公園
達也の家から数分のところにある公園。その広さは、富士山がすっぽり入るぐらいの大きさ。現在も一部工事中でさらに広くなっている。
信吾「ほぅ、ずいぶん大きい公園じゃのぅ。昔とは違って今はこんなに立派なものがあるんか」
彩夏「えぇ、そうですね。昔は空き地のようなものでしたから」
達也「いやいや、こんな広い公園がそんなに沢山あるわけないよ。ここは日本で唯一、全部のスポーツはもちろん、アスレチックとか子供も楽しめるように作られた国立公園だからね。この公園ができる前は外国の工場が沢山あったんだけど、不況で潰れたんだ。だから、国が雇用を作ろうとしてこの公園を作ったんだよ」
惣介「お父さん、そんなこと今はどうでもいいでしょ。おじいちゃん、早くあっちでサッカーしようよ」
信吾「わかったわかった、じゃあ行こうかのぅ。じゃが、公園のすぐ横で工事とは少し危なくないかのぅ」
信吾の見つめる先にはダンプカーやタンクローリーが行きかっている道路があった。
達也「あぁ、あれね。今度はここにホテルを建てるみたいだよ。確か総理が強引に計画を進めてるみたい」
ブチっ!
何かが切れるような音が響き、信吾の周りがゆがんでいるような錯覚を周りにいた人たちは見ていた。
信吾「いつの時代も腐ったやつがいるのは変わらんな。誰のための公園なのかのぅ。まったく、金の亡者にはなりたくないのぅ。...さて、これ以上惣介を待たせると怒られてしまうからのぅ。そろそろ行かなくてはの」
ゆっくりと歩き出す信吾。その背中を見つめる達也と彩夏。
達也「ほんとに昔から変わらないね。俺が家を出て行った時から」
彩夏「そうですね、あの時もあの人の組員が起こした事件でいろいろありましたからね」
達也「父さんは俺が組を継がなかったのどう思ってるんだろう?」
彩夏「どうでしょうね。親子なんですからいつか聞いてみたらいいんじゃないですか?今度、お酒でも飲みながら話してみなさい。たとえ離れていても家族なんですから」
元家族が久しぶりに本当の家族として戻りつつあった。
彩夏「さぁ、私たちも行きましょうか。二人だけにしとくと何かしでかしそうですから」
達也「あっはっは。そうだね、早く行こうか」
サッカーコート
コートの周りには人だかりができていて、彩夏と達也は中に入れないでいた。
達也「なんかもう嫌な予感がしてきた」
彩夏「えぇ、私もです」
二人は冷や汗を流しつつ、少しずつコートに近よっていった。そして、コートの中に居る人物をみて予感が確信にかわった。