NEVERの新拠点
「ハッハッハッハッ!オイもっと酒ねぇのか!?」
「黙って飲めないのかしら。あの筋肉バカ」
「いいじゃない。女にだって酔いたい気分があるでしょ」
「……酔漢」
克己以外のメンバーは今日の急襲成功を祝い、酒盛りを行っていた
剛三はビール、レイカと京水はワイン、賢は焼酎を飲んでいた
剛三は大量に飲んで酔っており、レイカは少しずつ飲む。京水は少し酔ってクネリ具合が異常になり、賢は静かに飲む
「カラワーナ、そこのチーズ頂戴」
「はいレイナーレ様」
「もう~飲めにゃいっす~」
「ミッテルト奴は、もう酔い潰れたか」
堕天使四人も酒盛りを楽しんでいた
レイナーレはブランデー、カラワーナはウィスキー、ミッテルトはリキュール、ドーナシークは日本酒を飲んでいる
レイナーレはスモークチーズをつまみ、カラワーナは水割りで飲み、ミッテルトは八杯目位で酔い潰れる。ドーナシークはナッツを食べつつ飲んでいく
「お前ら、無礼講も良いが少し控えろよ」
そこへ実験室から帰ってきた克己がやってきた
自分のグラスにジンを注ぎ、つまみのチーズを取る
「もうすぐ冥界に侵入する時だ。俺達の存在を種族の記憶に刻むつける時でもある」
チーズを口に放り込み、ジンで流し込む克己
飲み終わったグラスを見ながら続ける
「その為にも、より多くの記憶が必要となる」
「その記憶は冥界にある。そうですよね克己君」
克己に返答を変えしたのは、旧拠点を爆破し帰還してきた井坂
そして後ろには二人『NEVER』のジャケットを来た青年と男
ショートヘアーで外ハネが特徴な青年、来人
銀のウルフヘアーで、首にはネックレスを付けている男、ザフキエル
「戻ったかドクター、来人。そしてザフキエル」
「手っ取り早くウェザーを使いましたがね」
「僕は少し疲れたけどね」
「俺は部隊率いたから何とも言えんが」
井坂は黒のハットと傘を置き、シャンパンを飲み
来人はジュース、ザフキエルはラム酒を飲む
「ドクター、酒の席だ」
克己は井坂を呼び、指を指す
指した場所にはグランドピアノがある
「いいでしょう。景気付けに一曲」
井坂はシャンパンを飲み干し、グランドピアノの方に歩いていく
椅子に座り、鍵盤蓋を開け、ピアノを弾く
♪~ ♪~
井坂が弾くピアノは、その場を包み込むような優しく、癒されるような曲だった
その場で聴いた者は、その曲に酔いしれていた
「良い曲ね」
「ほんと、益々酔ってきちゃう」
「………」
「いつ聴いても、良い音色ね」
「そうですね」
「まさに癒しの時間だな」
「ピアノニストとしての井坂深紅郎も興味深い」
「心が洗われるようだ」
「「Zzz…Zzz…」」
メンバーは各々感想を言い、剛三とミッテルトは聴く前に眠っている
克己も酒を飲みながら曲を楽しむ。その後井坂のピアノが終わるまで酒盛りは続いた
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「……うん?」
私は目を覚ますと、そこは自分の部屋のベット
井坂先生のピアノを聴きながらブランデーを飲んでいた。先に酔いつぶれて寝てしまったミッテルトに毛布をかけた後、私も酔っていたので先に部屋に戻って、ベットにダイブし、いつの間にか寝てしまった
部屋の時計を見たら、深夜四時頃
部屋から出て酒盛りが行われた場所を見に行った
「……これは酷いわね」
部屋には酒の匂いが充満し、酒瓶が散乱し、酔い潰れて寝ているメンバー
剛三は半裸の状態で大の字、京水が克己のイラストが入った抱き枕を抱き、賢は壁に背中を預けながら、ドーナシークはタオルを顔に被せながら寝ている
この場に居ない、レイカ、カラワーナ、ミッテルト、来人、ザフキエル、克己。そしてドクター……井坂先生は部屋に戻ったのだろう
そう考えていたら私はある事を思い出した
「あの時、克己に…井坂先生に出会っていなかったら、今頃」
