青く透明な海(わたし)になりたい   作:縞野 いちご

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これにて、一度海未ちゃん視点は終わりですね。

Love marginal完成までの海未ちゃんの追憶。
電車の中で1人泣く海未ちゃんの姿を想像しただけで、号泣ものです。





第8話「離別」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、トイレから出た私は希から平手打ちを受けました。

 

 

希『理由は…わかっとるよね?』

 

 

 

平手打ちって痛いですね。

私は穂乃果にしてしまった事がありましたね…。

 

 

希の話によると、泣いて帰ってきた穂乃果をみんなが慰めているそうです。

 

 

 

 

 

……これで、私はμ'sにとって用済み、いや……邪魔者にしか過ぎないかもしれません…。

 

 

私がμ'sから消えたとしても、誰からも文句を言われないでしょう…。

お別れは言えませんね。

 

 

 

 

 

 

海未「…身支度を済ませて帰りましょう。」

 

 

 

 

みんなに、最後のお別れもできないのは寂しいですが、仕方がないですね。穂乃果を傷つけたのですから、当然です…。

 

 

 

 

 

海未「っ。」ポロポロ

 

 

 

 

いくら頭で理解していても、涙は止まらないものですね…。

 

 

 

 

多分…。みんなの顔を見れるのは今日が最後でした…。

 

 

それなのに、こんな別れ方…。

あまりでは無いでしょうか?…。

 

 

 

 

 

 

 

…さようなら…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜東京駅〜

 

 

 

会場を後にした私は、1人で駅に向かっていました。

とても、この身体で家まで、凍っていて滑りそうな道を歩いては帰れませんから、仕方ないです。

ここから、次の駅までですね…。

 

 

 

…確か、これからみんなは打ち上げ、と言っていましたっけ…?

 

私のせいで、それどころでは無いかもしれませんが。

 

 

 

 

 

改札を通り、ホームまでやって来て、帰るための電車を待っていました。

 

 

この電車に乗れば、家に帰るだけとなります。

 

 

…私は、今までの目標に向かって真っ直ぐ走っていました。その儚い幻想も終わり、これから待つのは「死」という恐怖だけ。

 

 

 

 

私はその事を、1人でいることによる寒さから実感して、恐怖に震えていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガシッ

 

 

!?

 

 

 

 

その震えていた私の背中に、何者かがしがみつきました。

 

 

 

 

 

穂乃果「海未ちゃん…。」

 

 

 

 

海未「ほ…穂乃果!?」

 

 

 

なぜ、あなたがここにいるのですか!?あなたはみんなと一緒に…

 

 

 

 

穂乃果「何で帰っちゃったの!?

みんな心配してるんだよ!?」

 

 

 

…心配…?それは、穂乃果に対してでしょう…?

 

 

 

海未「…あんなに酷いことを言われて……どうしてあなたは抜けてきたのですか…!?

しかもここまで…。」

 

 

穂乃果「…そんなの決まってるよ、

 

海未ちゃんが大好きだからだよ!」

 

 

 

 

!!

 

 

あんな事をしても、大好きと言ってくれるのですか…?ジワッ

 

 

 

海未「……。

すみません…。ちょっと体調が悪くなってしまって…。

先に早退しました…。」

 

 

 

穂乃果「……そんなの嘘だよ…。

海未ちゃんは、早退する時はちゃんと顔を出してから帰るもん…。

 

…それとも

 

…やっぱり……

穂乃果のこと、本当に嫌いになっちゃったの?」ポロポロ

 

 

もう…無理ですよ…。

これ以上、私はどうすれば良いのですか?

 

 

海未「……嫌いな訳がない…

 

嫌いになれる訳がないではありませんか!?

私は…私は…」ツー

 

 

そこまで言って私は止めました。

ここで言ってしまっては、ここまで耐えた意味がありません…。

 

 

穂乃果「……海未ちゃん…?」

 

海未「……本当はみんなと喜びを分かち合いたかったのですが、本当に疲れてしまったのです…。」

 

 

 

穂乃果「…海未ちゃ…」

海未「悲しい顔をしないで下さい…。ここまで追いかけてくれてありがとうございました。

 

穂乃果は、みんなと合流して下さい。」ニコ

 

 

私は頑張って、笑顔を穂乃果に見せました。穂乃果が安心して私と別れる事ができるように…。

 

 

 

 

穂乃果「…今日は本当にありがとう…そしてごめんね。」

海未「ええ…。

《これからもあなた達を見守っています》。」

穂乃果「…え?」

 

 

 

 

その瞬間に、電車がホームへやって来ました。

この電車に乗ると、多分私はもう穂乃果には会うことは叶わなくなるでしょう…。

 

最後に……最後に…………

 

 

 

 

海未「穂乃果…。」

穂乃果「…どうしたの?」

海未「抱きしめてもよろしいでしょうか?」

穂乃果「! もちろん…。」

 

 

穂乃果とは……これで………

 

 

 

海未「…。」ダキッ

穂乃果「……お疲れ様……海未ちゃん。」ギュッ

 

 

温かい穂乃果の温もり…

私にはもう感じられる事は無いでしょうね…

 

 

 

『まもなくドアが閉まります、ご注意下さい。』というアナウンスと共に、穂乃果から離れて私は歩きながら一言、

 

 

 

海未「それでは、先に乗ります。」

 

とだけ穂乃果に呟きました。

 

 

 

 

 

私が乗ると電車は動き出し、みるみるうちに穂乃果から離れていきました。

やがて小さくなった穂乃果の姿は、大都市の光の中に消えてしまい、この時に私は完全に1人となったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

窓の外を見ると、雪が降っていた東京は一面真っ白になっていて、幻想的な景色が広がっています。

 

 

ドアの近くに立っていた私は、吐息でガラスを曇らせ、私の想い人だった人の名前を1つ、小さく書いて、すぐに消してしまいました。

 

 

海未「あなたに…想いを一言でも伝えたかった…。」

 

 

切ない気持ちでいっぱいになった私の心は、誰にも気付かれる事なく、東京に積もった雪と光の中に埋もれていきました。

でも、それで良いんです。誰にも気づかれずに、この思いは私の心の中に封印しましょう。

永遠の秘密として…………

 

 

 

 

 

唇を震わせている私の顔が、ドアのガラスに反射している姿が、なんとも哀愁を漂わせるような光景で…

 

 

 

海未「随分痩せましたね…。」

 

 

なんていう独り言を言わせたりして。

 

 

 

 

 

疲れている私の様子を気に掛けてくれて寄り添ってくれた穂乃果やことり、μ'sのみんなの姿はどこにもなく、それが心を一層切なくさせました。

 

 

 

 

 

……さようなら…みんな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海未「…疲れて…しまいました…」ポロポロ

 

 

 

精神的にも肉体的にもボロボロになった私の体は、ドアの冷たくなった窓にもたれかかって、震えていました。

 

 

 

 

 

 

 

大好きでしたよ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




第8話、海未視点はひとまず完結です。

にこ「…で?なんでまた私なのよ?
穂乃果と海未がまだでしょうが。」

いや〜、なんか一番和むというか、シリアスをもみ消してくれそうというか……

にこ「そ、そう?まあ、にこにーのピュアピュアオーラがみんなの心を安らかにするのはとうぜ……」

次からは穂乃果視点になります。あの時、穂乃果ちゃんからはこう見えていたんだなぁ…と、わかっていただける様にしています。穂乃果ちゃんの目には海未ちゃんがどう映っていたのか、次回もお楽しみに。


にこ「って、やっぱりこういう扱いじゃない!!」


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