別艦隊の指揮をとれますか?:嘘とお酒と艦娘と   作:あおい安室

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………はあ。完全に駄作だな、これ………


嘘って恐ろしいということをよーく提督は味わった。

海孤島鎮守府:中庭

 

「ああやっぱり………」

 

急いで中庭に戻ったらもうお酒早飲み大会始まってた………

というかお酒の一気飲みって禁止されてなかったっけ?それが原因で死ぬ人もいるし………

あ、ステージに陸奥がいた!!

 

「こ、こら陸奥!!休んでないとだめだろ!?」

 

「………あらぁ。海人くんも大会に参加するのぉ?」

 

「いや、参加しないから!というかまだ未成年!!」

 

「青葉さーん、海人くんも参加よー!」

 

「人の話を聞いて!?」

 

というか誰だこの大会立案したの!?

 

「僭越ながら、私が立案しました」

 

「鳳翔さん!?あなた止める立場なんじゃ!?」

 

「大会、参加しなくてもいいですけど頑張りますから応援してくださいね?」

 

「そんなことは聞いてないよ!?ああもう他の大人は何をしているんだ!?」

 

………え?僕はなにもしないのかって?身体能力的にみんなを止められるわけがありません。

駆逐艦とか子供ならどうにかなるかもしれないけど。

………子供に暴力ふるうのは………ねぇ?

 

「まずは正規空母………赤城さんは………食べ過ぎて寝てる。蒼龍さんは酔っ払ってる。金剛型の四人は………あれ、いない………?よく見れば戦艦はほとんどいないな………あ、不幸姉妹はいるな」

 

「わ、私達は不幸姉妹なんかじゃありません………うう、頭が痛い………不幸だわ………」

 

「扶桑姉さま。私の姉さまでしたら私よりももーっと飲めますよね?」

 

「!?」

 

………そっとしておくしかない。

 

「………海人さん。金剛お姉さまと榛名がどこにいるのかご存じないですか」

 

「うええっ!?き、霧島驚か………?」

 

後ろから金剛型姉妹の四女である霧島の声がして振り返ると………そこにはドラム缶しかなかった。

 

「………霧島。なんでドラム缶被ってんの………とっていい?」

 

「だ、ダメですっ!………実はですね………川内型の人たちが………」

 

え、川内型?………

長女は忍者、三女はアイドルだから次女は影が薄めという金剛型とタメはれる色物姉妹が何かやったの?

 

「明日の朝覚悟しておいてくださいねっ!!」

 

「おうっ!!」

 

「………え、ええ?その回答って何かおかしいはずですが………まあいいです。で、その川内型が暴れていまして」

 

「止めてよ霧島!?」

 

「止めようとしましたよ!?結局無理でしたが!!」

 

威張って言うことじゃないと思う。

 

「………それで。川内さんに止められなかったからって上着を剥ぎ取られまして………」

 

「上半身サラシだけ?」

 

「………恥ずかしながらそれも引きちぎられました」

 

「早く部屋に帰って着替えてこいっ!!………ん?ちょっと待ってよ?金剛と榛名はともかく金剛型姉妹の最後の一人の比叡はどうしたの?」

 

「自分で作ったカレーを味見して既に寝込んでいます」

 

ある意味安定のメシマズだった………そそくさと帰っていく霧島を尻目に他に誰か無事な戦艦がいないか探す………

………あ、いた………無事じゃなかったけど………

 

「ふにゃあ………やはり島風は………いいものだ………ふふふふ」

 

「おうーーっ!?誰か助けてー!!」

 

長門………ごめん。助けられなかった。こんな失態を見せるとは思わなかったよ………

………島風。悪いけど生贄になって!!

 

「うあーん、恨んでやるー!!」

 

………これで戦艦と正規空母は全滅かぁ………重巡は………ダメだ。見える範囲で相当やられてる。

軽巡は単純に腕力不足だし、駆逐も同様………

………決して酔っ払って棍棒みたいなものを振りましている龍田と殺陣をしている眼帯の子が怖いわけじゃないっ!

………あっ!?そういえば大和は!?このパーティーの一応メインだよね?

どこかにいるはずだから、ちょっとトラブルを収めるのに協力してもらおう!!

………見える範囲にいない!?どこにいった!?

 

「海人殿、どうかしたでありますか?」

 

「あ、あきつ丸発見………よくよく考えればこの子一人でトラブル鎮圧は十分じゃん」

 

「ははは………無茶なことを。このあきつ丸はもう戦力外であります」

 

「え?」

 

「………はしゃいで飲み過ぎたことが原因で頭もジクジク痛んでいる、おまけに吐きそうであります………」

 

「いつも真っ白な顔してたからてっきり普段から体調が悪いのかと」

 

「………迷彩として肌に白粉を塗っているのであります」

 

「へえ~?よーしこすって落としてやる!!」

 

「吐いて反撃してやるであります………酔っているのでありますか?」

 

ごめんなさい。酔ってないです。とりあえず謝って大和を探していることを伝える。

 

「大和殿でありますか………泣きながら鎮守府を出て行ったのを見たであります………」

 

「泣きながら………?はて。何かしたっけ?」

 

「………自分にとっての誕生日会のようなイベントが単なる飲み会状態になっていたら泣きたくもなるでありましょう………」

 

………明日からしばらく昏睡状態になることも踏まえて行動しないとなぁ………

 

「あ、謝って許してもらうという発想はないのでありますか………?」

 

「ない。謝ってひどい目に会うならある」

 

「今までどんな生き方をしていたのでありきすか………」

 

誰かの犠牲になったり勘違いをしまくる生き方。多分これは一生変わらないね。

 

「ま、いいや。とりあえず僕は大和を探すよ………あきつ丸。鎮守府は任せた」

 

「自分ここの所属ですらないでありますよ………」

 

………この状況で頼れそうなの君だけなんだけど。はあ………宴会って本当に怖いね。

皆暴れすぎ。普段のみんなだったらそんなことはないのに。

溜め込んだ物を爆発させているのか?

 

『お酒は人から嘘を取り除くが、人に嘘をつかせる薬でもある』

 

ふっ、とその言葉を思い出した。

もしかすると。みんなが普段僕なんかに優しくしてくれているのは嘘だったのだろうか?

お酒を飲んで嘘をつかなくなったからこんな風に暴れているのだろうか?

あるいは今の暴れているみんなの姿は嘘?

 

………考えているだけで怖くて怖くて仕方がなかった。

 

 

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