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レイナーレ達が克己に会う前
グレモリー一行がアーシアを救い教会から出た後
「はぁ…はぁ…」
私はあの教会から脱出して、なんとか森の中に逃げ出せた
グレモリーの攻撃を、万が一備えていた脱出行を利用して躱し、自らの羽をむしり取って、投げつけた
これなら死んだと思わせられる。幸い魔力の方も空に近い状態で詮索もできないだろう
でも、それと同時に私の命も無いという事
「はぁ…うぅ!…ここまで来て」
引きずりながらも動かしていた体が、もう限界に達していた
寧ろ、赤龍帝の攻撃を喰らい、まだ動けるのは奇跡に近かった
私は側にある木に背中を預け、夜空を見る
「こんな所で…私の命は尽きるのね…」
ドーナシーク…カラワーナ…ミッテルト
今…私も行くわ
私は心の中で呟きながら、ゆっくりと目を閉じた
「死体を盗む手間が省けた」
「…えっ?」
突然声がして、目を開く
ゆっくり顔を上げると、そこには赤のラインが入ったジャケットを着た男
さらに、その男の後ろには三人の人間の姿があった。私は後ろの人間達が担いでいる物を見て驚愕した
「ドーナシーク…カラワーナ…ミッテルト!!」
グレモリーに殺させたとばかり思っていた三人がいた
「こいつ等は、もう生きちゃいない…言わば死体だ。そしてお前もな」
それが、私の最後に聞く言葉だった
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地下研究室
機材や液体の入ったフラスコ
そして、ベットに寝かされているレイナーレ、ドーナシーク、カラワーナ、ミッテルト
四人とも息をしていない。言わば死体
そこに克己、京水、井坂の三人がいた
「これはまた、面白いものを拾ってきましたね」
「ドクター、こいつにアレを」
克己に指示を受け、井坂は白い銃型の手術器を取り出す
その手術器には緑色の液体が入ったカプセルがセットされていた
手術器をレイナーレの腕に刺し、引き金を引く。その際、セットされた液体は腕に注入され、直に体中に回る。しばらく目を覚ますのを待っていたら京水が
「いい体してるじゃない。でも、私の方が…おっぱいおっきいわ……わたしの方が、おっぱいおっきいわ!!なんか気に入らないのよね」
突然、訳の分からない事を言い出す
克己と井坂は、そんな京水を無視をする
「…ッ!?」
その時、レイナーレがベット飛び上がり、状況を確認する
京水はシャーと言いながら威嚇する
克己はレイナーレに近づく
「ようこそ、死神の世界に」
「…死神の世界?」
「まだ状況が掴めていないようだな……堕天使レイナーレ。今のお前は雑魚だが、強くなれる素質がある。俺の部下になれ」
そう言った途端、レイナーレは光の槍を出し、首を狙う
克己は同時に左手にサバイバルナイフ持ち、槍を止める
「ふざけるな、誰が下等な人間なんか!」
怒るレイナーレに対し、克己はサバイバルナイフで槍を弾く
そして冷たい目でレイナーレを見る
「だったら死体に戻れ」
「アンタは助かった訳じゃないの…死人なのよ」
「私が…死んだ?」
レイナーレは未だに自分の状況が全く掴めていない
すると井坂は手術器にセットされていたカプセルを手に取り、レイナーレに見せる
「この細胞維持酵素を定期的に注入しなければ、君は忽ち死体に逆戻りする」
「それが俺達…『NEVER』だ」
「…『NEVER』」
克己はレイナーレに自分達の事を話す
それと同時に京水が決めポーズを取る
「まだ暴れ足りないだろ。お前を散々見下してきた堕天使達を見返してやりたくは無いか?」
克己がレイナーレに聞き、置いてあった『NEVER』のジャケットを差し出す
それを受け取るレイナーレ
「俺の名は大道克己。着いて来い、寝起きの運動だ」
克己はそう言い、次の事を話した
「これから東南アジアにある国に潜むテロリストのボスを倒しに行く。近頃そこにS級とはいかないが、上級はぐれ悪魔もそこにいる。そいつも倒す」
