克己が大広間を出ようとした時
サーゼクスが待ってくれと呼び止める
「何だ?」
「メモリについてはまだ聞いていなけど」
「メモリは俺達の戦力に当たる箇所だ。これ以上は話せん」
「…分かった。それともう一つ」
サーゼクスは視線をザフキエルに向ける
「少し彼と話をしたい」
「…別に構わないぞ」
そう言って克己は大広間を出る
克己が出た後サーゼクスはリアスと一誠に席を外してもらうよう言う
リアスと一誠が大広間を出て残ったのがサーゼクス、グレイフィア、ザフキエルの3人だけである
「さて、キミに聞きたいんだけど」
「………」
「…ザフキエルだね?」
「…あぁ」
ザフキエルはサーゼクスの言葉に軽く頷きながら答える
「何故キミが『NEVER』にいるのか知りたいが…その前に」
サーゼクスは目を瞑りながらしばらく黙る
そして目を開け口を開く
「死んだはずキミが何故生きている。はぐれ悪魔達の奇襲で命を落としたはず」
「…答える義理は無い」
ザフキエルはそのまま大広間を出ようとした
「待ってくれ!せめてミカエルの元へ」
「くどいぞサーゼクス。俺はもう昔とは違う。今更俺が天界にましてやミカエルに会ってどうする」
ザフキエルは振り返り、殺気を出しながら睨む
「お前に分かるか……愛する人が目の前で殺された者の気持ちを。助ける事が出来ずただ弱りきり最後には絶命する処を見るしか出来ない者の気持ちを」
それだけを言い残しザフキエルは出て行った
残ったサーゼクスは唯それを見ているしか出来なかった
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「………」
「………」
「………」
大広間を出た克己
広いホールで待っていた時リアスと一誠もやってきた
互いに顔を合わせると無言になる
「……一つ聞いて良いか」
「どうした?」
先に口を開いたのは一誠だった
「お前はどうやってドライグを手に入れたんだ?」
「簡単な事だ。お前が初めて発現した教会の場所に強い記憶が残っていた。そこから記憶を回収することができたが、まさか意思までも残っていた事は驚いたがな。今は少し俺から離れてるが」
「離れてる?それってどういう意味」
「いずれ分かるさ」
それからザフキエルがやってくると
克己はすぐにそのばから立ち去った
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「………」
「レイナーレ様。話って」
外で待っていた悪魔と『NEVER』
そんな時レイナーレがアーシアと話がしたいと言う
もちろんそれにはリアスの眷属は反対するが、遠くから見張ってくれればいいという事で承諾した
「アーシア。貴方に言いたいことがあるの」
レイナーレは目をつぶり頭を深々と下げた
「…ごめんなさい」
「…え?」
その言葉を聞いたアーシアは呆然としていた
その後レイナーレは申し訳ない顔をする
「私は貴方の命を奪った。アザゼル様やシェムハザ様に愛されたい為に、私を見下した奴らを見返したい為に……でも私は一度死んで分かったの。一人だけで死んでいくという恐怖、誰にも私が死んだ事に気づかれないという心細さ、それを私がアーシアにさせてしまったという禁忌」
レイナーレはアーシアを見ながら語り続ける
「私は一番に貴方に謝りたかった。それだけよ」
「…レイナーレ様」
アーシアはレイナーレの気持ちを聞き、近づいていく
「…許してもらおうなんて思っていないわ。寧ろ恨んだって構わない、私はそれだけの事をしてしまった。でももう一度言うわ…ごめんなさい」
レイナーレはもう一度深く頭を下げ、アーシアに謝る
アーシアはそんなレイナーレに手を差し出す
「アーシア?」
「レイナーレ様。もし良かったら私と友達になってくれませんか?」
アーシアの言葉に見張っていた全員が驚く
そして一番驚いたのはレイナーレだった
「どう…して?」
「レイナーレ様が私に謝ってくれて嬉しかったです。だから許します。私は一誠さんや皆さんと会えて友達が増えました。だから、レイナーレ様や堕天使の皆さんとも友達になりたいんです!」
アーシアは笑顔でレイナーレに話す
まさにそれは聖母のように微笑むだと、この場に居た者達は思った
「…ありがとうアーシア。でもごめんなさい」
「え?」
「私もアーシアと友達になりたい。けど今の私は危険視される程の力を得た。きっと貴方もそんな私を見て拒む」
「そんな事しません!レイナーレ様がどんな人になろうと!」
「……アーシア、いつか貴方も分かる時が来る。信じられない現実が」
レイナーレはアーシアに少し涙目になりながらも笑みを浮かべ嬉しそうに話す
「でもありがとう。こんな私を許してくれて」
その後克己とザフキエルがやってきた
ドーナシークがテラー・ドーパントになり『NEVER』全員はその場から消えていった
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NEVER新拠点 実験室
その部屋の奥で微量な緑の光が灯っていた
それは巨大なフラスコであり、その中には『ガイアゲート』から湧き出る膨大な記憶が入っていた
そんなフラスコの中には人が入っていた。未だに眠り続けるその姿を見る伊坂
「手術は成功し、後は目覚めるのを待つだけ」
そう呟いていると部屋の警告が鳴り響く
フラスコから激しく鼓動が鳴る。それは次第に大きくなりフラスコに亀裂が走った時
パリイイイイイイイイイイン!!
フラスコが粉々に砕けった
フラスコに入っていた記憶がお触れ出す中、ひとりの男が出てきた
「おはようございます。気分の方は?」
「あぁ…新鮮な気分だ。だが少し自分が変わった気がするな」
「それは仕方ありません。性格の方は少々荒々しくなりましたがスペックの方は問題ありません」
伊坂は男の現状を話す
男は首を回しながら体を柔軟にする
紅く滑らかで腰まである長髪、顔立ちは整っているが威圧であろう鋭い目
それは龍を連想させる物だった
「さて、その格好では風邪を引きます。コレを」
伊坂は『NEVER』のジャケットとズボン
それと龍の顔を刺繍した紅いコートを差し出す
男はそれを身につける
「それと来人君からコレを預かっています」
伊坂はメモリと携帯を取り出す
男は携帯をコートに仕舞い、メモリを手に取り掲げながら見る
「これが俺のメモリか」
「今はですが、開発中のドライバーが出来上がるまでそれを使ってください」
「まぁ手に入れた肉体だ。ウォーミングアップには丁度良いな」
男はメモリ投げながらキャッチし笑いながら実験室を出る直前に言った
「早く
《Cyclone》