「ふう…」
ランク戦をぶっ通しでやってたので少し休憩目的でベンチにかけていた時、懐かしい女性がやって来た。
「お久しぶりです師匠」
「久しぶり、というか同年代なんだから敬語使わなくて良いのに」
「いえ、私に動き方を教えてくれたんですから」
そう、共也は那須 玲の師匠である。
切欠は仙が入隊すると知り、当時S級隊員だった共也は一足先にノーマルトリガーで個人ランク戦で腕を磨く事にした。丁度その時、当時C級隊員だった那須はブースで自分と同じポジションの射手を見ようとしていた。そして見つけたのが共也だったのだ。
今も散らしたアステロイドを背後からカメレオンで奇襲しようとした相手を撃ち抜く。銃型トリガーと違い弾丸はどの方向にも飛ばせる。砲口で撃つ方向が決まってしまう銃では出来ない芸当だ。今回共也はその点を活かしてどんな体勢からでも弾丸を飛ばしている。
ビルの壁を蹴って駆け回りながら弾丸を少しずつ置いていき多面的で避けにくい弾丸を飛ばしたり、相手を足払いで体勢を崩した所をアステロイドの集中砲火で蹴散らす。
今度はバク転しながら後退し、弾丸を散らして上下から軌道が変わるバイパーを飛ばす。相手は弾丸を前面シールドで防ぎながら突き進もうとするもシールドを避ける様に軌道を曲げられたせいで無理な体勢で避けた為に動きが鈍りバク転という無駄な工程があるにも関わらず距離を離される。戦いとは相手を常に目線から外さない事が重要である。それは相手を集中して見るからこそ共也の動きに惑わされてしまうのだ。ある程度離して射手の間合いになった時に両攻撃のアステロイドで蜂の巣にする。
他にも共也は弾丸を飛ばしながらも弾丸を幾つか身体で隠して死角を作るのだ。
ダンッ!
勢い良く共也は相手の右に回り込む。それを相手も見切って回り込み弧月を振るおうとするも側面からの弾丸で撃ち抜かれてベイルアウトする。それは共也が背中に隠していた弾丸だった。
「綺麗……」
那須は思わず呟く。今の共也は空中で手を広げて相手の頭上を背面ごしに飛び越える。そして彼が相手を通過すると先程まで空中待機し身体で隠れていたメテオラが相手の頭上から降り注ぎ、一回転して着地する時には相手を爆撃で呑み込みベイルアウトしていた。
縦横無尽に駆け巡り、弾丸で仕留めていく。
その光景は生まれつき病弱の那須にとって輝かしい物だった。那須以外にも彼の動きに魅せられた隊員は多く、まさに舞と呼んでも良い動き方だった。フェイントとも違うスムーズな魅せる動きで撹乱し、どんな体勢でも撃てる射手の利点を活かした戦い方だ。
一日で3000近く稼いだ共也は休憩目的でブースに来る。その時を待っていたかの様に那須は共也の元にやって来て
「私に貴方の動き方を教えて下さい!」
弟子入りしたのだった。
「今日も絶好調でしたね」
「まあな。インファイトが本来の戦い方だし射手は中距離強いからな」
共也は今日もランク戦で荒稼ぎしていた。迫り来る攻撃手は殴り飛ばし、中距離は射手の十八番で銃手・射手を撃ち抜き、万能手も近・中どちらの距離でも対応して勝ったのだ。
「私も順調ですよ」
「俺は遊びの一環でやってただけなのに本当に舞ってみせるんだから凄いよな」
教授を頼まれた時、共也はこれは射手トリガーのテクニック模索で生まれただけのお遊びだと言ったのにも関わらず那須は一歩も引かずに習いたいと言ったのだ。そしてやると言ったからには共也も付きっきりでしっかりレクチャーした。そして今、その舞は鳥籠と合わせて「鳥(ちょう)の舞」と呼ばれる様になっていた。きっと蝶を掛けたんだろうなぁと遠い目で共也は思った。
「まあ弟子が強くなるのは嬉しいし、今度は成果を見せてもらおうかな」
「はい!」
張り切る那須が個人戦で快進撃を果たす事で知らずの内にボーダー内で美形も相まって那須がアイドル化してるのと手掛けた事で敏腕プロデュースという訳のわからない称号を与えられて根付さんにアイドル部隊を作ってみないかと声をかけられて共也は頭を抱える事になるのは別の話。
撃って踊れるバイパー使い那須さんにパワーアップ!魅せる以上、銃手は命中させないといけないから見るので余計落ちにくくなったとさ。
今度は共也を見習って拳を振るうかもしれない……
原作入っても良いんだけど、共也が迅さん以上に動かしづらくて活躍させにくいんだよね。