「はぁ?何を馬鹿な亊言ってるの」
「俺達は、傭兵部隊だ」
克己はそう言い残し、部屋を出て行き、京水も口に鞭を咥えながら出て行く
レイナーレは死体の3人に目をやり、井坂を見る
井坂は軽く頷くと、レイナーレはジャケットを羽織り部屋を出た
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東南アジアS国
その海岸の麓に着陸する一機の大型ヘリ、そこから五人の傭兵と一人の堕天使が降り立った
『NEVER』のリーダーである、克己
アタッシュケースを持ち首を左右に動かす、京水
鉄の棍を肩に担ぐ、剛三
アサルトライフルと分厚いアタッシュケースを持つ、賢
髪を掻き分ける、レイカ
そして五人の後ろを歩く、レイナーレ
しばらくして『NEVER』はテロリストの拠点の近くに辿り着く。拠点には兵士が数人徘徊していた。賢は、アタッシュケースを開く。その中にはグレネードランチャーとスタングレネードが入っていた
全員がゴーグルを掛け、耳栓を付ける。賢はスタングレネードのピンを抜き、拠点中央に投げる
その直後、拠点から爆音と閃光が起こった。周りにいた兵士達は一時的な失明、眩暈、難聴、耳鳴りになる。騒ぎを聞いた兵士達は敵襲と判断し、武器を手に取り散らばる
それを見た賢はグレネードランチャーを構え撃つ。弾は三人の兵士がいる地面に着弾し、その爆破で吹っ飛ぶ。その後グレネードランチャーを撃ち続け、弾が切れる
賢はグレネードランチャーを捨て、アサルトライフルを持つ
戦況を見た克己はナイフを取り出す
「行くぞ、『NEVER』の狂宴だ」
そう言って克己は戦場に飛び出し、それを追う『NEVER』
兵士達が『NEVER』を発見し銃を乱撃ち、ナイフで斬り掛かろうとする
「突撃ーーーーーーーー!!突撃ーーーーーーーー!!」
京水は鞭を振り回し全力の女走りで突貫。克己は斬り掛かる兵士の腕を掴み、足払いをしナイフで一刺しする
各自バラバラに散り、兵士達を倒していく
「………」
ズドドドドドドドドドドド!!
「ぐぁ!」
「がっは!」
廃墟から賢はアサルトライフルで兵士二人を撃った
外に出た後、上から狙う兵士を狙い撃つ
ズドーーーーーーーーン!!
「うぁああああああああああ!!」
撃った場所に火薬物が置いてあり、それに命中した瞬間爆破
側にいた兵士は爆破により吹っ飛ばされ落下
「ふん!はぁ!うりゃぁぁ!!」
剛三は棍で兵士達を叩きつけ、後ろの兵士には横蹴りをする
そして最後に棍で兵士を打ち上げる
「っふ!せぁ!」
「がぁ!」
「ぎゃあ!」
克己はナイフで斬りつけて刺し、斬り掛るところを避け、喉を斬り裂いて
兵士二人を殺す
「はっ!ふっ!はぁぁ!」
「ぐぼぉ!」
「だぁ!」
レイカは回し蹴りをし、膝蹴りを顔面に打ちこむ
倒れたところを追い打ちで踵落としをする
一方的な戦いをする『NEVER』
これを見たレイナーレは
「…すごい」
この一言である
「ガアアアアアアア!!」
「!?」
後ろから誰かが襲ってくる
それに気づき、レイナーレは光の槍を出し受け止める
兵士かと思ったが違った。獣のような声を上げ、鋭い爪に毛深い体をしたクマのような魔物だった
それも中級と上級の中間ぐらいの魔力を持っていた
「はぁ!」
「ガァア!!」
しかしレイナーレの光の槍は、そんな魔物の爪を砕き心臓を一突きし絶命させる
その後同じような魔物が三匹向かってきた
「…ふぅ」
レイナーレは息を整え、槍の形を変える
先を鋭く、全体的に細く小さくなる。槍というより投擲ナイフに近い形になる
それを六本出し持ち方を変え、投げる態勢に入る
「…はぁ!」
レイナーレはスナップを利かせ、高速でナイフを投げる
投げられたナイフは魔物の心臓や急所を捕らえ突き刺さるが、何本かは体を突き抜け後ろの壁に刺さる
魔物達はその場に力尽きる
