射手の頂点に立つ   作:クロアブースト

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第二次大規模侵攻中の玄界に直接的な関わりはありませんがガロプラ編へのプロローグです。ガロプラ編へと至る理由が分かります。後、今回は白夜と仙サイドじゃないです。


【閑話】海洋国家に降り立つ鹿

『どうして……』

 

少年は絶句する。安全な場所である避難シェルターに避難していた少年は病弱な妹を背負って逃げていた所へ少女は現れた。少女を狙うトリオン兵を引き寄せながら……

 

『GPSで探したんだよ?電話に出ないから、何時もは私のために何でもするって言ったくせにね……』

 

少年は少女に惚れていた。少女に認められたくて少女の望みを出来ることなら何だってしたが少女は少年に振り向かずそれどころか都合の良い道具だと思い利用していた。それを少年は理解しているし、例え報われなくても少女に相応しくなるために努力する事は自身の経験になると頑張って来た。

だが少女は少年ではなく、他の格好良い男の子を恋人にした。恋人が出来たから身を引こうとした少年を少女は今でも奴隷の如く利用しようとしていて初恋の人だからと無茶でない程度の事は叶えてあげていた。今回電話に出なかったのは最も大切な妹の危機だったからだ。

 

少年にとって少女は大事だが少女には助けてくれる家族も恋人だっている。しかし妹には自分しかいないからこそ少女に恋した少年は愛した人よりも妹を選んで無事な場所へ避難してたのだ。まさか避難する原因の化け物を引き連れて来るだなんて思わなかった。

 

『○○は私の事が大好きなんだよね。だから私の変わりに死んでくれる?』

 

少女は誘き寄せたトリオン兵を少年と妹を囮にして逃げ出す。避難シェルターにいた人々に狙いを変えてトリオン兵は襲い掛かる。殺されていく人々や喰われてしまった人々の悲鳴が聞こえる。

 

『お兄ちゃん!私を見捨てて逃げて!』

『嫌だ!真那(まな)は俺の唯一の血の繋がった家族なんだ!』

 

両親が死んで、祖父母に引き取られたが少年の心の支えは初恋の少女と病弱な妹だけだった。祖父母は優しかったがそれでも他人の様に感じたし、落ち込んだ自分を励ましてくれたのは何時も真那だったのだ。少年は妹を背負って逃げようとするが、人を背負いながらでは動きは遅く逃げ切れない。そしてバムスターに兄妹が喰われる直前、

 

原因の少女の笑い声が聞こえた…………

 

 

 

 

 

 

「最悪の目覚めだ」

 

忌々しそうに呟くかつて夢の中の少年だった青年、本田 忠勝。今は旅をしていて宿屋に寝泊まりしてた所である。彼はベッドから起きて部屋から出る。階段を降りると宿屋の主人と出会った。

 

「おはようございます。昨日はお楽しみ「それ以上言ったら殺す」…アハイ」

 

忠勝はからかおうとした宿屋の主人に釘を刺す。異性に興味が無いわけではないが今一緒にいるのは異性として見るには無理がある問題児だからだ。

 

「ん、何だ?」

 

外が騒がしいので忠勝は窓を開けると他国が攻め混んで来ていた。

 

 

 

 

 

 

海洋国家リーベリー、広大で豊かな海を持つ水の世界だ。玄界に接触している国の一つであり玄界で第二次大規模侵攻が起こる数日前にアフトクラトルの軍勢から遠征部隊が送られていた。軌道状の距離の問題か、侮られていたからかは定かではない。しかしマザートリガーに人柱として入れる金の雛鳥捜索の為に彼らの準備は抜かり無かった。

 

「ば、化け物め……」

 

今回の遠征部隊の若き隊員ミストは目の前に立つ青年に震えながら呟く。今回の侵攻前に情報収集を行い敵の戦力は把握していた。そして水中活動に適したトリオン兵達をばらけさせる事で戦力を分散させてラービットでトリガー使いを捕獲し、ラービットに対抗できる戦力にはトリガー角による強化トリガー使いが相手をするのが役目だった。遠征メンバーが次々と出陣し、隊長である男まで出ることになったのは予想外だったとはいえ戦力的には優位だった。

 

 

この青年に突然上空から遠征挺を叩き潰されるまでは……

 

 

 

トリガー使いを捕獲して各メンバーが遠征挺へ合流した所を突然空から甲冑を来た青年が船に落ちてきて槍を振り下ろすと船がミンチになるように押し潰された。

 

「貴様…我々の船を!?」

「落ち着け、今はこの小僧を倒すのが先だ」

「……はい、隊長」

 

帰る手段を失うという最悪の事態に彼らは動揺が生まれたが隊長が治めると直ぐ様冷静を取り戻すのは遠征メンバーだからだろう。潰した遠征挺に振り下ろした大槍を持ち上げ穂先を彼らへ向ける。

 

「俺の渡航予定を邪魔しやがって貴様らは殺す!」

「「「「!?」」」」

 

青年が殺気を放つと周囲が歪んで見えるほどの禍々しい殺意が彼らにぶつけられる。それは今まで狩る側だった遠征メンバーに恐怖を与える程だった。先程まで怒りがあったのに今では関わりたくないとすら思ってしまう恐怖を感じて瞬時に気持ちを建て直す為に瞬きをしてしまった。それが致命的なミスだった。

