最初にプレイしたのはGジェネアドバンスなのでどっちかと言うとトムクリエイト版よりもヴァンガード版の方が好きです。
でもモノアイガンダムとかギャザービートとかそれぞれにストーリーがあるので出しづらい…
エリュシオンにて人類が初めて降り立った場所。
今はそこに巨大な街があり、放射能中和材をドーム状に囲う為の柱はコロニーとのターミナルとしての機能も兼ねていた。
シャトルが垂直に着陸した場所ごとドームの中に降りていき、やがて屋根によって完全に閉じられる。
レイチェルはすうっと深呼吸をすると抑えられない好奇心からくる逸りからステップを刻みながらシャトルの昇降口の階段を降りていたがエリュシオンの重力にそう簡単に対応できる訳もなく大きくバランスを崩す。
しかし、倒れようとしているレイチェルの身体は突然、後ろからの手によって引き戻された。
「あっ、どうもありがとう」
たどたどしく礼を告げ見上げるとレイチェルを助けたのは白い髪とコート、冷淡な瞳をもつ男、シャトルに同乗していたあの男であった。
男は暫く鋭利な視線を向けた後レイチェルをすり抜け階段を降りると早々にロビーの群衆の中へと消えていった。
・
「えっ、叔父さんには会えないんですか?」
叔父であるラムザットが指定した連絡先からの返答は淡々としたものだった。
「急遽会談が入ってしまいまして、ラムザット総司令はお忙しい方ですから…」
叔父、エイブラム・M・ラムザットは両親が死んでからはレイチェルの唯一の肉親と呼べる人物であった。
しかし、レイチェルを首都『ペルサスコロニー』の女学院に通わせてからはほぼ音信不通であった。
女学院がシーズン休みになり、手紙が来てどれ程嬉しかったか、どれ程会いたかったか…
そんな思いも知らずに会談などしている叔父に対する気持ちは悲しさから怒りへと変貌していった。
・
スタスタと歩いてはいるものの自分が今どこにいるか、どこへ向かおうでもなくターミナルの景色を見回すでもなく遣り場のない不満からくる気持ちを抱えたまま歩くレイチェルは端から見れば、怒っている様にも見える。
レイチェルとて叔父の仕事上仕方ないと言えば仕方ないのは重々承知だが自分の思いとは裏腹に伝言の一つもくれない叔父に対しての心の折り合いがつかずにいた。
そんな事を考えていると自分が人気のない場所を歩いているのに漸く気付いたレイチェルは肩を竦めて回れ右をするが
「本当にクロノスの動きに特段変わった様子はないのか?」
「えぇ。いつもの時間にサラマンドラが演習の為に出動したきりでそれ以外に港の様子に変わりありません。」
叔父の職業柄クロノスという言葉に敏感だったからか何故かそんな会話がクリアに聞き取れ、思わず通路端の会話を盗み聞きする形になっていた。
「そうか、ご苦労さん。しかしお前さんみたいな若い人間が我々のシンパとはね。苦しいだろうが、頑張れよ。」
「……どうも」
何かよからぬ話をしているのは明らかで早々に立ち去ろうとした矢先、不運にも男が立ち去ろうと踵を返すとレイチェルを見つけ怒鳴る。
「誰だッ!」
少年の青い瞳がレイチェルを捉えた。
・
「バリュート、パージ!」
「バリュート切り離し、ヨォーシ!」
壮年の男の指示になぞる様に操舵手の声が狭いブリッジ内に響く。
エリュシオンの大気圏内に浸入した戦艦は巨大なパラシュートの接続部を切り離し艦体のオレンジ色をエリュシオンの夜空に際立たせる。
「ぼさっとするんじゃないよ!大気層を抜けたら直ぐ出すんだからね!」
威勢のいい女性の声が響き渡る格納庫にはギリギリまで作業していた何人かが慌ただしく別ブロックに退避していた。
「チェックは万全ですんでミノフスキー・フライトはバッチリです!」
「後はあちらさんが上手くやってくれるのを祈るだけさ…」
メカニックチーフのケイ・ニムロッドが見上げる先にはMS4機が縦に整列して何れも同じ姿だが右肩にナンバーが振られ、最前列の01は他の機体よりも黒い塗装が目立つ。
「作戦の大筋は変わらん。大気圏降下後、目標を拿捕又は破壊した後、指定のポイントで離脱。わかってるな」
メーディニの戦艦『キャリーベース』のMS隊長は薄暗いコクピットの計器類を操作しながら部下に作戦を再確認させる。
「了解だマーク…しっかし見たかよアレ。戦闘中でも自前で大気圏降下してったぞ」
「あれは本当に“MS”なんでしょうか?」
「何にせよ下で“クロノス”が待ち受けてる事は確かだ、気を引き締めろ」
「ハッ、ヘマすんなよレイチェル!」
「だれが…!」
大気圏内に入った事で前面の隔壁がスライドして外の光が暗い格納庫に射し込み始めると同時に格納されているMSのツインアイにも光が灯る。
歩き始めたMSの両足裏がカタパルトに収まると瞬時に固定され機体が身を前方に屈める。
「トルネード01。マーク・ギルダー、出るぞ!」
発艦申告と共に“Gトルネード”はキャリーベースの甲板を滑走し機体は前方に投げ出される。
背部のスラスターが勢いよく燃焼し青白い噴射炎を吐き出しながら空中を飛行するトルネード01とそれに追従するラナロウとルークが駆るトルネード02、03が追従する形で編隊飛行をとる。
「艦長。前方の目標から先に敵の反応、これは…サラマンドラです!」
オペレーターのラ・ミラ・ルナの声が恐怖で上擦った声をあげる。
サラマンドラはクロノスの旗艦であり搭載されているMSパイロットは精鋭揃い、戦艦自体の火力も凄まじく並の戦力では迂闊に近付けない。
「艦長…」
「あぁ、奪取目標ともう一つのMS…クロノスの挙動…どれをとっても不自然だ。本当にあれがペルサス政府軍から供与されるクロノスの新型なのか?」
操舵手のエルンスト・イェーガーは長年の経験からこの状況に違和感を感じていた。
それはこの艦の長であるゼノン・ティーゲルもまた同様に感じてい事だがそれはこの作戦の指揮官であるゼノンにとっては雑念に他ならない。
艦を高度ギリギリに近付ける様指示すると既に事を成した後のMSの撤退を支援するための思考を巡らせていた。
Gトルネード
メーディニを極秘裏に支援するコロニー内に秘匿されていたかつての地球圏の争乱時代のMS。
高い汎用性とミノフスキーフライトによる飛行能力をもつ。活動当時は1機のみだったが現在は20機程度が稼働状態にある。