射手の頂点に立つ   作:クロアブースト

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2話時点で遠征中なのでこの話は遠征前の話です。


弾バカと共也

A級には3バカと呼ばれる者達がいる。迅バカというS級隊員の迅さんが現れると回りを小躍りしだす緑川、槍孤月の原案者でマスタークラスの米谷、そしてノリで合成弾を作ってしまった射手にとっては偉大な出水を指す。

 

特に合成弾は実質射手専用と言って良い。銃手でも合成弾は撃てるが設定するとそれ以外撃てなくなり消耗が速くトリオン切れに陥るので選択肢から外れるからだ。

そして共也は同級生である。

 

 

「納得いかねー!」

「どうした出水?」

 

昼休みに一緒に昼食を取ってた出水と俺は話していた。

 

「俺が弾バカと呼ばれるのは良いとして共也が呼ばれないのがおかしい!技術的にお前も同じくらい変態的だろうに」

「おいおい……」

 

変態的とは何だと思ったが粒子分解弾の事だろう。リアルタイムでバイパーの弾道引けるだけで出水と那須さんは弾バカと呼ばれてるのだから。

 

「ノリで合成弾作っちゃう天才だから呼ばれたんだろう……」

「いやでもギムレット最初に使ってたのお前じゃねえか」

 

出水が合成弾を作った理由の一つに俺が片手でやってたのが切欠だったらしい。

 

「あれは二宮さんに勝つために試行錯誤して火力求めた結果だからなぁ。粒子分解弾でそもそも火力集中のコンセプトがあったわけだしゼロから作ったわけじゃない」

「お前も弾バカと言われておかしくないはずなのになぁ」

「俺は……ガントレットの件があったからだろうな」

「そういやあれは衝撃的だったな……」

 

B級最下位まで落ちた鳴神隊だが別に弱かったわけじゃなく下位程度なら瞬殺なので省くとして中位からガントレットを使うことになった。

 

 

その日は荒船隊と那須隊だった。まだ荒船先輩が攻撃手だった頃で攻撃手の荒船と熊谷が俺の足止めに来たのだ。粒子分解弾は敵に近づくまでの弾道を隠す為の技であり距離を詰めて近距離で受ける攻撃手には弾道を見ずに避けるのが日常なので利点を封じれるのだ。距離をおけば射手の間合いでやられるので近づく必要がある攻撃手は相性が良いと言っても良かった。

 

俺が近づいた荒船をメテオラを装填した拳の一撃で上半身を消し飛ばすまで。

そして残りの熊谷に拳を振るう。動揺から立ち直って集中シールドと孤月で受け太刀しようとしたがシールドはガラスの様に砕かれ、孤月は耐久力何それとばかりにへし折られた挙げ句に供給器官の場所に風穴開けて倒したのだ。

 

その後は阿鼻叫喚の地獄絵図と言って良い惨状だった。開始3分で遭遇した俺を攻撃手で抑えて仙や他の隊員狙いで点を取るつもりが一分足らずで壊滅して進軍して来たからだ。俺に警戒する必要が出来、しかも中距離主体の射手の俺相手だと攻撃手以上に逃げるのが困難だからだ。

だが悲劇は終わらない。仙はランク戦で袋叩きが殆どの中で戦い抜いてたので短期間で実力が上がってたのだ。何時もの包囲網が崩れた隙を突いて対峙した那須さんの首をはねて狙撃手狩りに移行し、試合とは名ばかりの残党狩りの様な試合になってしまった。最後に残った日浦が怯える兎の様だった時点でお察しである。

 

「解説の東さんがイーグレットの弾丸をお前が手掴みで防いだのを見て押し黙った位だぞ」

「射程長いけど大して速くないから掴めるんだよ」

「そんな奴お前くらいしかいねえよ」

 

確かに避けても掴む奴はいなかったな。まあ俺もガントレットの籠手が無かったら無理だろうけど。

 

「あ~あれだ。お前弾バカじゃなくて拳バカだったんだな」

「そうだ。銃弾なんて使い始めたのはボーダーに入ってからだぞ」

「仙!?」

「槍水!?」

 

会話の途中で委員会の集まりで出掛けてた仙が戻ってきた。

 

「小学2年生位の頃に同級生で空手習ってた虐めっ子をやっつけたら上級生の先輩引き連れてやって来たのを返り討ちにした位だからな」

「ああ、そんなのあったな」

「へえー凄いな……」

 

武術習い始めると強くなった気になって暴力振るおうとする奴がいるんだよな。その時点で心が弱いんだけど……

 

「問題は次の日習い先の空手道場に殴り込みに行って師範代を病院送りにしたことだ」

「マジで!?」

 

大の大人を小学生がボコボコにしたのが驚いたのだろうが何てことはない。スポーツの武術と殺しの武術でどっちが実践的かの話である。瓦を砕いて一喜一憂する奴が武術を極める為なら殺人すら躊躇いなく行う人道から外れた奴に勝てないはずだ。空手家の中にも外れた奴もいるらしいが道場開いて堂々と教えてる辺りで裏社会の住人じゃないだろう。そもそも行った理由だって報復で敵わないから俺と仲が良かった仙に危害を加えるバカを防ぐ為だったしあの道場通ってた奴は俺を見たら怯えてたし効果はあっただろう。

 

「同意の上だから問題なかったらしいが普通は事件ものであの時は心配したぞ」

「迷惑かけたな仙」

「いや……まあそれくらいは幼馴染みとしてだから別に気にするな(私を庇ったのが切欠だし……)」

 

顔を赤くしてそっぽを向く仙。照れ屋なのは相変わらずだと俺は思う。

 

「でもそんなに強いのにブレード系は全く使わないよな?」

「いや剣持つ位なら殴りに行った方が速いから…」

「脳筋思考だなそれ……」

 

出水に呆れられる。まあ、料理以外で刃物持つ機会なんてあまりないからな。剣術は使うのは素人だから使いたくないだけだけど……

 

「じゃあレイジさんのパンチは?」

「あれくらいなら普通に出来るし火力なら今のガントレットの方が上だ」

「確かにそうだな。耐久高いレイガストも普通に砕いてたし」

「俺としてはガントレットの需要が無いのが不満だな。使いこなせば射手でも近接出来るのに……」

「近接と中距離なら万能手で充分だし、そもそも射手がセンス問われる職だからなぁ…」

 

弾丸の命中精度が粗くなるから銃手より手間がかかるので簡単な方に流れるのが人の性分だ。射手だとマスタークラスか成り立てしかいなくて伸び悩むと銃手に流れてしまうという厳しい世界である。

 

「シールド強化が痛いな。性能向上は嬉しいけど個人戦でポイント稼ぐ身としては困る」

「ああ分かる。最近だと米谷にシールドで正面から近付かれる事が増えたからな」

 

射手のあるある現状を出水と納得してると……

 

「共也はメテオラで攻撃手と戦う時、シールドなんか使わないだろう」

「裏切り者め!」

「ギブギブギブ」

 

思わぬ射撃で出水に軽く締め上げられるのでタップする。仙お前もか!?とカエサルの気持ちが少し分かった一日だった。




共也は弾バカではなく拳専門の修羅扱いされてます。ソロだと最も有利な攻撃手が次々と共也にやられたせいです。
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