 

「!?」

 

ミストが目を開いた時に最初に見たのは周囲を吹き飛ばす爆風が吹き荒れる。そして斬られた仲間の手足が宙を舞っていた。

 

「クラン、アウィン!?」

 

手足の持ち主である仲間の少女と男性の名を呼ぶ。

 

「くっ、何が起こったの?」

「全く見えなかった」

 

目を閉じた自分だけでなく二人も分からなかったらしい。

 

「ハッ!?さっきの奴は!」

「いないわね」

「逃げた……のか……」

 

クランの言葉に拍子抜けかと安堵するミスト。だがアウィンは背後を見て震えていた。

 

「う、嘘だろ……」

「どうしたのアウィン!」

「一体何が………」

 

クランとミストはアウィンが見た方向を見ると

 

 

腹に大槍を貫通させて壁に縫い付けられ、口から血を流して絶命していた隊長がいた。

 

「た、隊長!?」

 

叫ぶミストを気にせず槍を引き抜く甲冑の青年。

 

「次は貴様だ」

 

青年は地面がひび割れる程の踏み込んでアウィンへ向かう。

 

「【闘牛(タウロマキア)】!」

 

アウィンは自身のトリガーで牛の兜に甲冑を纏って突進する。身体強化と耐久力に特化しており、硬いモールモッドのブレードすら傷一つ付けられない硬度を持っている。

 

アウィンと青年は激突し、

 

 

 

アウィンの身体は細切れ肉の様に爆散した。そしてトリオン体が解除される。だが青年が通った場所から衝撃波が撒き散らされて生身のアウィンがズタズタに切り裂かれて殺される。

 

「アウィン!?」

 

「セラスフィア」

 

クランは青年に光のレーザーを放つが青年は素手で弾きながら槍を投擲し、貫通した槍はクランの上半身を消し飛ばす。

 

生身で崩れ落ちるクランの元へ回り込んだ青年は槍を掴みながら腹に蹴りを入れて近くの建物の壁にぶつける。クランは衝撃で気絶する。

 

「ば、化け物め……」

 

一瞬で仲間をやられたミストは目の前の青年に脅える。青年は虚空に槍を横凪ぎに振るうとミストの身体は真っ二つに泣き別れする。斬撃が飛んできたのだ。倒れたミストの頭に足で踏んで押さえつけた青年は……

 

「とっとと死ね」

 

頭蓋骨を踏み砕き、ミストは絶命した。

 

 

 

 

 

 

「情報はこの女から調べろ。他の奴等は一通り殺したからな」

「分かりましたわ。ですけどこの子雑兵みたいですから期待はしないでくださいね忠勝さん」

 

甲冑を来た青年、本田 忠勝は同行していた銀髪のウェーブのかかった長髪のシスターであるアリシアに生け捕りにした少女から情報収集をする様に頼んだ。

 

「あの程度の連中なら」「私達が片付けても良かったのですが?」

「こんな雑魚共に依頼して雇ったアリシアやアリスを使うは無駄だ」

「まあそうですね」「それで良いなら構いません」

 

言葉を分けて話す双子の少女アリスとアリスは興味を失ったかの様に話す。どちらも瓜二つの外見で茶髪のポニーテールに虹色の色彩の瞳を持っているので見分けがつかない。

 

アリシアとアリスは傭兵であり、忠勝はとある目的の為に戦力を必要としていたので依頼したのだ。

 

「ああ、早く逢いたいですわ」

「クネクネしないでくださいアリシア」「依頼人の前で妄想は自重して下さい」

「あんっ、そんな久し振りの再会でいきなり激しすぎますわ!」

 

クネクネしながら想い人との蜜月を妄想するアリシアに注意するアリスだが無駄だと理解している。そして妄想から戻ってきたアリシアは等身大程ある十字架を取りだし

 

「じゃあこちらのお嬢さんから情報を聞き出しますわね♪」

「アリスは退出します」「拷問は程々にして殺してはいけません」

「分かってますわ。ただ殴り付けた感触が心地よいのです」

「俺も退出する」

 

撲殺が趣味のキチガイシスターに拷問されようが知ったことではないので忠勝とアリスは退出する。情報さえ引き出すのを遠くで待つことにした。

 

「俺の目的はクソ女を殺すことだ。万が一三門市から引っ越してた場合に奴の力なら探せるんだな」

「はい、惑星の中に入れば」「探せるでしょう」

 

忠勝は黒トリガーを取り出す。

 

「やっとだよ真那。お兄ちゃんは玄界へ戻ってお前を死なせた原因のクソ女を殺せるんだ……」

 

愛しい子供へ向ける様に黒トリガーに優しく微笑む忠勝。かつての自分の名を捨てて今はとある戦国武将の名を名乗っている。最愛の妹が死んだときに兄も同じく死んで今いるのは復讐に染まった修羅なのだ。

 

「三門市は俺が潰す……」

 

復讐へ染まった青年は死んだ妹への弔い合戦をしようとしていた。

 




忠勝や真那は第一次大規模侵攻で拉致された被害者です。そして真那は黒トリガーになって今は忠勝が所有しています。彼はグランドトリガー使いであり、復讐をしようとしてるので三門市は壊滅の危機にあります。

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