別艦隊の指揮をとれますか?:嘘とお酒と艦娘と 作:あおい安室
説明だけで半分を占めたという件について。
本土の鎮守府:早朝
「この時期にパーティーを開くんですか?いい考えですね。最近みんなちょっと疲れている感じですし」
「でしょ?昨日準鷹さんから提案されたんだ。僕も別にかまわないし吹雪ちゃんも許可を出したんだってさ」
「へえパーティー開くの?建造されてから初めてだよ。僕楽しみだなあ」
本土の鎮守府の食堂で朝食をとる時にうちの鎮守府から連れてきていた艦娘達に昨日の夜のことを報告していた。
連れてきていたのは鳳翔さんと最上と木曾の三人だ。
ちなみに木曾以外の二人はくじ引きで一緒に来ることになってたりする。
本土に憧れる子意外といるからねえ………
そうだ。艦娘の紹介をしてないね。
鳳翔さんはもう知っているかな?つけくわえると大人の女性って感じの人ってことかな。
最上ちゃんは一人称が僕の人だ。身長は僕と同じくらいの意外とドジッ子の女の子。
ボーイッシュで僕としては関わりやすい。
木曾は一人称が俺の人。僕の相棒みたいな感じの高校生になりたてくらいの女の子だ。一緒にいてくれた方がいろいろと心強い。
………僕ってわりとトラブル起こしたり巻き込まれたりするからなぁ。気絶はしょっちゅう、骨折なんかもよくあった。ひどいときは死にかけた。そういったときに僕をいつも助けてくれるのが木曾なんだ。
いつもお世話になってます………
おっと、自己紹介がまだだったね。僕は柱木 海人。海孤島鎮守府の提督をつとめてる。
ちなみに未成年。本来の提督は若くても23歳位なんだけど、僕はちょっと特別な事情があってね。
特例としてこの年で提督をしてるんだ。
「それで食料とかの調達を私に頼みたいんですよね?海人さんは一人暮らし長かったんですけど料理は得意じゃないって聞いてます」
「………誰から聞いたの?僕言いふらした記憶はないんだけど」
そういった事は黙ってるのに。理由?恥ずかしいじゃん。
「加賀さんからです」
加賀さんにそれ話した記憶が全くないんだけど。しかも僕加賀さんに嫌われている感じだからあまり話せない。
加賀さんというのはクールな感じの大人の艦娘だ。
表情はあまり顔に出ないタイプだけど結構優しかったりする。
………加賀の尊敬してる人(尊敬というか………もしかしたら恋愛的に好きなんだろうか?)の赤城さんという艦娘と僕が仲がいいことに対しての嫌がらせか?
「まあ、それはいいとして。買い出しはここの人達にいい場所を聞いてますから問題はないでしょう。ですけど………海人さん、仕事まだまだありますよね?」
「うっ………買い出しって名目で投げ出せないかなーって………」
書類仕事って割りと面倒なんだよね………
民間人、しかもまだ学生をやめてから一年弱のにはきついです。
「ダメ、だ。俺も手伝ってやるから一緒に頑張ろうぜ?」
「………はーい」
「ふふ、ちゃんとお土産は買っておくからさ。だから買い出しは僕と鳳翔に任せて海人は仕事を頑張ってよ、ね?」
………逃げ道完全に塞がれた!?
こうして僕はすこーし嫌な書類仕事を二人が買い出しに行っている間にすることになったのです。
本土の鎮守府:昼の少し前
「お久しぶりであります、海人殿。飲み物の差し入れに来たであります」
そういって僕らが仕事をしている執務室に入って来たのは大本営、つまり鎮守府の本拠地みたいなところで働いている艦娘のあきつ丸ちゃんだ。
ただ正確には『艦』として沈んでいたりしてないから船娘?になるらしい。
彼女とは少し縁があって僕が本土に帰った時会うことがたまにあるのだ。
「あきつ丸ちゃん、お久しぶりだね。こんなところに来るなんて僕みたいに出張?」
「そんなところであります。外回りというのも楽でないのでありますよ?」
なんでもあきつ丸ちゃんは色々な鎮守府の実態調査………
内容は艦娘を過剰に働かせたりしていないか、資材を悪用していないか、とかを調べたりする。
それと実際に深海棲艦………
深海棲艦っていうのは艦娘、いや、人類にとって敵の化け物みたいな奴等だ。
詳しくは説明はしない。どうしても長くなるからね。
で、その深海棲艦と戦っている現場からの意見などを集めたりしてそれを作戦をたてたりする時の糧とすることを目的とした艦隊………
念のために説明すると艦隊っていうのは艦娘の2~12人くらいで編成したチームのことね?
