もあるんだ。少し参考になるかも

「死ぬ威力じゃねえよ。俺の百億円で治療費くらい……あ?」

ふと、寺坂が見たものは薄い膜に包まれて無傷の潮田。先生の死体に繋がって……

「実は先生、月に一度ほど脱皮をします。脱いだ皮を渚君に被せて守りました。逆に言えば月一で出来る奥の手と言うことです」

天井から聞こえた。天井から聞こえた声の主の顔を見て、俺の顔は恐怖…より興奮が勝った。自然に笑みが浮かびかけるがぐっと堪えた。ここで本性を見せてはいけない。その先生は誰がどう見ても……ぶちギレた表情

「寺坂、村松、吉田。主犯はお前らだな……」

先生の口調から『君』が抜け、敬語も消えた。一瞬、姿も消え一瞬で戻ってきたがその手にあったのは…家の表札だった。ほかにも表札らしきものを握っている。恐らくこのクラス全員の家の表札を取って回ったと言うことになる

凄いね先生、俺の家ここから少し遠い新宿なのによく回れたね…!

ゾクゾクゾク…!と化物の力を見て俺は更に興奮した

「政府との契約ですから、先生は君たちにはてを出さない。だがまた今と同じ手で殺しに来たら君たち以外になにをするかわかりませんよ?」

確かに先生は契約上、俺達には危害を加えられない。しかし、俺達の家族は別だ。兄さんが負けるなんて思えないけどねぇ。あの人は俺より酷い人間だ。主に精神が

寺坂たちは涙目で反論した

「なんなんだよ! 地球破壊とか! 暗殺とか。迷惑なんだよ! 迷惑な奴を迷惑な方法で殺してなにが悪いんだよ! 」

「迷惑? とんでもない、君たちのアイデアは素晴らしい。特に渚君の肉薄までのからだ運びは百点です」

さっきとは雰囲気が違い柔らかくなった。あー、良かった。あのままあの顔を見てたら俺の素がバレちゃう所だったよ。未だ俺の胸の高鳴りは収まらない

「でも、寺坂君は渚君を、渚君は自分自身を大切にしなかった。そんな生徒に暗殺をする資格はありません」

じゃあどんな人に暗殺する資格はあるのだろうか?俺の疑問に答えるように先生は答えた

「笑顔で胸を張れる暗殺をしましょう。君たちはそれをなせる力を秘めている」

胸を張れる暗殺…俺の脳裏に池袋で殺し合いをしている俺とニコちゃんの兄達が思い浮かんだ。あれは胸を張れる暗殺なのだろうか。正々堂々と正面対峙しているだけマシなのだろうか。あ、うちの兄さんは正々堂々してなかった

「さて渚君、先生は殺される気など毛頭ない。来年の三月まで君たちとエンジョイして地球を破壊します。どうしますか?」

「先生を……殺します」

潮田は笑顔でいった。あぁ本当にこの先生は俺を楽しませてくれる…!今、笑える雰囲気なら思いっきり大声を上げて笑いたいくらい興奮しているよ…!!

「ヌフフフフ、そう来なくては……では、今日はみんな殺せ次第帰ってよし!」

『えぇ!?』

先生の宣言にみんな席に戻り、ナイフや銃を持つが身動きが取れない。先生は表札の手入れをしている

すると今まで黙っていた茅野さんが閃いた顔をした

「殺せない先生……殺せん……あっ!殺せんせーは?」

その名前に、クラス全員異論はなかった

こうして、椚ヶ丘中学3-E担任、先生は殺せんせーと名付けられた

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