とある廃墟ビル
建物自体は古く何年も使われていない
天井にはコードが剥き出しで垂れ下がっている蛍光灯
窓ガラスは全て割られ、壁も所々に大きな穴が空いている
見るからに人がいる気配はない
しかし、それは外見での話
この建物には地下が存在する
「995、996、997、998、999、1000っと!」
地下にある一つの部屋。そこにはあらゆる機材が並んでいた
その部屋で上半身裸で頭にバンダナを巻いた男が腕立てをしていた
「相変わらず暑苦しいわね。あんたって」
「仕方ねーだろ。最近戦ってねぇんだからよぉ!」
男に文句を言う長髪のクールビューティーな女性、羽原 レイカ
そんなレイカに怒鳴る筋肉質な男、堂本 剛三
「克己が最近、メモリの制作に没頭してる事は、あんたも知ってるでしょ」
「んな事分かってるての!!」
そう言いながら剛三は、その場に置いてあったタオルで汗を拭こうとする
「そんなに怒っちゃダメよ剛三。その気持ち、アタシが沈めてあ・げ・る」
だがそれも剛三程ではないが、肉体的にはガッチリとしているが、どこかつかみ所のないオカマ、泉 京水が女性のようなクネリをしながら抱きついてくる
「だあぁぁぁぁ!離せ京水!お前に抱きつかれると気色悪いんだよ!!」
「あぁ!?もう強引ね。でも嫌いじゃないわ!!」
剛三は体を激しく動かし、京水を振り解く
振り解かれた京水は、クネらせながら興奮していた
「はぁ…克己もなんで、こんな奴入れたのかしら?」
「お黙りレイカ!アンタなんかに克己ちゃんとアタシの仲を兎や角言われる筋合いは無いわ!!」
首を左右に動かしながらレイカに文句を言う京水
「端っから興味無いわよ。変なオッサン」
「そ、変なオッサ…変なオッサン!?」
レイカの一言を聞いた京水は、一回スルーしそうになったが、首だけ瞬間的にレイカを方を向く
「言ったわね!!あんたレディに対して最大の侮辱を!!!ムッキィィィィィィィ!!!」
「うるせぇよ京水!!少しはその口閉じろ!!」
京水は首を動かしながらクネらせながらレイカに突っかかる
そんな京水に我慢できなくなり、剛三も突っかかる
「おい賢!!お前も何か言えよ!!」
三人の口喧嘩を壁隅でライフルを持ち、座りながら見ていた男、芦原 賢
賢は剛三に言われ、少し間を空けながら口を開く
「……そろそろ来る」
『!?』
賢の言葉に三人が黙る
少しづつではあるが、四人のいる部屋に近づく足音が響く
次第に音は大きくなり、入口から一人の人影が見えてくる
部屋の明かりが徐々に人影を照らす。赤のラインが入っており、背中には禁断の果実に刺さる剣と、取り囲む蛇が書かれている、それと同じように左胸にもあるジャケットを着た男
大道 克己だった
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「随分と騒がしいな」
「克己。やっと終わったの」
「あぁ、今回は忙しくなるからな。メモリの製作と同時にやる事があったからな」
俺は一通りに仕事を済ませ、メンバーのいる会議室を訪れた
また京水と剛三辺りが騒いでいたのだろう
「けど珍しいわね。こんなにも長くメモリに時間を費やすなんて」
「メモリはそう簡単に作れるもんじゃないからな」
…俺は、ここまで大きくするのに時間を掛けた
俺は一度死に、それと同時に
俺の持つ
こいつは自分の記憶を元に、その記憶を操りその力を引き出す能力。さらには自分の記憶以外の物の記憶も使える
この力を発現してから数日経った俺は、ある事をした。それは
地球という記憶と俺の記憶を直結出来ないか試みた
最初は膨大な力のせいで、直結は無理だったが
少しずつ自分の記憶と地球の記憶を入れ替えながら、制御をした
その結果、俺は地球の記憶全てを手に入れる事ができた
地球の記憶を手に入れた俺は、データベースからあらゆる情報を入手した
仲間を増やし、力を増やし、自分の存在を刻み続けた
そして、俺は悪魔、天使、堕天使をも倒せる傭兵集団『NEVER』を作り上げた
「みんな、俺達の次の目的地は駒王学園だ。数日後、駒王学園で三大勢力のトップが会談を開くらしい。恐らく堕天使の聖剣事件をきっかけに協定を結ぶだろう」
「それで、俺達は何をするんだ?」
「君達にやってもらう事は、その会談を襲撃するテロリストの迎撃ですよ」
俺の代わりに剛三の問いを答える声がした
声のする方に全員の目が行く。そこには白衣を着た男、井坂 深紅郎
こいつは医療と情報を担当とする『NEVER』のサポート役
みんなからはドクターと呼ばれている
「さっき入った裏情報で、面白い情報が入りましてねぇ」
「面白い情報?」
「…
「オーフィスって…克己」
「言うなレイカ。もうどうだっていい」
レイカが言おうとしている事を察し、止めた
「それよりもドクター。私達のメモリはどうなの!?」
「心配ありませんよ。ちゃんと整備も調整も済みましたから」
ドクターが銀色のトランクケースを取り出し、開く
そこには全長10cmほどのUSBメモリが5本入っていた
右から赤、銀、青、黄、白の順で置かれている
これはガイアメモリ。地球の記憶と直結した俺が作り出した生体感応端末
このメモリには地球の記憶が収めており、スイッチを入れるとメモリに封じられた地球の記憶を表す電子音声・ガイアウィスパーが発されて起動し、人体に挿入することで、変身でき、本体に収められた地球の記憶をその場で再現する事が出来る
それぞれの自分のガイアメモリを取り、残った白のガイアメモリ
俺の永遠を示すメモリ『エターナルメモリ』を取る
「これで全員受け取りましたね。それでは私は仕事に戻ります」
「待てドクター」
トランクケースを閉じ、部屋から出ようとするドクターを止める
「何ですか克己君」
「あの
「あぁ…ご心配なく。全員テストはクリア。更には戦闘訓練も行なって万全な状態ですよ」
驚いたな。戦闘はともかくメモリのテストも全員クリアか
そろそろ良いかもな
「なら四人とも連れて行く。ドクター、メモリを用意してくれ」
「分かりました」
ドクターは頷きながら部屋を出る
俺は部屋に残ったメンバーに顔を向ける
「いいか。今回の迎撃で俺達の存在を知らしめる絶好の機会だ。俺達NEVERの晴れ舞台だ!!」
「っしゃあ!やっと暴れられるぜ!!」
「まぁ。私は克己について行くだけ、だけど」
「あぁ~!!もう、楽しみねぇ!!」
「…ゲームスタート」
全員がやる気を見せる中、俺はドライグに話しかける
ちなみにドライグはメモリの力で生まれた思念体のような存在
『ドライグ。今回はお前を使うことになる』
『いいのか?お前のエターナルを使わなくても?』
『構わん。それに今代の赤龍帝と白龍皇にお前の力を知らしめる。お前もそうしたいだろドライグ』
『くくくっ…。やはり相棒。お前は面白い人間だ』
『違うなドライグ。俺は人間じゃない』
ただの死人だ
次回ぐらいには戦闘にしたいと思います