そのあきつ丸さんの所属する艦隊は戦いをしないこのが重点されているからか、通常戦闘する艦隊は第一、第二艦隊だなんて呼ばれているのに対して、第零艦隊なんて呼ばれているそうだ。
「ふー………こっちもだいぶ片付いたし、ちょうどいいな。海人、休憩にしよう」
黙々と仕事をしていた木曾も片付いたようだ。
「そうだね。あきつ丸ちゃんも一緒にどう?」
「ふむ。自分も今は暇ですので御一緒させていただくであります」
執務机の上を少し片付けて持ってきてくれた麦茶と煎餅を食べる。
「………そうだ。あきつ丸ちゃん、今夜空いてる?空いてたら一緒に島にこない?」
「む?それはどういう意味でありますか?」
「そのままの意味ですけど」
「そのまま………?むう」
なんだか考えこみはじめた。はて?何かおかしいこと言ったかな?
パーティーに誘おうと思ったから今夜空いてるか聞いただけのつもりなのに………
………木曾がなんかニヤリって顔をした。何か企んでるな。
「おいおい、そんなに考え込まなくたっていいんだぞ?そのままの意味なんだから………そういえばこの間の夜、海人の部屋から龍田とお前の悶え声が聞こえてたよなぁ?」
「!?」
「ん、聞いてたのあれ。一応二人の秘密にしてたんだけど………ていうかあれなら前に木曾も加わってたじゃん」
龍田はちょっとした事情で全身に傷痕がある。それを巻いている包帯の取り替えを龍田は僕に頼んでるんだよ。
私の秘密を知っているものとして手伝えって言われて渋々やってる。
で、それを部屋でこっそりやっている様子を僕が龍田とあれなことをしていると勘違いして木曾も入ってきて混ざったんだよ。
………って今関係ないことなんじゃ。
「き、木曾殿も含んで!?」
「んー?わかるのあきつ丸ちゃん。あれ基本僕と龍田の二人でやってるんだけど、木曾色々なことが得意だから役に立ってるんだよ」
「ふふっ、俺はお前に頼まれたらなんだってしてやれるからなあ?」
「な、何だって、でありますか………海人殿。自分、今夜は暇になったであります」
?暇になった?
「本当ならじっくりと体を休めるつもりでありましたがそうもいってられないであります………ただ、それでも今夜の予定はあけておくでありますが………海人殿。貴方がそんな人だとは思わなかったでありますっ!!」
バタンッて音を立ててあきつ丸ちゃんは怒って、しかも涙を浮かべて出ていった………何か怒らせるようなことしたっけ?
木曾、理由わかる?
「さて、わからないね。………あ。ちょっと電話したいところができたから席を外してもいいか?」
「う、うん………別にいいけどさ………」
………本当にさっきからみんな何なの?
その素振りからして絶対なんで怒ったのか絶対木曾はわかってるよね?
僕本当にさっぱりわからないんですが………
今回の嘘:木曾が実際にあったことをあきつ丸に大人のアレをしていると勘違いさせた。
です。
ちなみに描写の予定がないと思うので先に説明しますと木曾の電話をかける相手はあきつ丸の上司です。
あきつ丸は警察みたいな立場ですから。放置しておくと海人が逮捕されたりしておくでしょう。
そこで上司に先に事情を話しておいてあきつ丸が何を言っても海人が逮捕されないように根回しをしていました。