レイナーレは自分の手を見て驚く
細胞維持酵素により、生前より数倍に増幅した力
自分が知らないうちに戦闘能力・身体能力が向上していた
「私って…こんなに強かったの?」
「……グッジョブ」
さっきまで戦いを見ていた賢は、レイナーレにサムズアップし戦いに戻る
レイナーレは賢を見た後、兵士に止めをさす克己を見る
「飲み込みが早い。お前は当たりだ」
克己は嬉しそうにしながら再び戦いに行く
レイナーレも光の槍を出し突き進む
「あい!おりゃ!いただきまう!」
「ああああああああああああ!!」
京水は膝蹴りをし、足捌きで兵士を前に転がり倒し膝十字固めを決める
決めた後、クネらせスっと立つと別の兵士が襲いかかったが
「あぁ~。危!ないわ!ね!」
攻撃を受け止め、足払いをする
すると、さっき膝十字固めされた兵士がナイフで斬りかかった
京水はナイフを持った手を掴んでとめるが、兵士も黙っていない
空いた手で、腹を殴る
「ぅん…!今日はカレーだったの」
しかし腹を摩って腰を回す京水
効いていない事が分かり離れようとするが、京水の怪力以上の握力で掴まれ逃げ出せない
「あん!あん!モンゴリアン・チョップ!!」
京水は掴む手を離し、水平チョップを二回叩き込む
最後に鎖骨目掛け両手を同時に振りかぶり叩きつける
残った兵士も同じように抑え、後ろに倒す
「蟹挟!ヒールホールド!」
「ああああ!ああぁぁ!ぐぅぅ!!」
「あぁん、逃げたわねぇ」
関節技を続けて決まるが、藻掻きながらも脱出
だが決して逃がしわしない京水。苦し紛れのナイフでの攻撃を受け止め、その腕で腕挫十字固をする
「ナイフ振り回して…刃物は絶対ダメ!!」
「ぐぉおおお!…ごほぉ!」
その後『NEVER』の一歩的な戦いが続いた
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テロリストの拠点
正確に言えば、テロリストの拠点だった場所
戦いは『NEVER』の圧勝。テロリストのボスを倒し、さらに潜んでいた上級はぐれ悪魔も倒した
どちらも蘇ったばかりのレイナーレの手によって。新人にしては大手柄である
『NEVER』は半壊した廃墟の側で休んでいた
京水が持ってきたアタッシュケースから細胞維持酵素と手術機を取り出し、全員に渡す
そろそろ酵素切れになり、体の細胞が崩れていた
京水は手術機を腕に刺し細胞維持酵素注入する
「キターーーーーーーーーーーーーーー!!ひじょーーーーーーーーーーーに体に染みますねぇ」
細胞維持酵素を注入され、上機嫌になる京水
レイナーレも手術機を腕に刺し細胞維持酵素を注入する
その時上半身裸で体のチェックをしていた剛三が話しかけた
「傭兵仕事は資金集めも兼ねてるが、本当の目的は『NEVER』の実戦調整さ」
「私達を身欠った世界に…見せつけてやるの」
「……奴らに頭を下げさせてやる」
剛三に続く、京水と賢
周りを確認していた克己も話に加わる
「あんなたわい無い連中に俺が敗ける事は許されない…行くぞ」
克己の指示に動くメンバー
レイナーレは思った。彼らは世界を、ましてやそれが神ですら相手にするのだろうと
「(私、決めたわ)」
「(彼らに…『NEVER』についていく)」
こうしてレイナーレは『NEVER』の一人となった
「長ズボン穿きなさい」
京水のセリフの前に
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「はぁ…ようやく片付いた」
私がそんな過去を思い出し、散乱した酒瓶を片付け、一通り掃除は終わった
あの戦いの後、井坂先生は三人を蘇らせた。三人も『NEVER』の一人となり、克己達に訓練され強くなった。そして今に至る
「さてと…朝食作らないと」
こうして私は、今を生きる
今回レイナーレの過去でした
ちなみに賢が使ったグレネードランチャーはmilkor mgl/m32だと思ってください